科学技術から見る歴史Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 科学技術から見る歴史Ⅰ
科目番号 0098 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は配布プリント。補助教材として、『詳説世界史B』山川出版
担当教員 河村 豊

目的・到達目標

この講義では,現代社会に大きな役割を持っている「科学技術」(Science Based Technology)の諸特徴を,歴史学的手法(世界史の知識)の学習を通して,読み解くことを目標とする.科学技術は,生産力発展に関わる「技術」,やがて新技術開発に利用される「科学」という,2つを構成要素としており,現在は「科学」と「技術」の2つが融合していると考えられる.本講義では、(1)「扱う対象」としては、古代から近代までの科学および技術、また(2)「方法論の学習」としては「歴史学」(過去の事実を分析する学問),および「科学技術社会論」(科学技術と社会・経済との関連を理解する学問)に関わる基礎概念、そして(3)汎用的四技能(課題設定・習得収集・分析・発表)の到達目標としては、習得収集と分析の力を養う。特に歴史的事実を時代区分すること(分類作業)、および歴史的事実の背後にある背景要因を見つけ出すこと(精査作業)を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの最低限の目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1各時代の基本的事項に関する事象を適切に理解している.各時代の基本的事項に関する事象を7割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象を6割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象の理解が6割に満たない.
評価項目2その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴をほぼ理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を7割程度、理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を6割程度、理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴の理解が6割に満たない.
評価項目3科学技術と社会に関する時代区分や背景要因を多層的に理解している.科学技術と社会に関する時代区分や背景要因について理解できた.と社会に関する時代区分ができ、背景要因が存在することが理解できた。科学技術と社会に関する時代区分が理解できず、また背景要因が存在することを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半期科目(ただし、後半のⅡと強い繋がりがある).半年を2つに区切り、Aでは、科学・技術からみた古代社会、Bでは、近代社会(初期)の中の科学と技術、を取り扱う。(参考)Ⅱでも2つに区切り、Cとして、イギリス産業革命と技術、Dとして、科学依存型技術の起源をあつかう.ⅠとⅡを通して、古代から現代までの科学技術を中心とした歴史を学ぶ。各講義には、現代の科学技術と社会に関わる問題点(現状分析)を踏まえ、こうした問題点に関わる論点を歴史的事例から学ぶことを目標とする。

 主に「社会の中の科学,技術」を理解するための基礎的な学習を行う.
この期で扱う主な学習内容:(古代から中世)
 具体的には,古代社会から中世社会の科学および技術を扱い,①人類進化と技術との関わり,②技術がその時代の社会制度にもたらした役割,③科学や技術がその時代の社会制度から受けた影響などを分析してゆく.
授業の進め方と授業内容・方法:
授業の中心は、講義形式となる.配布プリントは「ワークブック形式」となっているので、講義を行った次の回に、受講生に解答してもらう.従って、授業の前半は解答の点検と補足説明(映像利用含む)を行う(30分から40分程度)、小休止を挟み、授業の後半では、新たなテーマについて講義形式で進める.何回かは、授業中に「演習」(作図、映像視聴のチェック、計算など)を行う予定である.
注意点:
利用する「教科書」は、配布プリント(ワークブック形式).補助教材として『詳説世界史B』(教科書として購入してもらう.Ⅱでも利用する)を利用して、完成させることが必要である.ワークブックを完成させるためには、補助教材を予習用テキストとして利用する.配布プリントを復習用に利用することが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 A1.現代の科学技術について考える -科学技術は現代社会にとって必要か?-

科学技術史の方法、現状分析と歴史分析の違いを理解する.
2週 A2.科学と技術の概念区分-技術とはなにか- 最古の技術について、技術の基本的な定義を理解したうえで、事例を理解する.
3週 A3.古代文明と技術-灌漑技術が古代文明を作り上げたのは本当か?- 技術が与える社会的影響について、古代文明の登場を事例に理解する.
4週 A4.古代の鉄器技術 -鉄器の登場により何が大きく変わったか?- 古代技術における鉄器登場の社会的意味について、理解する.
5週 A5.科学の起源-なぜ,科学は古代ギリシャで誕生したのか?- 科学の起源を社会的条件、歴史的条件に注目することで理解する.
6週 A6.ギリシャ科学の変質-ギリシャ科学の伝統は,なぜアレクサンドリアで変質したのか?- 自然科学の発展が、地理的、思想的な条件により、大きく変質することを理解する.
7週 A7.ローマ帝国の技術-ローマ時代最盛期に生産技術が発展しなかった理由は?- 技術発展は社会的条件により推進、阻害されることを事例を通して理解する.
8週 A8.ローマ帝国の科学-ギリシャ科学の変質- 科学のあり方が社会的諸条件により大きく変化することを、ギリシャとローマを比較することで理解する.
4thQ
9週 B1.近代科学の源流 -なぜギリシャ科学は弾圧され,どのようにアラビア科学登場したか?- 17世紀に登場する近代科学の源流を、アラビア科学に求め、その役割と限界を理解する.
10週 B2.中世の西欧世界とギリシャ科学-「ヨーロッパ優位の時代」はどのように生まれたか? - 西欧で誕生した近代科学の直接の期限を、12世紀ルネサンス登場に求め、その背景を理解する.
11週 B3.ルネサンスと「新しい科学」-ダ・ヴィンチは「近代科学」にどんな貢献をしたのか? - 近代科学の直接的起源を、職人的伝統の役割に注目して理解する.
12週 B4.科学革命の起源-地動説は科学革命にどんな役割をもったか? - 17世紀科学革命とは、スコラ科学から近代科学への転換として現れる事例を、天文学を中心に理解する.
13週 B5.科学革命の勃発-ガリレイは誰と戦ったのか? - 近代科学が成立するプロセスにおいてい地上の力学と天上の力学との融合過程として理解する.
14週 B6.科学革命の完了-科学の中心がイギリスに移動したのはなぜ?- 近代科学が完成するには、科学理論と科学制度の両面が必要であることを理解する.
15週 B7.ニュートン力学の拡張-力学的自然観の普及- 近代科学は天体力学をモデルとして、他の自然現象の理解につながる特徴を理解する.
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702000010100
基礎的能力40200001070
専門的能力200000020
分野横断的能力100000010