電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 西巻正郎,森武明,荒井俊彦共著「電気回路の基礎 第3版」(森北出版)
担当教員 西村 亮

到達目標

1.正弦波交流電圧を瞬時値,複素数,波形,フェーザ図で表し,それらと正弦波交流の諸量を関係づけることができる.
2.抵抗,インダクタンス,キャパシタンスにおける電圧と電流の関係をさまざまな形式で表現し,それに関する計算をすることができる.
3.キルヒホッフの法則を用いて,正弦波交流回路における電圧と電流の関係を示し,計算をすることができる.
4.簡単な正弦波交流回路において,各部の電圧,電流,位相の関係を求め,フェーザ図で表すことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1正弦波交流電圧を瞬時値,複素数,波形,フェーザ図で表し,それらと正弦波交流の諸量を関係づけることができる.正弦波交流電圧を瞬時値,複素数,波形,フェーザ図で示すことができる.正弦波交流電圧を瞬時値,複素数,波形,フェーザ図で表すことができない.
評価項目2抵抗,インダクタンス,キャパシタンスにおける電圧と電流の関係をさまざまな形式で表現し,それに関する計算をすることができる.抵抗,インダクタンス,キャパシタンスにおける電圧と電流の関係をさまざまな形式で表現できる.抵抗,インダクタンス,キャパシタンスにおける電圧と電流の関係をさまざまな形式で表現できない.
評価項目3キルヒホッフの法則を用いて,正弦波交流回路における電圧と電流の関係を示し,計算をすることができる.キルヒホッフの法則を用いて,正弦波交流回路における電圧と電流の関係を示し,部分的に計算することができる.キルヒホッフの法則を用いて,正弦波交流回路における電圧と電流の関係を示すことができない.
評価項目4簡単な正弦波交流回路において,各部の電圧,電流,位相の関係を求め,フェーザ図で表すことができる.簡単な正弦波交流回路において,各部の電圧,電流,位相の関係を部分的に求めることができる.簡単な正弦波交流回路において,各部の電圧,電流,位相の関係を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 コンピュータに関連する様々な機器を利用し,設計を行うためには,時間的に変化する現象を対象とするアナログ回路の知識や機器をシステムとして捉える考え方が必要である.
 周波数,位相,インピーダンスなど,直流回路では現れない概念を導入し,複素数を用いた記号法によって正弦波交流回路の解析を行えるようにする.
 電気回路Ⅰと合わせて,電子回路およびコンピュータ計測制御の基礎となる科目である.また,記号法による回路の解析は,制御工学や応用数学Ⅰ,ディジタル信号処理Ⅰで扱うシステムの周波数特性の考え方に通じるものである.
授業の進め方・方法:
 授業と演習を組み合わせた形式で行う.数回の演習課題を宿題として課す.
注意点:
 電気回路Ⅰで学んだ,回路における電圧と電流の関係,オームの法則やキルヒホッフの法則の知識が必要である.
 授業時間中に演習を行うので,関数電卓を持参する.宿題として課した演習課題の提出期限は,次回授業時の冒頭であり,遅延の場合は受理しない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直流と交流
正弦波の式
正弦波の式に現れる量
波形と関係づけながら,正弦波交流を式で表すことができる.また,周期,周波数,位相角に関する計算をすることができる.
2週 正弦波の位相角と位相差 波形および式と関係づけながら,二つの正弦波交流の位相差を求めることができる.
3週 正弦波の実効値
フェーザ図
正弦波の実効値と最大値の関係を述べることができる.また,複数の正弦波交流を一つのフェーザ図で表現することができる.
4週 複素数の直交形式と極形式
複素数平面と関連づけながら,複素数を直交形式と極形式で表現できる.また,それらを相互に変換できる.
5週 正弦波交流の複素数表示 正弦波交流を複素数で表現することができる.また,抵抗における電圧と電流の関係を示すことができる.
6週 回路要素の性質(1) 抵抗,インダクタンスおよびキャパシタンスにおける電圧と電流の関係を瞬時値および波形で示すことができる.
7週 中間試験
8週 回路要素の性質(2) 正弦波交流回路で用いられる各素子における電圧と電流の関係を複素数およびフェーザ図で示すことができる.
2ndQ
9週 インピーダンス 正弦波交流回路で用いられる各素子のインピーダンスを求めることができる.また,インピーダンスを用いることにより,正弦波交流回路でもオームの法則が成り立つことを確認する.
10週 キルヒホッフの法則(電流則) キルヒホッフの法則(電流則)を用いて正弦波交流回路中の電流の関係を示し,計算することができる.
11週 キルヒホッフの法則(電圧則) キルヒホッフの法則(電圧則)を用いて正弦波交流回路中の電圧の関係を示し,計算することができる.
12週 合成インピーダンス 直列または並列に接続された素子の合成インピーダンスを求めることができる.
13週 簡単な回路の解析(1) 素子が直列に接続された回路において,各部の電圧や電流,位相の関係を求め,フェーザ図で表すことができる.
14週 簡単な回路の解析(2) 素子が並列に接続された回路において,各部の電圧や電流,位相の関係を求め,フェーザ図で表すことができる.
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習課題合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力75000025100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000