工業数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業数学Ⅰ
科目番号 7781 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 寺田文行、木村宣昭共著:ベクトル解析の基礎(サイエンス社)
担当教員 安田 利貴

到達目標

【目的】本授業の目的は、運動学や電磁気学等を学ぶために必要となるベクトル値関数、ベクトル場とスカラー場、線積分と面責分静電界の基本概念を修得し、これらを活用するスキルを身に付けることである。
【到達目標】
1. ベクトル値関数の微分の基本概念を理解でき、運動学等の具体例に適用できる。
2. 場における勾配、発散、回転の基本概念を説明でき、重力、運動学や電磁気学等の具体例に適用できる。
3. 線積分の基本概念を説明でき、運動学等の具体例に適用できる。
4. ガウスの発散定理、ストークスの定理の基本概念を説明でき、物理的な意味を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル値関数の微分の基本概念を理解でき、運動学に適用できる。ベクトル値関数の微分の基本概念を理解でき、運動学の基礎的な事例に適用できる。ベクトル値関数の微分の基本概念が理解できている。ベクトル値関数の微分の基本概念を理解できていない。
評価項目2場における勾配、発散、回転の基本概念を説明でき、重力、運動学や電磁気学等の具体例に適用できる。場における勾配、発散、回転の基本概念を説明でき、重力、運動学や電磁気学等の基礎的な具体例に適用できる。場における勾配、発散、回転の基本概念が説明できる。場における勾配、発散、回転の基本概念を説明できない。
評価項目3線積分の基本概念を説明でき、運動学等の具体例に適用できる。線積分の基本概念を説明でき、運動学等の基礎的な具体例に適用できる。線積分の基本概念を説明できる。線積分の基本概念を説明できない。
評価項目4ガウスの発散定理、ストークスの定理の基本概念を説明でき、電磁気学の具体例に適用できる。ガウスの発散定理、ストークスの定理の基本概念を説明でき、電磁気学の基礎的な具体例に適用できる。ガウスの発散定理、ストークスの定理の基本概念が説明できる。 ガウスの発散定理、ストークスの定理の基本概念を説明できる。 ある程度理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 C1 説明 閉じる
JABEE (c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1. ベクトルの復習
 ベクトルの加減演算、内積、外積等の基本概念を理解できる。
2. ベクトル値関数
 1変数のベクトル値関数の基本概念とその微分について理解できる。
3. スカラー場とベクトル場
 スカラー場とベクトル場の基本概念を理解できる。また、スカラー場の勾配、ベクトル場の発散や回転の基本概念を理解でき、これらを具体的に運動学や電磁気学の具体的な事例に適用できる。
4. 線積分と面積分
 線積分と面積分の基本概念を理解できる。また、これらの基礎知識を運動学や電磁気学に適用することができる。さらにガウスの発散定理やストークスの定理の基本概念を説明でき、物理的な意味を理解できる。
授業の進め方・方法:
授業では、教科書に沿って、そのエッセンスを中心に、問題園主を交えながら講義する。一人一人が到達目標を達成できるようにベクトル解析の基本概念や運動学や電磁気学への適用方法を理解できるように説明する。また、主体的な学生の事前学習と復習を促すため、不定期に小テストや問題演習を行う。事前学習や復習を前提とする。
注意点:
授業の予習と復習は欠かさず行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 「1.ベクトルの復習」として、基本演算(加減算、内積、外積等)を復習する。 ベクトルの基本概念を理解し、基本演算(加減算、内積、外積等)の計算ができる。
2週 「2.ベクトル値関数」として、ベクトル値関数、導関数等の基本概念を説明する。 ベクトル値関数の基本概念を理解でき、曲線の接線ベクトルや曲線の長さを求められる。
3週 「3.スカラー場とベクトル場」として、スカラー場とベクトル場の基本概念を説明する。 スカラー場、ベクトル場の基本概念が説明でき、等位曲線、等位曲面、流線の意味を説明できる。
4週 「3.スカラー場とベクトル場」として、スカラー場の勾配の基本概念を説明する。 スカラー場の勾配の基本概念を説明でき、スカラー場から勾配を求める方法を理解できる。
5週 「3.スカラー場とベクトル場」として、ベクトル場の発散の基本概念を説明する。 ベクトル場の発散の基本概念を説明でき、ベクトル場から発散を求める方法を理解できる。
6週 「3.スカラー場とベクトル場」として、勾配並びに発散に関する問題演習を行う。 勾配や発散に関する問題演習を通じて、勾配や発散に関する理解を深めることができる。
7週 確認試験を実施する。 確認試験の解き方を理解できる。
8週 授業予備日とし、必要に応じて復習を行う。 復習により理解を深めることができる。
4thQ
9週 「3.スカラー場とベクトル場」として、ベクトル場の回転の基本概念を説明する。 ベクトル場の回転の基本概念を説明でき、ベクトル場から回転を求める方法を理解できる。
10週 「3.スカラー場とベクトル場」として、ベクトル場の回転に関する問題演習を行う。 ベクトル場の回転に関する問題演習を通じて回転に関する理解を深めることができる。
11週 「4.線積分と面積分」として、線積分や面積分の基本概念とその応用を説明する。 線積分や面積分の基本概念を説明でき、運動学や電磁気学等の具体的事例に適用できる。
12週 「4.線積分と面積分」として、ガウスの発散定理の基本概念を説明する。 ガウスの発散定理の基本概念を説明でき、マクスウェルの方程式に適用できる。
13週 「4.線積分と面積分」として、ストークスの定理の基本概念を説明する。 ストークスの定理の基本概念を説明でき、マクスウェルの方程式に適用できる。
14週 確認試験を実施する。 確認試験問題の解き方を理解できる。
15週 確認試験の解説と授業の振り返りを行う。 目的や目標に対する到達度を自己点検できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4

評価割合

確認試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000