電磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学Ⅱ
科目番号 0088 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 山口昌一郎著:基礎電磁気学(電気学会)
担当教員 大塚 友彦

到達目標

【目的】本授業の目的は、静電界(静電容量、コンデンサに蓄えられるエネルギー、誘電体中の静電界と電束密度)と静磁界(ビオ・サバールの法則、アンペアの法則、電磁力、ファラデーの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンス)に関する基本概念を修得し、これらの知識を活用するスキルを身に付けることである。
【到達目標】
1. 静電容量、静電エネルギー、誘電体、電束密度に関する問題を解くことができる。
2. ビオ・サバールの法則、アンペアの法則、電磁力に関する問題を解くことができる。
3.ファラデーの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンスに関する問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安合格レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1静電エネルギー、誘電体、電束密度に関する応用問題を解ける。静電エネルギー、誘電体、電束密度に関する標準的な問題を解ける。静電エネルギー、電束密度に関する基本問題を解ける。静電容量、静電エネルギー、電束密度に関する基本問題を解けない。
評価項目2ビオ・サバールの法則、アンペアの法則、電磁力の考え方を説明でき、基本問題を解くことができる。ビオ・サバールの法則、アンペアの法則、電磁力の標準的な問題を解くことができる。ビオ・サバールの法則、アンペアの法則の基本的な問題を解くことができる。ビオ・サバールの法則、アンペアの法則の基本的な問題を解くことができない。
評価項目3ファラデーの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンスに関する応用問題を解くことができる。ファラデーの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンスに関する標準的な問題を解くことができる。ファラデーの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンスに関する基本問題を解くことができる。ファラデーの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンスに関する基本問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1. 電磁気学Ⅰの復習
 電荷・電界・電位、ガウスの法則の考え方を理解できる。
2. 静電容量
 電界・電位を求め、静電容量を計算する方法を理解できる。また、静電エネルギーやコンデンサの電極に働く力についての考え方を理解できる。
3. 誘電体
 誘電体における、誘電率の考え方、電束密度と電界の関係、静電容量の考え方を理解できる。
4. 真空中の静磁界学
 電流による磁界の発生についての各種法則(ビオ・サバールの法則、アンペアの法則)を理解し、磁界の大きさや電磁力の計算方法を理解できる。また、ファラデーの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンスの基礎を理解できる。授業の総括として、マクスウェルの方程式の考え方を理解できる。
授業の進め方・方法:
学生の事前学習と復習のサポートのため、講義ノート及び演習問題(解答・解説付)は、初回の授業にてプリント配布する。一人一人が到達目標を達成できることを念頭に、電磁気学の物理的な考え方を理解できるように説明する。授業では、各回毎に課題や問題演習を行い、定期的に単元試験を行って、学生の自発的な学習を促す。また、事前学習や復習を前提とする。
注意点:
電磁気学Ⅰを履修しておくこと。
本科目の到達目標を達成するため、授業の予習・復習を含めた授業外の自主学習の習慣を身に付けることが必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 「1.電磁気学Ⅰの復習(1)」として、関連数学の復習、典型的な問題を解きながら、基本概念を解説する。 関連数学の基礎、電荷と電気力線の関係、電界と電気力線密度の関係、ガウスの法則、静電容量の考え方を理解できる。
2週 「2.電磁気学Ⅰの復習(2)」として、典型的な問題を解きながら、基本概念を解説する。 電荷と電気力線の関係、電界と電気力線密度の関係、ガウスの法則、静電容量の基本問題や標準問題を解くことができる。
3週 「3.静電エネルギー」として、静電エネルギーやコンデンサ電極に働く力の考え方を解説する。 静電エネルギーやコンデンサ電極に働く力の基本的な考え方を理解できる。
4週 「4.誘電体」として、誘電体の性質、誘電率の考え方、電界と電束密度の関係を解説する。 誘電体の性質、誘電率の考え方、誘電体中の電界と電束密度の関係を理解できる。
5週 「4.誘電体」として、誘電体を含むコンデンサの電界や電束密度の考え方を解説する。 誘電体を含むコンデンサの電極間の電界や電束密度の求め方を理解できる。
6週 第1回単元試験を実施する。「5.真空中の静磁界学」として、磁界、磁束密度、ガウスの法則の考え方を解説する。 第1回単元試験の問題の解き方や考え方を理解できる。磁界、磁束密度、ガウスの法則の基本的な考え方を理解できる。
7週 「5.真空中の静磁界学」として、ビオ・サバールの法則の考え方を解説する。 ビオ・サバールの法則の基本的な考え方を理解できる。
8週 「5.真空中の静磁界学」として、ビオ・サバールの法則の演習問題を解説する。 ビオ・サバールの法則の基本的な演習問題の解き方を理解できる。
4thQ
9週 「6.真空中の静磁界学」として、アンペアの法則の考え方や問題への適用方法を解説する。 アンペアの法則の基本的な考え方を理解できる。
10週 「7.真空中の静磁界学」として、電磁力の考え方や問題への適用方法を解説する。 電磁力の求め方を理解できる。
11週 第2回単元試験を実施を実施する。「8.真空中の静磁界学」として、ファラデーの法則、電磁誘導を解説する。 第2回単元試験の問題の解き方や考え方を理解できる。ファラデーの法則、電磁誘導、誘導起電力の考え方を理解できる。
12週 「8.真空中の静磁界学」として、ファラデーの法則、電磁誘導の演習問題を解説する。 ファラデーの法則、電磁誘導、誘導起電力の計算方法を理解できる。
13週 「8.真空中の静磁界学」として、自己インダクタンスの考え方を解説する。 自己インダクタンスの考え方を理解できる。
14週 「10.真空中の静磁界学」として、相互インダクタンスの考え方を解説する。 相互インダクタンスの考え方を理解することができる。
15週 第3回単元試験を実施する。マクスウェルの考え方を解説する。
第3回単元試験問題の解き方を理解できる。マクスウェルの考え方を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4後8
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4後8
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4後8
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題等合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000