電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0055 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電気回路ノートII
担当教員 堀 利浩

到達目標

複素数、フェーザを用いて交流回路の解析を行えるようにする。交流電力、相互誘導、共振回路について理解し、計算できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 複素数、フェーザ表示を用いたベクトル計算三角関数、フェーザ表示、複素数を互いに変換し、ベクトル計算を行える。複素数を用いてベクトルの加減算を行える。 フェーザ表示を用いてベクトルの乗除算を行える。複素数、フェーザ表示を用いた計算を行えない。
評価項目2 交流電力正弦波における、有効電力、無効電力、皮相電力、力率の概念を理解し、計算できる。力率の改善を行える。正弦波における、有効電力、無効電力、皮相電力、力率の概念を理解し、計算できる。交流電力の計算ができない。
評価項目3 相互誘導相互誘導電圧を計算できる。相互誘導回路の等価回路を求められる。理想変圧器を用いたインピーダンス変換を行える。相互誘導電圧を計算し、相互誘導回路を解析できる。相互誘導電圧を計算できない。
評価項目4 共振回路共振回路における共振周波数、電流、電圧、Q値について計算できる。Q値と選択度、電流増幅率、電圧増幅率の関係を理解し、計算できる。共振回路における共振周波数、電流、電圧、Q値について計算できる。共振周波数の計算ができない。
評価項目5 キルヒホッフの法則枝路電流法、網目電流法、節点解析を用いて回路を解析できる。それぞれの解析方法を適切に選択できる。キルヒホッフの法則を用いて回路を解析できる。キルヒホッフの法則を用いた回路解析を行えない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎的な電気回路の修得を目指して、交流を中心に共振回路、交流電力、相互誘導について、演習を交えて学習する。また一般的な回路に関する諸定理など電気回路Ⅰの内容を含む総合的な学習を行う。
授業の進め方・方法:
注意点:
演習を中心に交流回路の総合的な学習をするので、電気回路Ⅰをよく理解しておくこと。また数学的背景として、複素数、三角関数、行列の取り扱いを自主学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業についての説明
学習範囲についての概要説明
学習範囲について、学ぶ意義を理解する。
2週 キルヒホッフの法則の復習I
・枝路電流法
・網目電流法
枝路電流法、網目電流法を用いて回路解析ができる。
3週 キルヒホッフの法則の復習II
・節点解析
・演習
枝路電流法、網目電流法、節点解析を適切に選択し、回路解析ができる。
4週 複素数を用いた交流回路の解法I
・三角関数と複素数、フェーザ表示の対応
・複素数で表した回路要素のV-I特性
三角関数、複素数、フェーザ表示の関係を理解し、互いに変換できる。複素数で表した回路要素のV-I特性について理解する。
5週 複素数を用いた交流回路の解法II
・インピーダンスを用いた回路計算
インピーダンス、及びキルヒホッフの法則を用いて回路解析を行える。
6週 複素数を用いた交流回路の解法III
・アドミタンスを用いた回路計算
アドミタンス、及びキルヒホッフの法則を用いて回路解析を行える。
7週 複素数を用いた交流回路の解法VI
・インピーダンスとアドミタンスを用いた回路計算
インピーダンスとアドミタンスを適切に利用し、回路解析を行える。
8週 中間試験
2ndQ
9週 交流電力I
・有効電力、無効電力、皮相電力、力率の理解、計算
正弦波交流の有効電力、無効電力、皮相電力、力率を理解し、計算できる。
10週 交流電力II
・力率の改善
・供給電力最大条件の計算
交流回路の力率の改善について理解し、計算できる。
供給電力最大条件について計算できる。
11週 相互誘導I
・相互誘導電圧の大きさ、方向の計算
・相互誘導電圧を用いた回路の解析
相互誘導回路について理解し、相互誘導電圧の大きさと方向を計算できる。相互誘導電圧を用いて回路解析を行える。
12週 相互誘導II
・相互誘導回路の等価回路、及び等価回路を用いた回路解析
・理想変圧器を用いたインピーダンス変換
相互誘導回路の等価回路を求められる。等価回路を用いた相互誘導回路の解析を行える。
13週 共振回路I
・RLC直列共振回路の共振周波数、電圧増幅率、Q値
RLC直列共振回路の共振周波数、電圧増幅率、Q値について理解し、計算できる。
14週 共振回路II
・RLC並列共振回路の共振周波数、電流増幅率、Q値
RLC並列共振回路の共振周波数、電圧増幅率、Q値について理解し、計算できる。
15週 学習のまとめ 本科目で学んだ内容について再確認する。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前2,前3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前2,前3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前2,前3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前2,前3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3前2,前3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前2,前3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前9,前10
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前4,前5
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前4,前5
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前4,前5
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前4,前5
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3前4,前5
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3前5,前6
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3前5,前6,前7
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3前5,前6,前7
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前5,前6,前7
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前5,前6,前7
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3前5,前6,前7
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3前5,前6,前7
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3前13,前14
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3前11,前12
理想変成器を説明できる。3前11,前12
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3前9

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力000