到達目標
この講義では,科学および技術に関するテーマを扱うことを通して「社会事象の歴史的な⾒⽅・考え⽅」を⾝につける。「社会事象の歴史的な⾒⽅・考え⽅」とは、社会事象を捉える際に働かせる,①時系列に関わる視点(時代・年代など),②諸事象の推移に関わる視点(展開・変化・継続など),③諸事象の⽐較に関わる視点(類似・差異など),④事象相互のつながりに関わる視点(背景・原因・結果・影響・関係性・相互作⽤など),⑤現在とのつながり,などの視点である.汎用的四技能(課題設定・習得収集・分析・発表)の到達目標としては、習得収集と分析の力を養う。特に歴史的事実を時代区分すること(分類作業)、および歴史的事実の背後にある背景要因を見つけ出すこと(精査作業)を目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 到達レベルの最低限の目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各時代の基本的事項に関する事象を適切に理解している. | 各時代の基本的事項に関する事象を7割程度、理解できている. | 各時代の基本的事項に関する事象を6割程度、理解できている. | 各時代の基本的事項に関する事象の理解が6割に満たない. |
評価項目2 | その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴をほぼ理解できている。 | その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を7割程度、理解できている。 | その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴を6割程度、理解できている。 | その時代の科学技術と社会とに関わる主要な特徴の理解が6割に満たない. |
評価項目3 | 科学技術と社会に関する時代区分や背景要因を多層的に理解している. | 科学技術と社会に関する時代区分や背景要因について理解できた. | と社会に関する時代区分ができ、背景要因が存在することが理解できた。 | 科学技術と社会に関する時代区分が理解できず、また背景要因が存在することを理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
半期科目(ただし、後半のⅡと強い繋がりがある).前期科目である「科学技術から見る歴史Ⅰ」では,主に古代,中世,近代の時代の科学および技術について,通史的な観点で扱い,歴史的手法,科学・技術についての基本的概念,社会の中での科学・技術の役割などについて理解する.前期では,主に「社会の中の科学,技術」を理解するための基礎的な学習を行う.
この科目「科学技術から見る歴史」は,同一のシラバスを用いるが,クラスごとに異なる教員が担当する特徴がある.この科目の目的および到達目標に至るプロセス(あるいはルート)は,教員ごとに異なる事例(あるいはルート)を利用する予定である.したがって担当教員による具体的な授業内容や毎回の授業の進め方は,同一とはならない.科目の特性上,担当教員ごとに特色ある授業となる予定である.
授業の進め方・方法:
授業の中心は、講義形式となる.配布するプリント資料などを用いながら,講義を進めて行く.必要に応じて画像資料や映像資料なども活⽤する。授業中は,黒板に書かれた事項をノートに取るだけではなく,講義で話したことも率先してノートのメモを取るなどの工夫が必要である.
授業中には⼩レポートを作成し,提出してもらう場合がある.⼩レポートの事例としては,当該授業で扱った内容に対する小テストであったり,授業中“気づき”,あるいは,質問事項などをを記載することなどである.翌週の授業冒頭では,前回の授業での振り返りを行うなど,小テストの答え,「気づき」の内容,あるいは質問事項についての解説などを行う.
注意点:
利用する「教科書」は、主に配布プリントなどとする予定である.補助教材として『詳説世界史B』を購入してもらう(Ⅱでも利用する).授業を理解するには,補助教材を予習用テキストとして事前に読んでおくことや,配布プリントの見直しなど,予習,復習を行うことが大切である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
A1" A1.ガイダンス -科学史・技術史入門-"
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歴史の学び方,科学技術の歴史的な分析方法の特徴,
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2週 |
A2.古代の科学・技術(1)
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石器時代の事例などから科学,技術を特徴を理解する.
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3週 |
A3.古代の科学・技術(2)
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古代文明の時代などから,科学,技術の起源について理解する.
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4週 |
A4.古代の科学・技術(3)
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古代ギリシャ文明などから,科学,技術の起源,社会との関わりについて理解する.
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5週 |
A5.古代・中世の科学・技術(1)
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科学の起源を社会的条件、歴史的条件に注目することで理解する.
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6週 |
A6.古代・中世の科学・技術(2)
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自然科学の発展が、地理的、思想的な条件により、大きく変質することを理解する.
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7週 |
A7.古代・中世の科学・技術(3)
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近代科学の起源に関わる諸条件について理解する.
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8週 |
A8.振り返り |
古代から中世における科学・技術について学んだことについて振り返る.
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2ndQ |
9週 |
B1.近代社会における科学・技術(1)
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近代科学の成立に関わる諸条件について理解する
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10週 |
B2.近代社会における科学・技術(2)
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近代科学の成立・発展に関わる諸条件について理解する.
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11週 |
B3.近代社会における科学・技術(3)
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近代科学の起源について,科学者の活動の具体的な事例からその特徴を理解する.
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12週 |
B4.科学革命期の諸特徴(1)
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科学革命期において現れた科学上の変化について,科学者の活動の具体的な事例からその特徴を理解する.
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13週 |
B5.科学革命期の諸特徴(2)
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科学革命期において現れた科学・技術などの変化について,具体的な事例からその特徴を理解する.
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14週 |
B6.科学革命期の諸特徴(3)
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科学革命期の社会的特徴について,具体的な事例を通して理解する.
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15週 |
B7.科学革命期の諸特徴(4)
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科学革命期の全体像について,理解する.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。 | 3 | |
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 3 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 3 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 70 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |