論理回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 論理回路Ⅰ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 著者:浜辺隆二 書名:論理回路入門第4版 発行所:森北出版
担当教員 田中 晶

到達目標

【目的】コンピュータの動作原理である論理回路の基礎を修得する。数の体系、論理関数、組合せ論理回路を理解した上でこれらを用いた回路設計の基本技術を身につける。
【到達目標】1)整数や小数を2進数(デジタル表現)や16進数等で表したり、基数変換できる。2)論理式を使った論理演算が行え、その過程で、論理関数を 真理値表で表現しカルノー図等を用いて簡単化ができる。3)論理素子を用いてこれらを回路として表現でき、その機能を説明できる。さらに、基本的な組合せ論理回路を設計しその動作が 理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1整数や小数を2進数(デジタル表現)や16進数等で表したり、基数変換できる。整数や小数を2進数(デジタル表現)や16進数等の表現方法と互いの関係を説明できる。整数や小数を2進数(デジタル表現)や16進数等の簡単な特徴を説明できる。整数や小数を2進数(デジタル表現)や16進数等を理解していない。
評価項目2論理式を使った論理演算が行え、真理値表での表現、カルノー図等を用いた簡単化ができる。論理式を使った論理演算、真理値表、カルノー図等を用いた簡単化が説明できる。論理式を使った論理演算、真理値表、カルノー図等の簡単な特徴を説明できる。論理式を使った論理演算、真理値表、カルノー図等を用いた簡単化を理解していない。
評価項目3基本的な組合せ論理回路を設計し、その機能や動作を理解した上で説明できる。 基本的な組合せ論理回路の機能や動作を説明できる。 基本的な組合せ論理回路の簡単な特徴を説明できる。 基本的な組合せ論理回路の機能や動作を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータの主要機能を構成する論理回路の内、組合せ回路を学ぶ。
ユニットⅠ(1週~)では、ディジタルデータの取り扱いに関して、数の体系(アナログとディジタル、基数表現や変換、2進数の演算等)を集合論やブール代数をコンピュータにおける取り扱いに基づいて理解する。ユニットⅡ(6週~)では、論理回路の基礎に関して、論理回路の論理関数による表現、カルノー図等を用いた簡単化や基本的な回路設計を修得する。ユニットⅢ(11週~)では、組合せ論理回路に関して、代表的な組合せ回路の原理と設計方法を修得する。
この科目は10年以上企業で通信・分散プロセッシングを担当していた教員が、その経験を活かしコンピュータの構造に関わる基本技術などについて講義形式を中心に授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教室での座学形式で行う。ユニットを区切りとして進めるため毎回の授業ではある程度順序等が前後する場合がある。また、アクティブラーニングを取り入れており、毎日の練習問題の状況などに基づき最適な学習となるよう順番を入れ替えるなどの場合もある。
適宜配布する課題シートを使って、演習或いは授業内容の整理に各自或いはグループで取り組む。
レポート等に関わる事項について指名による回答を求める場合があるので、各自で考えて答える。
原則的に毎回の授業の冒頭は復習に充てるので、前回授業を思い出して当該回の授業に備える。
注意点:
授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学習する。
板書とスライド(パワーポイント)を併用する。時間は確保するので各自でノートをとり復習等に役立てる。
授業で配布する課題シートは、特に指示しない限り当該回の授業内に提出する。その他のレポート等も必ず指定期日までに提出する。定期試験だけでなく予習・復習の自学自習も含めて評価されるので、自学自習の習慣を身につける。HBの鉛筆、消しゴムと消えない赤ボールペンを持参し、試験にはHB鉛筆と消しゴムを持参する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタルについて
数の表現法(1)
アナログとディジタルの違いとそれぞれの特徴が理解できる。
基数表現の概要が理解できる。
2週 数の表現法(2)
基数変換
10進数、2進数及び16進数による数の表現ができる。
これらの相互変換ができる。
3週 2進数の演算 2進数の加算方法、補数の概念と補数を用いた減算ができる。
4週 2値論理の基本 集合論とベン図、命題論理と真理値表、ブール代数が理解できる。
5週 2値論理の演算 集合論との関係を理解した上で、2進数の加算方法、補数の概念と補数を用いた減算ができる。
6週 基本論理回路(1) AND/OR/NOTの基本ゲートを用いた論理回路の作成ができる(1)。
演習を行う(提出)。
7週 基本論理回路(2) AND/OR/NOTの基本ゲートを用いた論理回路の作成ができる(2)。
演習と理解度チェックを行う。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 基本論理回路(3) AND/OR/NOTの基本ゲートを用いた論理回路の作成ができる(3)。
演習の続きを行う(提出)。
10週 論理関数の標準形による表現 論理関数の真理値表による表現が理解でき、加法標準形及び乗法標準形への変換ができる。
11週 カルノー図等を用いた論理式の簡単化(1) 論理関数のカルノー図、真理値表等による簡単化ができる(1)。
12週 カルノー図等を用いた論理式の簡単化(2) 論理関数のカルノー図、真理値表等による簡単化ができる(2)
13週 代表的組合せ回路の原理と設計(1) 並列加算器、コンパレータ、エンコーダとデコーダ、マルチプレクサ等の設計ができる(1)。
演習を行う(提出)。
14週 代表的組合せ回路の原理と設計(2) 並列加算器、コンパレータ、エンコーダとデコーダ、マルチプレクサ等の設計ができる(2)。
演習と理解度チェックを行う。
15週 復習 組合せ回路の基礎が理解でき、基本回路や簡単な応用回路が設計できる。
演習の続きを行う(提出)。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前1,前8,前14,前15
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前2,前3,前4,前5,前8,前15
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前2,前3,前4,前5,前8,前15
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前2,前3,前4,前5,前8,前15
基本的な論理演算を行うことができる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
論理式の簡単化の概念を説明できる。4前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15
組合せ論理回路を設計することができる。4前11,前12,前13,前14,前15
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。1前15
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3前13,前14,前15,前16
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。1前13,前14,前15,前16
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。1前15
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。1前15
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3前4,前5,前8,前15,前16
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。3前4,前5,前8,前15,前16
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3前4,前5,前8,前15,前16
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。2前4,前5,前8,前15,前16
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。1前5,前15,前16
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。1前5,前15,前16
その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。1前6,前7,前8,前9,前15,前16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力3500015050
専門的能力3500015050
分野横断的能力0000000