対話としての哲学・倫理入門

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 対話としての哲学・倫理入門
科目番号 0040 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『倫理』(第一学習社)、『現代社会』(山川出版)
担当教員 小川 泰治

到達目標

1.哲学・倫理学が蓄積してきた知識を利用しながら、批判的に考えることができる。
2.複数の人々との対話の中で、しっかりと聴くこと、問うこと、その対話を楽しむことができる。
3.学習を通して得た知識を利用しながら、自身で新たな問題を立てる(課題設定をする)とともに、複数の人々との対話の中から意見を適切に分類し、自らの考えを論理的に表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1哲学・倫理学が蓄積してきた知識を利用しながら、批判的に考えることができる哲学・倫理学が蓄積してきた知識を利用しながら考えることができる。哲学・倫理学が蓄積してきた知識を理解している。哲学・倫理学が蓄積してきた知識を理解していない。
評価項目2複数の人々との対話の中で、聴くこと、その対話を楽しむことができる。複数の人々との対話の中で、人の話を聴き、その対話を楽しむことができる。複数の人々との対話に参加し、その対話を楽しむことができる。複数の人々との対話に参加したり、楽しむことができない。
評価項目3学習を通して得た知識を利用しながら、自身で新たな問題を立てる(課題設定をする)とともに、複数の人々との対話の中から意見を適切に分類し、自らの考えを論理的に表現することができる。自分で問題を立てる(課題設定をする)とともに、複数の人々との対話の中から意見をくみ取り、それらの意見を理解できる。問題を立て(課題設定をし)、複数の人々との対話の中でさまざまな意見を聴き、その違いを理解することができる。問題を立て(課題設定をし)たり、複数の人々との対話に参加することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、哲学・倫理学が蓄積してきた知識の中から最重要な項目について学習するとともに、実際にクラスでの対話(議論)を通して哲学的に考える方法を学ぶ。本教科では汎用的四技能(課題設定・習得収集・分析・発表)のうち、特に、課題設定と分析の力を養う。具体的には、自分たちで問いを考え、それについて複数の人々と対話することによって分析をしていく。
授業の進め方・方法:
授業では講義の形で哲学史・倫理学史の知識を学習するとともに、それを元に問いを考え、クラス全体ないしグループ、あるいは、紙上での対話を行なう。
注意点:
参加型の授業であるため、対話に積極的に参加することが求められる。積極的な参加とは、発言することだけを意味するのではなく、しっかりと聴くことも含まれる。そして、何よりも他の人の発言を受けて、自らが考えを深めることがもっとも重要な「積極的参加」の意味である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 授業の概要、到達点を理解する。
2週 哲学の始まり1 授業で繰り返し行う「哲学対話」の手法に親しむ。
3週 哲学の始まり2 授業で繰り返し行う「哲学対話」の手法に親しむ。
4週 哲学の始まり3 哲学という学問がどのように始まったかを理解し、自らも「哲学する」ことを始める。
5週 哲学の始まり4 古代ギリシャ哲学を中心に「そもそも」を考える哲学のあり方の基礎的な事項を学ぶ。
6週 倫理学・美学の周辺1 哲学対話を通して、価値や「ほんとう」について考える。
7週 倫理学・美学の周辺2 6週目までの授業の内容をもとに身近なテーマにひきつけながら対話を行う。
8週 中間試験
2ndQ
9週 倫理学・美学の周辺3 倫理学の基本的な事項を学び、それを批判的に検討する。
10週 倫理学・美学の周辺4 倫理学の基本的な事項を学び、それを批判的に検討する。
11週 存在論・形而上学の周辺1 世界のあり方について哲学の考え方を学び、他の人ともに議論する。
12週 存在論・形而上学の周辺2 世界のあり方について哲学の考え方を学び、他の人ともに議論する。
13週 宗教について考える1 いくつかの宗教(仏教・キリスト教・イスラームなど)について基本的事項について理解する。
14週 宗教について考える2 いくつかの宗教(仏教・キリスト教・イスラームなど)について基本的事項について理解する。
15週 宗教について考える3 いくつかの宗教(仏教・キリスト教・イスラームなど)について基本的事項について理解する。
16週 期末試験 15週目までの授業の内容を理解し、それを表現できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3

評価割合

試験その他(授業内での活動、レポート等)合計
総合評価割合5050100
基礎的能力5050100
専門的能力000
分野横断的能力000