化学II

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学II
科目番号 0052 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 東京書籍「改訂 化学基礎」/ 森北出版「例題で学ぶ基礎化学」/ 東京書籍「ダイナミックワイド図説化学」/ 東京書籍「改訂 ニューステップアップ化学基礎」
担当教員 小林 美学

到達目標

1.化学が物質を対象とする科学であることや,化学が人間生活に果たしている役割を理解できる。
2.化学反応の量的関係が理解できる。
3.酸と塩基について学び、それらの性質や中和反応について理解できる。
4.酸化還元反応の定義を説明することができ、それを化学反応式で記述できる。
5.この目標を達成するために探求活動を行い,学習内容を深めるとともに,化学的に探求する能力を高める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安未到達レベルの目安
化学反応式とその量的関係化学反応式を記述し,化学量論の計算ができる。化学反応式を記述し,簡単な化学量論の計算ができる。化学反応式を記述できる。化学反応式を記述できない。
酸と塩基酸と塩基の定義や性質を説明でき,それらの分類ができる。酸と塩基の定義を説明でき,それらの性質を理解している。酸と塩基の定義を説明できる。酸と塩基の定義を説明できない。
中和反応中和反応と塩,中和滴定について詳しく説明ができ,中和反応の計算ができる。中和反応と塩について説明ができ,中和反応の簡単な計算ができる。中和反応やその量的関係を説明できる。中和反応やその量的関係を説明できない。
酸化と還元酸化還元の定義を説明でき,酸化数の増減から酸化還元反応かどうかを区別できる。酸化還元の定義を説明できる。酸化数を求めることができる。酸化還元の定義を説明できる。酸化還元の定義を全く説明できない。
金属の酸化還元反応イオン化傾向から金属の反応性を理解できる。イオン化傾向を説明できる。代表的な金属をイオン化傾向順に並べることができる。代表的な金属をイオン化傾向順に並べることができない。
酸化還元反応の応用電池の構成を説明でき様々な電池を分類できる。また様々な金属の精錬法を化学反応式を用いて説明できる。電池の構成を説明でき代表的な電池を分類できる。また一部の金属の精錬法を化学反応式を用いて説明できる。電池の構成を説明できる。また一部の金属の精錬法を説明できる。電池の構成を説明できず、また一部の金属の精錬法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.化学反応式の記述とそれを用いた量的関係を学ぶ。
2.酸と塩基の定義、それらの性質や中和反応について学ぶ。
3.酸化還元反応の定義およびそれを化学反応式で記述することを学ぶ。
授業の進め方・方法:
高校教科書を用いて化学に必要な基本的な考え方や定義、化学反応式を用いたモル計算について説明をしていく。教科書の問題や副教材を活用して、知識の定着を図っていく。
注意点:
授業に集中すること。予習・復習を欠かさず自学自習の習慣を確立させること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 2-1 物質量と化学反応式
(4) 化学反応式と量的関係(1)
化学反応式を記述できる。
2週 (4) 化学反応式と量的関係(2) 化学反応式と量的関係を理解する。
3週 2-2 酸と塩基
(1) 酸と塩基
酸と塩基の定義(アレニウスの定義, ブレンステッド・ローリーの定義), 酸塩基の価数・強弱を理解し説明できる。
4週 (2) 水素イオン濃度とpH
・水のイオン積
水素イオン濃度とpH,水のイオン積を説明できる。
対数を用いたpH計算ができる。
5週 (3) 中和反応と塩の生成
・中和反応と塩の生成
・塩の種類
・塩の性質
・塩の加水分解
中和反応と中和反応による塩の生成を説明できる。
塩の分類や塩の酸塩基の性質を説明できる。
6週 (4) 中和滴定 (1)
・中和の量的関係
・酸・塩基の強弱
・中和滴定
酸・塩基の強弱と中和の量的関係を説明できる。
中和滴定の原理と捜査を説明できる。
7週 (4) 中和滴定 (2)
・中和滴定に使用する器具
・酸・塩基の標準溶液の調製法
中和滴定に使用する器具を説明できる
滴定曲線を説明できる。
酸・塩基の標準溶液の調製法を説明できる。
8週 後期中間試験 後期前半の学習内容の理解度を確認するテストで合格点をとる。
4thQ
9週 2-3 酸化還元反応
(1) 酸化と還元
・原子の酸化数の範囲
酸化と還元の定義,および,原子の酸化数の範囲を説明できる。
10週 (2) 酸化剤と還元剤 (1)
・酸化剤と還元剤
・電子の授受と酸化還元反応式
酸化剤と還元剤について説明できる。
酸化剤・還元剤のイオン反応式を理解している。
11週 (2) 酸化剤と還元剤 (2)
・酸化剤と還元剤のはたらきの強さ
・硫酸で酸性にした水溶液中での酸化還元反応 (1)
様々な酸化剤・還元剤、特に硫酸酸性過マンガン酸カリウムおよび過酸化水素水溶液のはたらきを説明でき、酸化還元反応式を書くことができる。
12週 (2) 酸化剤と還元剤 (3)
・硫酸で酸性にした水溶液中での酸化還元反応 (2)
・酸化剤と還元剤の量的関係
様々な酸化剤・還元剤、特に硫酸酸性過マンガン酸カリウムおよび過酸化水素水溶液のはたらきを説明でき、酸化還元反応式を書くことができる。
酸化還元滴定の計算ができる。
13週 (3) 金属の酸化還元反応
・金属のイオン化傾向
・金属の反応性
金属のイオン化傾向および金属の酸化還元反応を説明できる。
14週 (4) 酸化還元反応の応用
・電池の仕組み
・実用電池
・金属の精錬
電池が酸化還元反応を利用して電気エネルギーを取り出す装置であることを理解しており、電池を構成する電極等の要素を説明することができる
実用電池の分類を一次電池/二次電池に分類できる。
金属の精錬における酸化還元反応を説明できる。
15週 ・まとめ 酸と塩基、および、酸化還元反応の学習内容を整理し, 身についた学習内容および身についていない学習内容を認識する。
16週 後期学習内容のふりかえり 後期の学習範囲で理解度が低いところをがあれば、復習すべき単元を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3

評価割合

試験課題小テスト合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000