電気回路Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気回路Ⅲ
科目番号 0160 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 適宜,プリント配布
担当教員 安田 利貴

到達目標

本講義を通して,交流波の回路特性および過渡現象などから,以下の3つの理解を深める.1.基本交流回路の計算をもとに,応用計算ができる.2.相互インダクタンスが理解できる.3.過渡現象が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 交流回路における電気回路素子の性質(過渡現象,共振など)について理解しているか.交流回路における電気回路素子の性質について理解していて,その特性を適切に説明できる.交流回路における電気回路素子の性質について理解していて,その特性がある程度,説明できる.交流回路における電気回路素子の性質について理解していて,その特性について,いくつか説明できる.交流回路における電気回路素子の性質について理解していない.
評価項目2 電気回路素子の組み合わせで変化する電気特性(過渡現象,共振など)を理解しているか.電気回路素子の組み合わせで変化する電気特性を理解しており,論的に説明できる..電気回路素子の組み合わせで変化する電気特性を理解しており理論的に,ある程度は説明できる.電気回路素子の組み合わせで変化する電気特性を理解しており,理論的に,いくつかは説明できる.電気回路素子の組み合わせで変化する電気特性が理解できていない.
評価項目3 インダクタンスを理解しているか.インダクタンスを理解していて,相互インダクタンス,磁気結合などの計算ができる.インダクタンスを理解していて,相互インダクタンス,磁気結合などの計算がある程度できる.インダクタンスを理解していて,相互インダクタンス,磁気結合などのいずれかの計算ができる.インダクタンスを理解していて,相互インダクタンス,磁気結合の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
直流回路の諸定理などを習得する.また,交流電気回路における電気回路素子について,素子の接続方法よって変化する電流,電圧の時間変化について,数式およびその式が示す波形などを用いて,理解のを深める.また,交流における磁気結合,回路特性を理解する.
授業の進め方・方法:
これまで学んだ交流電気回路における電気回路素子の働きを確認するために必要な数学の知識を復習しながら,講義を進めていく.
注意点:
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として,予習・複数を行うこと. 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 直流回路1(諸定理,平衡条件) 本講義の概略の理解.直流回路の諸定理,計算方法を確認する.
2週 直流回路2(平衡条件,電力計算) 直流回路の諸定理,計算方法を確認する.
3週 相互インダクタンス コイルの基礎的な特性を確認する.
4週 電磁結合回路,等価変換回路 電磁結合回路を解放するのに必要不可欠な等価回路について理解する.電磁結合回路の平衡方程式等の解法を習得する.
5週 交流回路の基礎,交流電力 回路素子と交流波を理解する.電圧と電流の位相差,実効電力,無効電力,皮相電力を理解する.
6週 直並列共振 直並列回路の共振とQを理解する.
7週 中間試験 これまで学習した内容の理解度を確認する.
8週 過渡現象の概要と微分方程式の解法 過渡現象の解析に必要な微分方程式を確認する.
4thQ
9週 コンデンサ,コイルの性質と電気エネルギの関係 過渡現象を示す素子の特性と電気回路の状態方程式を確認する.
10週 RLC直列回路1   RC直列回路の過渡現象の厳密解と時間応答波形を理解する.
11週 RLC直列回路2 RL直列回路の過渡現象の厳密解と時間応答波形を理解する.
12週 RLC直並列回路1 RL並列回路の過渡現象の厳密解と時間応答波形を理解する.
13週 RLC直並列回路2 RC並列回路の過渡現象の厳密解と時間応答波形を理解する.
14週 LRM結合回路 電磁結合回路における過渡現象を理解する.
15週 期末試験 これまで学習した内容の理解度を確認する.
16週 試験返却,解答解説 試験問題の解説により間違った箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4後9
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000