電子回路

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 小原治樹著「電子回路学入門-機械工学者のためのアナログ・ディジタル・パワー回路の基礎-」(コロナ社)
担当教員 西村 亮

到達目標

1.半導体の基本的な事項について,適切な用語を用いて説明できる.
2.ダイオード,LED,トランジスタ,FETの電気的特性および動作を説明できる.
3,ダイオード,LED,トランジスタ,FETを用いた応用回路の動作を説明し,設計できる.
4.積分回路の動作を時定数を時定数と関連づけて説明できる.
5.低域通過フィルタの周波数特性を導き,示すことができる.
6.ディジタルICの特性および基本的な回路の動作を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体の基本的な事項について,適切な用語を用いて説明できる.半導体の基本的な事項について説明できる.半導体の基本的な事項について説明できない.
評価項目2ダイオード,LED,トランジスタ,FETの電気的特性および動作を説明できる.ダイオード,LED,トランジスタ,FETの電気的特性および動作の過半数を説明できる.ダイオード,LED,トランジスタ,FETの電気的特性および動作を説明できない.
評価項目3ダイオード,LED,トランジスタ,FETを用いた応用回路の動作を説明し,設計できる.ダイオード,LED,トランジスタ,FETを用いた応用回路の動作の説明や設計の過半数ができる.ダイオード,LED,トランジスタ,FETを用いた応用回路の動作を説明したり,設計したりすることができない.
評価項目4積分回路の動作を時定数と関連づけて説明できる.積分回路の動作を説明できる.積分回路の動作を説明できない.
評価項目5低域通過フィルタの周波数特性を導き,示すことができる.低域通過フィルタの周波数特性を示すことができる.低域通過フィルタの周波数特性を導いたり,示したりすことができない.
評価項目6ディジタルICの特性および基本的な回路の動作を説明できる.ディジタルICの特性または基本的な回路の動作を説明できる.ディジタルICの特性および基本的な回路の動作を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 コンピュータを用いていろいろな機器を制御するためには,インタフェースとなる電気,電子回路の設計,製作,利用が欠かせない.本科目は,電子回路で用いられる素子の特性と利用法について取り扱い,実際に回路を使用する場面において,それらを適切に利用するための基礎を修得することを目的とする.
授業の進め方・方法:
 授業と演習を組み合わせた形式で行う.数回の演習課題を宿題として課す.
注意点:
 オームの法則,キルヒホッフの法則,記号法など,電気回路Ⅰおよび電気回路Ⅱで学んだ諸法則と解析法を利用できる知識が必要である.また,情報工学実験Ⅱにおいて,関連した実験を行うほか,コンピュータ計測制御,情報工学実験Ⅲ(前期)とも関連がある.
 宿題として課した演習課題の提出期限は,次回授業時の冒頭であり,遅延の場合は受理しない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 半導体とは 抵抗率による分類における半導体の位置づけおよび自由電子について説明できる.
2週 不純物半導体
PN接合
不純物半導体におけるキャリヤの生成について説明できる.また,PN接合によって生じる現象について説明できる.
3週 ダイオードの特性
整流回路(1)
ダイオードの電気的特性について説明できる.また,半波整流回路の動作を説明し,入出力電圧波形の関係を示すことができる.
4週 整流回路(2)
リミッタ
全波整流回路の動作を説明し,入出力電圧波形の関係を示すことができる.また,リミッタの動作を説明し,入出力電圧波形の関係を示すことができる.
5週 発光ダイオードの特性
LED点灯回路(1)
発光ダイオードの電気的特性を説明できる.また,1個のLEDを直流電源で点灯させる回路を設計することができる.
6週 LED点灯回路(2) 複数のLEDを直流電源を用いて点灯させる回路を設計することができる.
7週 トランジスタの構造と基本的な動作 バイポーラトランジスタの構造を説明できる.また,NPN形トランジスタにおけるキャリヤと電流の振る舞いを説明できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 トランジスタを用いたスイッチング回路 NPN形トランジスタを用いたスイッチング回路を設計できる.
10週 FETの構造と基本的な動作
FETを用いたスイッチング回路
Nチャネルエンハンスメント形MOSFETについて,キャリヤと電流の振る舞いを説明することができる.また,これを用いたスイッチング回路を設計できる.
11週 積分回路 受動回路を用いた積分回路の動作を説明し,入出力電圧波形の関係を示すことができる.また,オペアンプを用いても同様な回路を構成できることを確認する.
12週 低域通過フィルタ(1)
オペアンプを用いた低域通過フィルタについて,電圧利得の周波数特性を導くことができる.
13週 低域通過フィルタ(2)
低域通過フィルタについて,電圧利得の周波数特性を描くことができる.また,遮断周波数を電圧利得の式から導くことができる.
14週 ディジタルICの電気的特性 ディジタルICの電気的特性をデータシートから読み取り,説明できる.また,ノイズマージンを計算することができる.
15週 CMOS-ICの基本回路 CMOS-ICの基本的な回路について,動作を説明できる.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3後1,後2,後3,後7,後10,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習課題合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力75000025100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000