化学I

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学I
科目番号 0051 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 東京書籍「改訂 化学基礎」/ 森北出版「例題で学ぶ基礎化学」/ 東京書籍「ダイナミックワイド図説化学」/ 東京書籍「改訂 ニューステップアップ化学基礎」
担当教員 小林 美学

到達目標

1.化学が物質を対象とする科学であることや,化学が人間生活に果たしている役割を理解できる。
2.原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明できる。
3.化学反応の量的関係が理解し計算ができる。
4.これらの目標を達成するために探求活動を行い,学習内容の理解を深めるとともに,化学的に探求する能力を高めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
化学と人間生活代表的な金属、プラスチックなどの性質、用途および再利用など生活とのかかわりについて説明できる。また洗剤や食品添加物等の有効性や環境リスクについて説明できる。代表的な金属、プラスチックなどの性質について説明できる。また洗剤や食品添加物等の有効性や環境リスクについて部分的に説明できる。代表的な金属、プラスチックなどの有機材料の性質について説明できず、また洗剤や食品添加物等の有効性や環境リスクについて説明できない。
物質の成分と構成元素物質が原子からなることを理解し、単体と化合物、純物質と混合物に属する物質および同素体同士の関係にある物質を列挙することができる。物質が原子からなることを理解し、部分的に単体と化合物、純物質と混合物に属する物質および同素体同士の関係にある物質を列挙することができる。物質が原子からなることを理解しておらず、単体と化合物、純物質と混合物に属する物質および同素体同士の関係にある物質を列挙することができない。
原子の構造と元素の周期表原子・イオンの構造をそれらを構成する粒子から説明できる。特に電子電子殻における電子の配置説明することができる。原子およびイオンの構造を部分的に説明することができる。原子およびイオンの構造を説明することができない。
化学結合イオン結合,共有結合,金属結合等の様々な結合とそれらの結合からなる結晶の性質を説明できる。また、物質を各結晶に分類することができる。様々な結合とそれらの結合からなる結晶の性質を部分的に説明できる。また、一部の物質を各結晶に分類することができる。様々な結合とそれらの結合からなる結晶の性質を説明できず、物質を各結晶に分類することもできない。
物質量と化学反応式原子量、分子量、式量に関する計算をすることができる。また質量パーセント濃度、モル濃度の計算ができる。原子量、分子量、式量に関する計算および質量パーセント濃度、モル濃度の計算が部分的にできる。原子量、分子量、式量に関する計算および質量パーセント濃度、モル濃度の計算がを行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.化学が物質を対象とする科学であることや,化学が人間生活に果たしている役割を学ぶ。
2.原子の構造および電子配置と周期律の関係を学ぶ。
3.化学結合および化学反応式について学び、化学反応の量的関係を理解する。
授業の進め方・方法:
高校教科書を用いて化学に必要な基本的な考え方、語句、定義について説明をしていく。教科書の問題や副教材を活用して、知識の定着を図っていく。
注意点:
・本科目の学習内容を定着させるためには、毎回の授業の予習・復習を怠らず行い、授業に集中することが必要である。
・関数電卓は本科目だけではなく実験等の他の科目でも使用するので常に持ってくること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
序編 化学と人間生活
・人間生活の中の化学
・化学とその役割
・化学が物質について学ぶ学問であることを認識している。
・金属やプラスチック等の性質や用途を理解している。
・化学肥料・農薬・食品添加物等の化学物質のベネフィットと人体や環境へのリスクについて説明できる。
2週 1-1 物質の成分と構成元素
・物質の成分
・物質の構成元素
・物質を純物質と混合物に区別することができる。
・様々な混合物を成分に分離する適当な分離及び精製操作を説明することができる。
・物質は元素からなり、純物質を単体と化合物に区別することができる。
3週 ・物質の構成元素
・同素体
・物質の三態
・代表的な元素の同素体を説明することができる。
・簡単な元素の同定方法(炎色反応・沈殿生成)を説明することができる。
・三態と三態間の状態変化を説明することができる。
・分子運動と温度の関係を説明することができる。
・絶対温度とセルシウス温度の間の変換ができる。
4週 1-2 原子の構造と元素の周期表
・原子の構造
・原子および原子核を構成する要素を説明することができる。
・同位体とは何かを説明することができる。また、放射性同位体とその利用方法を説明することができる。
5週 ・電子配置と周期表
・元素の周期律
・様々な元素の電子殻の原子配置および価電子を説明することができる。
・元素の周期律を説明することができる。
・周期表上の特定の属または周期に属する元素の名称を説明することができる。
6週 ・電子の軌道
・原子における価電子の数
・炎色反応の起こるしくみ
・各電子殻を形成する電子軌道を説明することができる。
・炎色反応の原理を電子軌道を用いて説明することができる。
7週 1-3 化学結合
・イオンとイオン結合
・イオン結晶の構造
・様々な原子からなるイオン、およびイオン間のイオン結合によるイオン結晶を説明し、イオン式や組成式で表することができる。
8週 前期中間試験
前期前半の学習内容の理解度を確認するテストで合格点をとる。
2ndQ
9週 ・分子と共有結合
 ・軌道と分子の形
 ・配位結合
 ・錯イオンの構造と命名法
・共有結合の形成により分子が形成することを説明できる。
・原子や分子における電子の配置を電子式や構造式を用いて表すことができる。
・いくつかの分子の形を説明することができる。
・配位結合や錯イオンについて説明できる。
10週 ・分子と共有結合
 ・分子間力(水素結合・ファンデルワールス力)
 ・分子間力と液体の沸点
 ・分子結晶
 ・氷の結晶構造
・水素結合を形成する分子を説明することができる。
・ファンデルワールス力について説明することができる。
・分子間力と液体の沸点の関係について説明することができる。
・分子結晶の形成と性質について説明することができる。
・氷の結晶構造を説明することができる。
11週 ・分子と共有結合
 ・共有結晶
・金属と金属結合
 ・金属結晶の構造
 ・結晶構造と充填率
 ・物質の分類
・共有結晶の形成とその性質について説明することができる。
・金属と金属結合の性質および重要な金属元素の用途を説明するができる。
・金属の結晶構造について説明することができる。
・物質を粒子(原子・分子)同士の結合の仕方により分類し、それぞれの代表的な物質及び性質を説明することができる。
12週 2-1 物質量と化学反応式
・原子量・分子量・式量
・原子の相対質量と原子量の定義を理解している。
・分子量・式量の違いが認識し、様々な物質の分子量または式量を求めることができる。
13週 ・物質量 ・アボガドロ数と物質量の関係を理解し様々な物質の物質量を求めることができる。
・気体のモル質量を用いた計算ができる。
14週 ・溶液の濃度 質量パーセント濃度およびモル濃度の計算ができる。
15週 前期末試験 前期後半の学習内容の理解度を確認するテストで合格点をとる。
16週 前期末試験の解説と前期学習内容のふりかえり 定期試験の結果を通して理解度が低いところがあれば認識し、復習すべき単元を確認して化学IIの授業につながる学習の計画を立てる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前3
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3
水の状態変化が説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前5
価電子の働きについて説明できる。3前5
原子のイオン化について説明できる。3前7
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前7
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前6
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前7
イオン結合について説明できる。3前7
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前7
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前7
共有結合について説明できる。3前9
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前9
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前11
金属の性質を説明できる。3前11
原子の相対質量が説明できる。3前12
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前12
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前13
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前12
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前13
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前7
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前14
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前14

評価割合

試験課題小テスト合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000