科学技術から見る歴史Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 科学技術から見る歴史Ⅰ
科目番号 0060 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は配布プリント。補助教材として、『詳説世界史B』山川出版
担当教員 河村 豊,鈴木 慎也,村瀬 智之

到達目標

この講義では,科学および技術に関するテーマを扱うことを通して「社会事象の歴史的な⾒⽅・考え⽅」を⾝につける。「社会事象の歴史的な⾒⽅・考え⽅」とは、社会事象を捉える際に働かせる,①時系列に関わる視点(時代・年代など),②諸事象の推移に関わる視点(展開・変化・継続など),③諸事象の⽐較に関わる視点(類似・差異など),④事象相互のつながりに関わる視点(背景・原因・結果・影響・関係性・相互作⽤など),⑤現在とのつながり,などの視点である.汎用的四技能(課題設定・習得収集・分析・発表)の到達目標としては、習得収集と分析の力を養う。特に歴史的事実を時代区分すること(分類作業)、および歴史的事実の背後にある背景要因を見つけ出すこと(精査作業)を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの最低限の目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1各時代の基本的事項に関する事象を適切に理解している.各時代の基本的事項に関する事象を7割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象を6割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象の理解が6割に満たない.
評価項目2その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴をほぼ理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を7割程度、理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を6割程度、理解できている。その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴の理解が6割に満たない.
評価項目3科学技術と社会に関する時代区分や背景要因を多層的に理解している.科学技術と社会に関する時代区分や背景要因について理解できた.と社会に関する時代区分ができ、背景要因が存在することが理解できた。科学技術と社会に関する時代区分が理解できず、また背景要因が存在することを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半期科目(ただし、後半のⅡと強い繋がりがある).前期科目である「科学技術から見る歴史Ⅰ」では,主に古代,中世,近代の時代の科学および技術について,通史的な観点で扱い,歴史的手法,科学・技術についての基本的概念,社会の中での科学・技術の役割などについて理解する.前期では,主に「社会の中の科学,技術」を理解するための基礎的な学習を行う.
 この科目「科学技術から見る歴史」は,同一のシラバスを用いるが,クラスごとに異なる教員が担当する特徴がある.この科目の目的および到達目標に至るプロセス(あるいはルート)は,教員ごとに異なる事例(あるいはルート)を利用する予定である.したがって担当教員による具体的な授業内容や毎回の授業の進め方は,同一とはならない.科目の特性上,担当教員ごとに特色ある授業となる予定である.
授業の進め方・方法:
 授業の中心は、講義形式となる.配布するプリント資料などを用いながら,講義を進めて行く.必要に応じて画像資料や映像資料なども活⽤する。授業中は,黒板に書かれた事項をノートに取るだけではなく,講義で話したことも率先してノートのメモを取るなどの工夫が必要である.
 授業中には⼩レポートを作成し,提出してもらう場合がある.⼩レポートの事例としては,当該授業で扱った内容に対する小テストであったり,授業中“気づき”,あるいは,質問事項などをを記載することなどである.翌週の授業冒頭では,前回の授業での振り返りを行うなど,小テストの答え,「気づき」の内容,あるいは質問事項についての解説などを行う.
注意点:
 利用する「教科書」は、主に配布プリントなどとする予定である.補助教材として『詳説世界史B』を購入してもらう(Ⅱでも利用する).授業を理解するには,補助教材を予習用テキストとして事前に読んでおくことや,配布プリントの見直しなど,予習,復習を行うことが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 A1" A1.ガイダンス
-科学史・技術史入門-"
歴史の学び方,科学技術の歴史的な分析方法の特徴,
2週 A2.古代の科学・技術(1)
石器時代の事例などから科学,技術を特徴を理解する.
3週 A3.古代の科学・技術(2)
古代文明の時代などから,科学,技術の起源について理解する.
4週 A4.古代の科学・技術(3)
古代ギリシャ文明などから,科学,技術の起源,社会との関わりについて理解する.
5週 A5.古代・中世の科学・技術(1)
科学の起源を社会的条件、歴史的条件に注目することで理解する.
6週 A6.古代・中世の科学・技術(2)
自然科学の発展が、地理的、思想的な条件により、大きく変質することを理解する.
7週 A7.古代・中世の科学・技術(3)
近代科学の起源に関わる諸条件について理解する.
8週 A8.振り返り 古代から中世における科学・技術について学んだことについて振り返る.
2ndQ
9週 B1.近代社会における科学・技術(1)
近代科学の成立に関わる諸条件について理解する
10週 B2.近代社会における科学・技術(2) 
近代科学の成立・発展に関わる諸条件について理解する.
11週 B3.近代社会における科学・技術(3)
近代科学の起源について,科学者の活動の具体的な事例からその特徴を理解する.
12週 B4.科学革命期の諸特徴(1)
科学革命期において現れた科学上の変化について,科学者の活動の具体的な事例からその特徴を理解する.
13週 B5.科学革命期の諸特徴(2)
科学革命期において現れた科学・技術などの変化について,具体的な事例からその特徴を理解する.
14週 B6.科学革命期の諸特徴(3)
科学革命期の社会的特徴について,具体的な事例を通して理解する.
15週 B7.科学革命期の諸特徴(4)
科学革命期の全体像について,理解する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13,前14,前15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前8
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,前15
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力5020000070
専門的能力200000020
分野横断的能力100000010