電波・通信工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電波・通信工学
科目番号 7832 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 電子工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材 電磁波工学入門(高橋応明,数理工学社),一陸特受験教室・無線工学(吉川忠久,東京電機大学出版),新情報通信概論(情報通信技術研究会編,電気通信協会発行)
担当教員 小池 清之

到達目標

【目的】
電磁気学で学んだ知識をベースとして電波の発生から電波の伝わり方について理解する.
講義内容には電波伝搬・空中線系の理論基礎,空中線系の理論,空中線系の構造・機能,電波伝搬の理論が含まれる.
情報通信に関わる基礎技術の理論や実際の通信システム・新技術を理解する.
講義内容には無線機器・空中線系の保守及び運用が含まれる.
【到達目標】
1.Maxwell方程式の取り扱い方,電波伝播の基礎及びアンテナの性質を説明することができる.
2.通信網,交換網,線路網など通信技術の基礎,また伝送,無線通信,データ通信など通信方式技術の概要を説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Maxwell方程式の取り扱い方,電波伝播の基礎及びアンテナの性質について様々な例を挙げて説明することができる.電波発生の仕組み,電波伝播の基礎及びアンテナの性質を概説でき,具体例を指摘できる.電波発生の仕組み,電波伝播の基礎及びアンテナの性質について概説することができる.電波発生の仕組み,電波伝播の基礎及びアンテナの性質について概説することができない.
評価項目2通信網,交換網,線路網など通信技術の基礎,また伝送,無線通信,データ通信など通信方式技術の概要を具体例を挙げて説明することができる.通信網,交換網,線路網など通信技術の基礎を説明でき,具体例を挙げることができる.通信網,交換網,線路網など通信技術の基礎を説明することができる.通信網,交換網,線路網など通信技術の基礎を説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 C6 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE (e) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期:電磁気学で学んだ知識をベースとして電波の発生から電波の伝わり方までを理論的に解析し,各種のアンテナや電波の伝わり方について基礎的な理解を得る.
後期:情報通信に関わる基礎技術の理論や実際の通信システム・新技術を折り込みながら,情報通信全般の概要を理解できることを念頭に講義を行う.
授業の進め方・方法:
前期:講義ノートに沿って,教科書の該当箇所も指摘しながら,電波の発生から電波の伝わり方について解説する.
後期:教科書に沿って情報通信に関わる基礎技術の理論や実際の通信システム・新技術を解説する.
この科目は学習単位科目のため,前期の事前・事後学習は電波工学に関する製作課題を実施する.
後期の事前・事後学習は通信工学を支える理論を調査・学修させ,ノートをチェックする.
注意点:
特になし

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 Maxwell 方程式,電磁波の存在について説明する.【電波伝搬・空中線系の理論基礎】 Maxwell 方程式,電磁波の存在について説明できる.
2週 自由空間のインピーダンス,ポインティングベクトルについて説明する.【電波伝搬・空中線系の理論基礎】 自由空間のインピーダンス,ポインティングベクトルについて説明できる.
3週 微小ダイポールアンテナと半波長ダイポールアンテナについて説明する.【空中線系の理論】 微小ダイポールアンテナと半波長ダイポールアンテナについて説明できる.
4週 アンテナの相対利得と絶対利得について説明する.【空中線系の理論】 アンテナの相対利得と絶対利得について説明できる.
5週 アンテナの実効面積と自由空間の損失について説明する.【空中線系の理論】 アンテナの実効面積と自由空間の損失について説明できる.
6週 パラボラアンテナ,八木アンテナ,アレイアンテナ,他各種アンテナについて説明する.【空中線系の構造・機能】 パラボラアンテナ,八木アンテナ,アレイアンテナ,等について説明できる.
7週 円偏波と楕円偏波,円偏波アンテナについて説明する.【空中線系の構造・機能】 円偏波と楕円偏波,円偏波アンテナについて説明できる.
8週 中間試験を実施する. 中間試験問題を解くことができる.
2ndQ
9週 中間試験の解説に続き,地上波の伝搬,反射,マルチパス,地球の等価半径について説明する.【電波伝搬の理論】 これまで学んだ内容を再確認し不十分な点を正しく理解できる.
地上波の伝搬,反射,マルチパス,地球の等価半径について説明できる.
10週 電離層伝搬,正割の法則,MUF,フレネルゾーン,エアダクトについて説明する.【電波伝搬の理論】 電離層伝搬,正割の法則,MUF,フレネルゾーン,エアダクトについて説明できる.
11週 フェージング,デリンジャー現象,磁気嵐,降雨減衰,雑音,宇宙通信における電波の窓について説明する.【電波伝搬の理論】 フェージング,デリンジャー現象,磁気嵐,降雨減衰,雑音,宇宙通信における電波の窓について説明できる.
12週 陸上移動伝搬特性,多重路伝搬,瞬時変動,中央値変動,距離変動,奥村カーブについて説明する.【電波伝搬の理論】 陸上移動伝搬特性,多重路伝搬,瞬時変動,中央値変動,距離変動,奥村カーブについて説明できる.
13週 レイリーフェージング,選択性フェージング,遅延プロファイルについて説明する.【電波伝搬の理論】 レイリーフェージング,選択性フェージング,遅延プロファイルについて説明できる.
14週 期末試験を実施する. 期末試験問題の解き方を理解できる.
15週 期末試験の解説と授業の振り返りを行う. 目的や目標に対する到達度を自己点検できる.
16週
後期
3rdQ
1週 通信網技術について説明する. 通信網技術について概説できる.
2週 交換網技術について説明する. 交換網技術について概説できる.
3週 線路網技術について説明する. 線路網技術について概説できる.
4週 通信土木技術について説明する.【無線機器・空中線系の保守及び運用】 通信土木技術について概説できる.
5週 伝送技術について説明する. 伝送技術について概説できる.
6週 無線通信技術について説明する.【無線機器・空中線系の保守及び運用】 無線通信技術について概説できる.
7週 中間試験を実施する. 中間試験問題を解くことができる.
8週 中間試験の解説とここまでの授業の振り返りを行う.
通信法規について説明する.
これまで学んだ内容を再確認し不十分な点を正しく理解できる.
通信法規について概説できる.
4thQ
9週 通信用電力技術について説明する.【無線機器・空中線系の保守及び運用】 通信用電力技術について概説できる.
10週 通信機器技術について説明する.【無線機器・空中線系の保守及び運用】 通信機器技術について概説できる.
11週 データ通信技術について説明する. データ通信技術について概説できる.
12週 画像通信技術について説明する. 画像通信技術について概説できる.
13週 信頼性工学,電気通信の課題と現状について説明する. 信頼性工学,電気通信の課題と現状について概説できる.
14週 期末試験を実施する. 期末試験問題の解き方を理解できる.
15週 期末試験の解説と授業の振り返りを行う. 目的や目標に対する到達度を自己点検できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000