電磁気学Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電磁気学Ⅲ
科目番号 0010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電磁気学(改訂版) 山口昌一郎著 電気学会
担当教員 安田 利貴

到達目標

電磁誘導現象と磁性体特性に関する基本概念を修得として,これらの知識を活用法を身に付ける.以下,到達目標を提示する.
1.電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明することができる.
2.電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明することができる.
3.物質の磁性体特性を説明することができる.
4.インダクタンスの算出,磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明と基本的な問題を解くことができる. 電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明ができる.電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明ができない.
評価項目2電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明と基本問題を解くことができる.電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明することができる.電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明することができない.
評価項目3物質の磁性体特性を説明と基本的な問題を解くことができる.物質の磁性体特性を説明できる.物質の磁性体特性を説明できない.
評価項目4インダクタンスの説明と算出ができる.そして,磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.インダクタンスの説明と磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.インダクタンスの説明ができない.磁性体の特徴とその利用方法が説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.電磁誘導作用に関するファラデーの法則の原理が理解できる.
2.電磁的結合の要素としてのインダクタンスの原理が理解でき,計算もできる.
3.コイルの接続方法や透磁率の違いによるインダクタンスの特性が理解できる.
4.磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.
授業の進め方・方法:
数式で示される電磁気現象を図示を用いて理解を深める工夫をする.
注意点:
電磁気学Ⅱで学ぶ「磁界」について特に理解しておくこと。また誘導起電力やインダクタンスなどを実際に計算するので,解析で学ぶ微分・積分を再度確認しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.電磁誘導作用(その1)
ファラデーの法則による電磁誘導現象を解説する.
ファラデーの法則による電磁誘導現象の考え方が理解できる.
2週 1.電磁誘導作用(その2)
磁界中で回転するコイルに誘導される起電力,磁界中を運動する導体に生じる起電力および電気・機械エネルギー変換,渦電流を解説する.
磁界中で回転するコイルに誘導される起電力,磁界中を運動する導体に生じる起電力および電気・機械エネルギー変換,渦電流が理解できる.
3週 1.電磁誘導作用(その3)
交流の発生,磁界中を運動する導体に生じる起電力を電磁誘導の作用を考慮して解説する.
交流の発生,磁界中を運動する導体に生じる起電力を電磁誘導の作用が理解できる.
4週 1.電磁誘導作用(その4)
電磁誘導作用に依存する電気・機械エネルギー変換,渦電流について解説する.
電磁誘導作用に依存する電気・機械エネルギー変換,電流が理解できる.
5週 2.インダクタンス(その1)
 電磁結合の状態を知る上で重要な自己インダクタンスと相互インダクタンスを解説する.
 電磁結合の状態を知る上で重要な自己インダクタンスと相互インダクタンスが理解できる.
6週 2.インダクタンス(その2)
 電磁結合における自己インダクタンスと相互インダクタンスの相互作用について解説する.
電磁結合における自己インダクタンスと相互インダクタンスの相互作用が理解できる.
7週 中間試験を実施する. 1~6週までの講義内容の理解度が確認できる.
8週 3.インダクタンス(その1)
回路的な接続の相違によるインダクタンスの相互作用を解説する.
回路的な接続の相違によるインダクタンスの相互作用が理解できる.
2ndQ
9週 3.インダクタンス(その2)
環状ソレノイド・円筒ソレノイドなどの具体的なインダクタンスの計算方法を理解する.
環状ソレノイド・円筒ソレノイドなどの具体的なインダクタンスの計算方法が理解できる.
10週 4.磁性体(その1)
磁性体の磁気的性質,磁化曲線,磁気ヒステリシスなどについて解説する.
磁性体の磁気的性質,磁化曲線,磁気ヒステリシなどが理解できる.
11週 4.磁性体(その2)
電気回路との類似性から,磁気回路におけるオームの法則により,磁性体各部の磁束分布を計算する方法を解説する.
電気回路との類似性から,磁気回路におけるオームの法則により,磁性体各部の磁束分布を計算する方法が理解できる.
12週 4.磁性体(その3)
物質の磁性,磁化の強さ,磁化率と透磁率,強磁性体の磁化などのを解説する.
物質の磁性,磁化の強さ,磁化率と透磁率,強磁性体の磁化などが理解できる.
13週 4.磁性体(その4)
磁化に要するエネルギー,ヒテリシス損失,磁気回路,エアギャップをもつ磁気回路を解説する.
磁化に要するエネルギー,ヒテリシス損失,磁気回路,エアギャップをもつ磁気回路が理解できる.
14週 期末試験を実施する. 7~14週までの講義内容の理解度が確認できる.
15週 授業全体を振り返る. 目的や目標に対する到達度を自己点検できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。1
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。1
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。1
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。1
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。1
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000