電気電子計測Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気電子計測Ⅱ
科目番号 0133 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 電磁気計測 電子情報通信学会 管野 允 コロナ社
担当教員 安田 利貴

到達目標

【目的】
電気電子計測とは、電流、電圧、抵抗など、電気・電子工学で取り扱う物理量を測定するための方法論である。本講義を受講することで、実験や研究で適切な測定ができるように、各種計測器の構造、動作原理、使用法、誤差の取り扱い、を習得する。

【到達目標】
1.計測方法の分類が説明できる。
2.精度・誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を説明できる。
3.SI単位系における基本単位と組立単位、および、計測標準とトレーサビリティの関係について理解できる。
4.指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1電圧・電流・抵抗・インピーダンスなどの電気計測に必要な手段の原理と使用方法が適切に説明できる.電圧・電流・抵抗・インピーダンスなどの電気計測に必要な手段の原理もしくは使用方法が説明できる.電圧・電流・抵抗・インピーダンスなどの電気計測に必要な手段の原理と使用方法がある程度,説明できる.電圧・電流・抵抗・インピーダンスなどの電気計測に必要な手段の原理と使用方法が説明できない.
評価項目2磁気計測に関する機器の原理とその利用方法が説明できる.磁気計測に関する機器の原理もしくはその利用方法が説明できる.磁気計測に関する機器の原理とその利用方法がある程度,説明できる.磁気計測に関する機器の原理とその利用方法が説明できない.
評価項目3オシロスコープの動作原理とプローブの特性が説明できる.オシロスコープの動作原理もしくはプローブの特性が説明できる.オシロスコープの動作原理もプローブの特性がある程度,説明できる.オシロスコープの動作原理もプローブの特性も説明できない.
評価項目3信号計測回路の動作原理とそれらの組み合わせた回路の動作が理解できる.信号計測回路の動作原理もしくは各回路の動作が理解できる.信号計測回路の動作原理と各回路の動作がある程度,理解できている.信号計測回路の動作原理と各回路の動作が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気電子計測とは,電流,電圧,抵抗など電気・電子工学で取り扱う物理量を測定するための方法論である.本講義では,実験や研究で適切な測定ができるように,各種計測器の構造,動作原理について学習する.また,修学に必須となる電気回路理論,電磁気学理論については,各自で自習を行うこと.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って実施する.回路設計の演習,レポート課題を取り入れる.
注意点:
電気回路,電磁気学で学んだ諸定理を十分に理解しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電圧の交流・直流および大きさを考慮した計測方法をおよび原理を学ぶ. 電圧特性に応じた計測方法が理解できる.
2週 電流の交流・直流および大きさを考慮した計測方法および原理を学ぶ. 電流特性に応じた計測方法が理解できる.
3週 抵抗の大きさや測定部位を考慮した抵抗の測定方法および原理を学ぶ. 抵抗特性に応じた計測方法が理解できる.
4週 インピーダンスの測定方法および原理について学ぶ. インピーダンス特性に応じた計測方法が理解できる.
5週 直流・交流電力の測定方法および原理を学ぶ. 電力特性に応じた計測方法が理解できる.
6週 無効電力・力率を測定方法および原理を学ぶ. 交流電力の特性に応じた計測方法が理解できる.
7週 中間試験
8週 磁束・磁界・磁化特性の測定方法および原理を学ぶ. 磁気特性に応じた計測方法を理解できる.
4thQ
9週 波形計測で使用されるオシロスコープの動作原理について学ぶ. オシロスコープの構造と動作原理を理解できる.
10週 波形計測で使用されるオシロスコープの使い方(入力インピーダンスなど)について学ぶ. オシロスコープのプローブにおけるインピーダンス調整(計測器の入力インピーダンス)の必要性を理解できる.
11週 信号計測回路1:信号計測の基本となるアナログの信号処理回路について習得する.ここでは,フィルタ回路設計方法を習得する. 電気信号のノイズ除去(フィルタ回路)方法とその利用方法を理解する.
12週 信号計測回路2:オペアンプを用いた増幅回路の設計方法を習得する. 電気信号の増幅回路の設計方法を理解する.
13週 信号計測回路3: オペアンプを用いた演算回路の設計方法を習得する. 電気信号の演算回路の設計方法を理解する.
14週 信号計測回路4:入力インピーダンスと出力インピーダンスの関係について習得する. 電気計測機器における入力インピーダンスと出力インピーダンスの関係について理解する.
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前1,前3,前4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前5
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前6
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4前7,前9,前10,前12,前13
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前11
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4前14
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4010000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000