化学III

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 化学III
科目番号 0067 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (東京書籍)化学、(森北出版)例題で学ぶ基礎化学
担当教員 小野 勇

到達目標

まず、酸化還元反応の応用である化学電池や電気分解について学ぶ。次いで、物質の状態や気体・溶液の性質について学習する。
後半は、化学反応とエネルギーについて学ぶほか、化学反応速度の表し方、求め方を説明する。
これらについて、高校化学の教科書レベルの基礎知識を習得し、基礎的な問題が解けるようになることを到達目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
酸化還元反応の応用電池や電気分解の電極反応について、イオン反応式を記述し、種々の計算ができる。電池の仕組みや電気分解について、基本的なことがらを説明できる。電池の仕組みや電気分解について、基本的なことがらを説明できない。
物質の状態と平衡気液平衡、気体の状態方程式、希薄溶液に関する計算問題ができる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造について、基本的なことがらを説明できる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造についての基本的なことがらを説明できない。
化学反応とエネルギー熱化学方程式を記述し、ヘスの法則を利用した反応熱の計算ができる。熱化学方程式を記述できる。熱化学方程式を記述できない。
化学反応速さ化学反応速度に関する計算ができる。反応速度式を記述できる。化学反応式について、基本的なことがらを理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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学習・教育目標 C4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年生で学習した化学Ⅰおよび化学Ⅱ、ものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。工業材料や環境問題の理解に不可欠な内容を扱う。後期の化学Ⅳ、3年生の化学Ⅴおよび化学Ⅵにつながる科目である。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書を中心に、現代工学につながる化学の基礎知識を説明していく。
注意点:
化学Ⅰおよび化学Ⅱの内容を理解しておくこと。講義用ノートを準備すること。毎回、前回の内容について小テストを実施するので、予復習を欠かさないこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・復習 酸化還元についての基本事項を確認する。
2週 電池 電池の仕組み、一次電池、二次電池を説明できるようになる。
3週 電気分解(1) 電気分解の電極反応を理解する。
4週 電気分解(2) ファラデーの法則を利用した計算ができる。
5週 物質の状態 物質の三態、気液平衡と蒸気圧について理解する。
6週 気体の性質 ボイルシャルルの法則を説明し、気体に関する計算ができるようになる。
7週 溶液の性質 溶液の濃度を計算できるようになること。また、希薄溶液の性質およびコロイド溶液を理解する。
8週 中間試験 前期前半の学習内容を確認する。
2ndQ
9週 固体の構造 結晶構造について説明ができ、結晶格子に関する計算ができる。
10週 反応熱と熱化学方程式(1) 反応熱の種類を説明できる。
11週 反応熱と熱化学方程式(2) 熱化学方程式を記述できる。
12週 ヘスの法則 ヘスの法則を説明でき、反応熱を計算できる。
13週 化学反応の速さ(1) 化学反応の反応速度式を記述し、説明することができる。
14週 化学反応の速さ(2) 化学反応速度に関する計算ができる。
15週 前期末試験 前期後半の学習内容を確認する。
16週 前期まとめ 前期末試験をふりかえり、定着度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
水素結合について説明できる。3
物理化学実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。3
混合気体の分圧の計算ができる。3
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。3
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。3
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3
コロイドの分類を理解して、身近な実例を説明できる。3

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000