電磁気学Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電磁気学Ⅲ
科目番号 0081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電磁気学(改訂版) 山口昌一郎著 電気学会
担当教員 水戸 慎一郎

到達目標

電磁誘導現象と磁性体特性に関する基本概念を修得として,これらの知識を活用法を身に付ける.以下,到達目標を提示する.
1.電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明することができる.
2.電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明することができる.
3.物質の磁性体特性を説明することができる.
4.インダクタンスの算出,磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明と基本的な問題を解くことができる. 電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明ができる.電磁誘導作用に関するファラデーの法則を説明ができない.
評価項目2電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明と基本問題を解くことができる.電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明することができる.電磁的結合の要素としてのインダクタンスを説明することができない.
評価項目3物質の磁性体特性を説明と基本的な問題を解くことができる.物質の磁性体特性を説明できる.物質の磁性体特性を説明できない.
評価項目4インダクタンスの説明と算出ができる.そして,磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.インダクタンスの説明と磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.インダクタンスの説明ができない.磁性体の特徴とその利用方法が説明できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
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学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気学のまとめ科目として,電磁気学I,IIの内容を俯瞰しながら,電磁誘導の法則,磁性体の特性について学ぶ.

1.電磁誘導作用に関するファラデーの法則の原理が理解できる.
2.電磁的結合の要素としてのインダクタンスの原理が理解でき,計算もできる.
3.コイルの接続方法や透磁率の違いによるインダクタンスの特性が理解できる.
4.磁性体の特徴とその利用方法が説明できる.
授業の進め方・方法:
数式で示される電磁気現象を図示を用いて理解を深める工夫をする.
注意点:
電磁気学Ⅱで学ぶ「磁界」について特に理解しておくこと。また誘導起電力やインダクタンスなどを実際に計算するので,解析で学ぶ微分・積分を再度確認しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・電磁場の発見
歴史的に,なぜ電磁気学が場の概念を導入したかを説明できる.
2週 ・ガウスの法則 ガウスの法則について説明できる.
3週 ・静電ポテンシャルとエネルギー クーロンの法則を用いて電荷に加わる力,エネルギーを計算できる.
4週 ・ビオ・サバールの法則
・アンペールの法則
ビオ・サバールの法則,アンペールの法則を用いて,電流により発生する磁場を計算できる.
5週 ・ファラデーの電磁誘導 ファラデーの電磁誘導の法則を説明できる.
6週 ・ファラデーの電磁誘導 ファラデーの電磁誘導を用いて,変化する磁界が生む起電力を計算できる.
7週 ・中間試験 1~6週までの講義内容の理解度が確認できる.
8週 ・自己インダクタンス
・相互インダクタンス
自己インダクタンス,相互インダクタンスについて計算できる.
2ndQ
9週 ・各種コイル,導線のインダクタンス 環状ソレノイド・円筒ソレノイドなどのインダクタンスを計算できる.
10週 ・磁性体 磁性体の磁気的性質,磁化曲線,磁気ヒステリシスなどが説明できる.
11週 ・磁気回路 電気回路との類似性から,磁気回路におけるオームの法則により,磁性体各部の磁束分布を計算する方法が理解できる.
12週 ・磁性体のエネルギー損失 磁化に要するエネルギー,ヒテリシス損失,磁気回路,エアギャップをもつ磁気回路が理解できる.
13週 ・磁束についてのガウス則
・マクスウェル方程式
マクスウェル方程式についての基本的なことを説明できる.
14週 ・学習のまとめ 講義全体を通した理解度が確認できる.
15週 ・期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。1
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。1
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。1
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。1
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。1
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000