到達目標
【目標】本授業の目標は,コンデンサ,コイルが持つ電圧・電流の過度特性に関する基本的概念を習得して,これらの知識を活用する能力を習得することである.
1.直流・交流回路におけるコンデンサ,コイルがおよぼす電圧・電流の定常および過渡状態について説明ができる.
2.RLCで構成される回路状態を示す微分方程式を直接,解くことができる.
3.RLCで構成される回路状態を示す微分方程式をラプラス変換を用いて解くことができる.
4.過度現象の応用として,電気回路と機械的状態の共通点や微分・積分回路について理解できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 電気回路Ⅰ・Ⅱの電子回路の直流・交流回路において,オームの法則,キルヒホッフの法則などの原理原則説明ができ,更に,基本問題が解ける. | オームの法則,キルヒホッフの法則などを用いて直流・交流回路の基本的な考え方を説明できる. | オームの法則,キルヒホッフの法則などを用いて直流・交流回路の基本的な考え方を説明できない. |
評価項目2 | RLCで構成される回路状態を示す微分方程式を導き出す手順が説明できて,解くことができる.
| RLCで構成される回路状態を示す微分方程式を導き出す手順が説明ができる. | RLCで構成される回路状態を示す微分方程式を導き出す手順が説明ができない. |
評価項目3 | RLCで構成される回路状態を示す微分方程式をラプラス変換を導き出す説明ができ,解くことができる.
| RLCで構成される回路状態を示す微分方程式をラプラス変換を導き出す説明ができる. | RLCで構成される回路状態を示す微分方程式をラプラス変換を導き出す説明ができない. |
評価項目4 | 過度現象の応用として,電気回路と機械的状態の共通点や微分・積分回路の特徴が説明でき,その次状態方程式を解くことができる. | 過度現象の応用として,電気回路と機械的状態の共通点や微分・積分回路の特徴が説明できる. | 過度現象の応用として,電気回路と機械的状態の共通点や微分・積分回路の特徴が説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
1.電子回路に基本原理の確認
オームの法則,キルヒホッフの法則および抵抗,コンデンサ,コイルの働きを確認する.
2.過度現象
コンデンサ,コイルの性質と電気エネルギの関係が理解できる.
3.1 直流回路
状態方程式について,微分方程式の直接解法とラプラス変換を用いた方法を理解する.
また,必要に応じて特性を時間的変化から確認できるようにする.
3.1.1 RL回路直列回路
3.1.2 RC回路直列回路
3.1.3 直並列回路
3.1.4 LRM結合回路
3.2 パルス回路
3.3 交流回路
4.複エネルギ回路
4.1 直流回路
4.2 交流回路
5.過度現象の応用
状態方程式について,微分方程式の直接解法とラプラス変換を用いた方法を理解する.
授業の進め方・方法:
演習問題を主体に授業を進める.学習の到達目標が実現できるように,レポートや定期試験を行う.
注意点:
直流理論および交流理論を充分理解し,定常状態における直流・交流回路が解けること.数学において,微分・積分の知識があり,基本的な関数の微分・積分ができるようにしておく.授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.過度現象,線形微分方程式の解法基礎 コンデンサ,コイルの性質と電気エネルギの関係について,電圧もしくは電流の動きに注目して過度特性を解説する.また,微分方程式の直接解法を確認する. |
コンデンサ,コイルの性質と電気エネルギの関係について,電圧もしくは電流の動きに注目した過度特性をイメージできる.微分方程式の直接解法として,直接積分形,変数分離形などを理解する.
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2週 |
直流RL回路直列回路の状態方程式を示す微分方程式の直接解法を例題を通して解説する. |
直流RL回路直列回路の状態方程式を示す微分方程式の直接解法を理解できる.
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3週 |
直流RC回路直列回路の状態方程式を示す微分方程式の直接解法を例題を通して解説する. |
直流RC回路直列回路の状態方程式を示す微分方程式の直接解法を理解できる.
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4週 |
直流直並列回路の状態方程式を示す微分方程式の直接解法を例題を通して解説する. |
直流直並列回路の状態方程式を示す微分方程式の直接解法を理解できる.
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5週 |
ラプラス変換を用いた微分方程式の解法について解説をする.また,これまでの回路の例題についてラプラス変換を用いた解法について解説する(その1). |
ラプラス変換を用いた微分方程式の解法が理解できる.また,これまでの回路の例題についてラプラス変換を用いた解法が理解できる.
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6週 |
これまでの回路の例題についてラプラス変換を用いた解法について解説する(その2) |
これまでの回路の例題についてラプラス変換を用いた解法が理解できる.
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7週 |
中間試験を実施する. |
1~6週までに行った授業内容を理解する.
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8週 |
LRM結合回路の状態方程式の解法を解説する. |
LRM結合回路の状態方程式の解法が理解できる.
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2ndQ |
9週 |
パルス回路の状態方程式の解法を解説する.必要に応じて,過度特性を視覚化する. |
パルス回路の状態方程式の解法を理解する.パルス回路の過度特性を視覚化できる.
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10週 |
交流回路の状態方程式の解法を解説する.必要に応じて,過度特性を視覚化する(その1). |
交流回路の状態方程式の解法を理解する.交流回路の過度特性を視覚化できる.
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11週 |
交流回路の状態方程式の解法を解説する.必要に応じて,過度特性を視覚化する(その2). |
交流回路の状態方程式の解法を理解する.交流回路の過度特性を視覚化できる.
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12週 |
相互誘導回路の電流変化を解説する. |
相互誘導回路の電流変化が理解できる.
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13週 |
過度現象の応用 微分・積分回路の性質および機械的過度現象と電気回路の類似点を解説する. |
過度現象の応用として微分・積分回路の性質および機械的過度現象と電気回路の類似点が理解できる.
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14週 |
期末試験を実施する. |
7~14週までに行った授業内容を理解する.
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15週 |
授業全体の確認を行う. |
目標に対しる到達度を自己点検できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 1 | 前1 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 1 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | |
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。 | 1 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 1 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 1 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 3 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 1 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 1 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | |
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 1 | |
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 1 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | |
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。 | 1 | |
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。 | 1 | |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 3 | |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 1 | |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 3 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |