電気電子計測

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気電子計測
科目番号 0135 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 改訂 電磁気計測 電子情報通信学会編 B-2 管野 允 コロナ社
担当教員 安田 利貴

到達目標

【目的】
電気電子計測とは、電流、電圧、抵抗など、電気・電子工学で取り扱う物理量を測定するための方法論
である。本講義を受講することで、実験や研究で適切な測定ができるように、各種計測器の構造、動作
原理、使用法、誤差の取り扱い、を習得する。

【到達目標】
1.計測方法の分類が説明できる。
2.精度・誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を説明できる。
3.SI単位系における基本単位と組立単位、および、計測標準とトレーサビリティの関係について理解できる。
4.指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1計測方法の分類が説明でき、適切な方法を使用できる。計測方法の分類が説明できる。計測方法の分類がある程度説明できる。計測方法の分類が説明できない。
評価項目2精度・誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。精度・誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を説明できる。精度・誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬がある程度説明できる。精度・誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を説明できない。
評価項目3SI単位系における基本単位と組立単位、および、計測標準とトレーサビリティの関係について理解し説明できる。SI単位系における基本単位と組立単位、および、計測標準とトレーサビリティの関係について理解している。SI単位系における基本単位と組立単位、および、計測標準とトレーサビリティの関係についてある程度,理解している。SI単位系における基本単位と組立単位、および、計測標準とトレーサビリティの関係について理解していない。
評価項目4指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明でき、また、適切に使用できる。指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法がある程度,説明できる。指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気電子計測とは、電流、電圧、抵抗など、電気・電子工学で取り扱う物理量を測定するための方法論である。本講義では、実験や研究で適切な測定ができるように、各種計測器の構造、動作原理、使用法、誤差の取り扱いについて学習する。また,修学に必須となる電気回路理論,電磁気学理論については,各自で自習を行うこと.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って実施する。演習、レポートを織り交ぜる。
注意点:
電気回路、電磁気学で学んだ内容を十分に理解しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子工学に関する学生実験や演習・講義を通して,これまで使用してきた計測機器の例をあげ,測定器と測定結果の関係を解説する 物理法則と組立単位の関係が理解できる.
2週
計測値の誤差や精度などの発生する原因とその取扱を解説する.
データの取扱が理解できる.
3週 指示電気計器の構造,仕組み,精度を解説する. 基本的な誤差の伝搬を説明できる。
4週 可動コイル形指示電気計器における電流計,電圧計の構造を解説する. 分流計,分圧計の使い方が理解できる.
5週 可動コイル型以外の指示電気計器の用途,特性などを解説する. たとえば,整流計器のダイオードブリッジ回路を用いた整流器を用いた交流の電圧・電流計測が理解できる.
6週 オシロスコープの本体の構造とプローブの仕組みを解説する. たとえば,微小信号を計測するためのオシロスコープのプローブのCRの関係が理解できる.
7週 中間試験 1~6週までの学習到達度の確認を行う.
8週 電子素子における電源の直流,交流特性を再確認を行う たとえば,RC共振回路の理解度の確認.
2ndQ
9週 直流および交流電圧,電流の測定方法を解説する. たとえば,直流電流計測では,回路を遮断することなく,間接的に電流を測定する方法が理解できる.
10週 直流および交流電圧,電流の電力測定方法を解説する. たとえば,電流計と電圧計を用いた間接計測おける計測計器の内部抵抗の大きさと計器の接続方法が理解できる.
11週 抵抗およびインピーダンス計測方法を解説する. たとえば,ケルビンダブルブリッジ法を用いた低抵抗計測の利点が理解できる.
12週 工業量を計測するためのセンサの働きとその原理を解説する 長さ,圧力,流量などの計測原理が理解できる.
13週 電子計測回路で用いるオペアンプを用いた増幅回路,フィルタ回路の原理を解説する. 反転,非反転などの増幅回路やローパス,ハイパスフィルタなどのフィルタ回路の設計方法が理解できる.
14週 電子計測回路の応用例として,微小信号を計測するための設計方法を解説する. 微小信号計測に不可欠なインピーダンスマッチング,フィルタ特性などが理解できる.
15週 期末試験 8~14週までの学習到達度の確認を行う.
16週 前期末試験の振り返り 前期末試験で間違えた箇所について、原因を理解し、解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前1,前3,前4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前5
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前6
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4前7,前9,前10,前12,前13
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前11
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4前14
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4010000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000