ディジタル信号処理

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ディジタル信号処理
科目番号 0124 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 江原義郎:ユーザーズディジタル信号処理(東京電機大学出版局)
担当教員 大塚 友彦

到達目標

【目的】
本講義では、デジタル信号処理に関して、信号のサンプリングと量子化、線形時不変システム、伝達関数、周波数特性、フーリエ解析、DFT、デジタルフィルタ等の基礎修得を目的とする。
【到達目標】
1.アナログ信号のコンピュータ入力の基礎を理解する。
2.フーリエ変換による周波数分析の基礎を理解する。
3.ディジタルフィルタの基礎を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)合格最低レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1アナログ信号からディジタル信号を生成する手順・仕組みや生成された信号の雑音除去法を説明できる。アナログ信号からディジタル信号を生成する手順・仕組みを説明できる。アナログ信号からディジタル信号を生成する手順を説明できる。アナログ信号からディジタル信号を生成する手順を説明できない。
評価項目2フーリエ変換による周波数分析手法として、DFTやFFTの原理を説明でき、基礎的計算に応用できる。フーリエ変換による周波数分析手法として、DFTやFFTの原理を説明できる。フーリエ変換による周波数分析の基本的な考え方を説明できる。フーリエ変換による周波数分析の基本的な考え方を説明できない。
評価項目3ディジタルフィルタの原理を説明でき、基礎的なZ変換、FIRフィルタならびにIIRフィルタに関する計算に応用できる。ディジタルフィルタの原理を説明でき、基礎的なZ変換、FIRフィルタならびにIIRフィルタを説明することできる。ディジタルフィルタの原理を説明できる。ディジタルフィルタの原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータを中心とするディジタル技術の進歩に伴い、広範囲な分野でディジタル信号処理が行われるようになった。現在では、マイコン等のコンピュータの発展により、処理のソフトウエア化は益々進み、専門技術者に頼らなくても、自分でディジタル信号処理を行うことも可能になっている。一方、出力結果の解釈や処理方法の選択では、やはりディジタル信号処理の基礎知識は欠かせない。そこで、本講義では、コース選択科目として、初めてディジタル信号舎利を学ぼうとする人、及びこの分野の基礎知識なしに信号処理を行っている人を想定し、ディジタル信号処理の入門に関する解説を行う。
授業の進め方・方法:
※この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、予習・復習を行うこと。

1.アナログ信号のコンピュータ入力
  AD変換の概要、標本化、量子化、コンピュータ内部のデジタル量の表現について理解する。

2.雑音の除去と信号検出
  加算平均による信号検出、移動平均による雑音除去、周期性と自己相関関数について理解する。

3.フーリエ変換による周波数分析
  アナログ信号とフーリエ級数、アナログ非周期信号とフーリエ変換、ディジタル信号と離散フーリエ変換について理解する。

4.ディジタルフィルタの原理
  線形システムの基礎、Z変換、ディジタルフィルタの原理を理解する。

注意点:
3年生までの微分積分学の基礎を修得していることが望ましい。
※本授業は学修単位科目であるため、授業時間と同じ時間数の自主学習として、授業の予習と復習が必須となる。授業の資料はTeamsにて配布されるので、授業後に再読して理解を深めることが課題となる。
※授業毎に出題される課題に取り組む。課題に取り組むため、授業時間に相当する授業の予習・復習(自主学習)が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル信号処理の意義、アナログ信号からディジタル信号を生成する方法について説明する。 ディジタル信号処理の意義、標本化、量子化、コンピュータ内部のディジタル量の表現法について説明できる。
2週 加算平均による信号検出方法について説明する。 加算平均の原理を説明できる。
3週 移動平均による雑音除去方法について説明する。 移動平均の原理、移動平均の周波数特性平均化の個数と遮断周波数を説明できる。
4週 周期性と自己相関関数について説明する。 自己相関関数の性質や計算法、自己相関関数による周期性の検出法について説明できる。
5週 アナログ周期信号とフーリエ級数について説明する(1)。 フーリエ級数、振幅とパワー・位相の関係、複素フーリエ級数周期信号のスペクトルについて説明できる。
6週 アナログ非周期信号とフーリエ変換について説明する(2)。 フーリエ変換を理解し、基礎的な計算に応用できる。
7週 ディジタル信号と離散フーリエ変換について説明する。 離散フーリエ変換の基本的な性質と計算方法、スペクトル、フーリエ級数との違い、窓関数について説明することができる。
8週 これまでの授業の理解度を振り返るため、中間的な試験を実施する。 これまでの授業の振り返りを行い、復習等により理解を補うことができる。
2ndQ
9週 FFTによるスペクトル分析について説明する。 FFTによるスペクトル分析について理解できる。
10週 線形システムの基礎を説明する(1)。 線形システムの定義と性質、線形時不変システム、インパルスを用いた信号表現、インパルス応答を説明できる。
11週 線形システムの基礎を説明する(2)。 線形システムに関する演習問題の解き方を理解できる。
12週 Z変換を説明する(1)。 Z変換の性質と計算方法、線形システムの周波数特性、スペクトル、DFTとZ変換について説明できる。
13週 Z変換を説明する(2)。 Z変換の性質と計算方法、線形システムの周波数特性、スペクトル、DFTとZ変換について説明できる。
14週 ディジタルフィルタについて説明する(1)。 ディジタルフィルタの基本的なモデルであるFIRフィルタやIIRフィルタの原理について説明できる。
15週 ディジタルフィルタについて説明する(2)。 ディジタルフィルタの基本的なモデルであるFIRフィルタやIIRフィルタに関する計算問題を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度課題等その他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力0000000
専門的能力50000500100
分野横断的能力0000000