化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学Ⅲ
科目番号 0052 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (数研出版)改訂版化学・リードα化学基礎+化学・(東京書籍)図説化学
担当教員 山本 祥正

到達目標

まず、酸化還元反応の応用である化学電池や電気分解について学ぶ。次いで、物質の状態や気体・溶液の性質について学習する。
後半は、化学反応とエネルギーについて学ぶほか、化学反応速度の表し方、求め方を説明する。
これらについて、高校化学の教科書レベルの基礎知識を習得し、基礎的な問題が解けるようになることを到達目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
酸化還元反応の応用(電池・電気分解)電池や電気分解の電極反応についてイオン反応式を記し、種々の計算ができる。電池の仕組みや電気分解について、基本的なことがらを説明できる。金属のイオン化傾向の大小を理解していて、金属の反応性を説明できる。金属のイオン化傾向の大小を理解していない。
物質の状態と平衡気液平衡、気体の状態方程式、希薄溶液に関する計算問題ができる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造について、基本的なことがらを説明できる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造にかかわる化学用語を答えられる。物質の状態、気体の性質、溶液の性質、固体の構造にかかわる化学用語を答えられない。
固体の構造金属結晶やイオン結晶の単位格子の特徴(配位数など)を述べることができ、密度や充填率の計算ができる。金属結晶やイオン結晶の構造を理解しており、単位格子の特徴(配位数など)を述べることができる。金属結晶の構造の種類を挙げることができる。金属結晶の構造の種類を挙げることができない。
化学反応とエネルギー熱化学方程式を記述し、ヘスの法則を利用した反応熱の計算ができる。熱化学方程式を記述できる。反応熱の種類を挙げることができ、定義を説明できる。反応熱の種類を挙げることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年生で学習した化学Iおよび化学Ⅱ、ものづくり基礎工学とともに化学および工学の基礎科目として位置づけられる。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書に沿って理解すべき基本事項を説明していく。問題集は復習に役立てること。各学科の授業で扱う基礎的な内容は同じであり、下記の授業計画に示している。さらに発展的な内容を学科の専門性に応じて付け加えることもある。
注意点:
化学 Iおよび化学Ⅱ の内容を理解しておくこと。講義用ノートを準備すること。予習・復習を欠かさず自学自習の習慣を確立させること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・復習 酸化還元についての基本事項を確認する。
2週 電池 電池の仕組み、一次電池、二次電池を説明できるようになる。
3週 電気分解(1) 電気分解の電極反応を理解する。
4週 電気分解(2) ファラデーの法則を利用した計算ができる。電気分解の利用について実例を挙げることができる。
5週 粒子の結合と結晶(1)イオン結晶・分子結晶・共有結合結晶 イオンや分子にはたらく力について理解し、イオン結晶や共有結合結晶の種類を説明できる。
6週 粒子の結合と結晶(2)金属結晶・非晶質 金属結晶の種類を説明でき、充填率の計算ができる。また、非晶質の物質の代表例を挙げることができる。
7週 物質の状態変化 種々の状態変化を挙げ、状態図について要点を説明できる。気液平衡についても理解し、蒸気圧と沸騰の関係を説明できるようになる。
8週 中間試験 前半の学習内容を確認する。
2ndQ
9週 気体(1)状態方程式 気体の諸法則を理解し、状態方程式に基づく計算ができる。
10週 気体(2)混合気体・実在気体と理想気体 気体の全圧と分圧に関する計算ができるようになり、実在気体と理想気体の差を説明できるようになる。
11週 溶液(1)溶解度・濃度 溶解のしくみを説明でき、溶解度や濃度に関する計算ができる。
12週 溶液(2)希薄溶液・コロイド溶液 希薄溶液の性質、コロイド溶液の特徴を説明できる。
13週 化学反応とエネルギー(1)熱化学方程式・反応熱の種類 反応熱の種類を説明し、熱化学方程式を記述できる。
14週 化学反応とエネルギー(2)ヘスの法則 ヘスの法則を説明し、反応熱を計算できる。
15週 化学反応とエネルギー(3)結合エネルギー・化学反応と光 結合エネルギーを理解し、反応熱との関係を説明できる。また、化学発光および光化学反応について代表例を挙げることができる。
16週 期末試験答案返却 前期末の学習内容の定着度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前7
水の状態変化が説明できる。3前7
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前7
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前9
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前9,前10
イオン結合について説明できる。3前5
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前5
共有結合について説明できる。3前5
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前6
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前2,前3,前4,前13,前14,前15
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前2,前4,前14
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前11
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前11
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前11
イオン化傾向について説明できる。3前1
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3前1
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3前2
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3前2
一次電池の種類を説明できる。3前2
二次電池の種類を説明できる。3前2
電気分解反応を説明できる。3前3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前3
ファラデーの法則による計算ができる。3前4

評価割合

試験課題提出合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100