社会と文化からみる歴史I

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 社会と文化からみる歴史I
科目番号 0061 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 詳説日本史B(山川出版)
担当教員 鈴木 慎也

到達目標

①日本の戦国時代〜明治維新までの歴史についての基礎的な知識を身につけ、それを基に現代社会の諸問題について考察を深められる。
②歴史学とは様々な歴史資料をもとに、科学的・論理的にそれらを組み立てることで、歴史的事実に迫り、その過程や歴史的意義を考える学問であることを、講義を通じて理解することを目標とする。                                     ③本講義では汎用的四技能(課題設定・習得収集・分析・発表)のうち、特に、課題設定と習得収集の力を養う。具体的には、毎回の講義で設定される課題を理解し、その課題の解決に向けて主体的に授業に参加すること(テーマの理解)、講義を通じて各時代についての基礎的な知識を理解し(知識習得)、レポート作成の際には主体的に情報を収集すること(情報収集)を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの最低限の目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1各時代の基本的事項に関する事象を適切に理解してい る.各時代の基本的事項に関する事象を7割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象を6割程度、理解できている.各時代の基本的事項に関する事象の理解が6割に満た ない.
評価項目2その時代を特徴づける経済政策や政権の役割についてほぼ理解している。その時代を特徴づける経済政策や政権の役割について7割程度、理解できている。その時代を特徴づける経済政策や政権の役割について6割程度、理解できている。その時代を特徴づける経済政策や政権の役割の理解が6割に満たない。
評価項目3自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することが十分にできる。 自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することができる。 様々な歴史資料をもとに、自らの考えを論理的にまとめることができる。自ら課題を設定して調査すること、および、それをまとめて発表することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・東アジア史、および、日本史の基本的な知識を身につけ、自ら課題を設定して、資料を取捨選択しながら客観的に考察して分析し、自らの意見を発表する積極的な姿勢が求められる。このような授業を通して、国際社会に主体的に生きる日本人技術者としての資質を養う科目と位置づけられる。                           ・日本とそれ以外の東アジアや東南アジア諸地域との関係性について、各地の地理的な特徴が産業に与えた影響や実際に交易品としてやり取りされた文物などから理解を深める。このような授業内容を通して、世界の多様性のある生活や文化がどのように形成されたのかを理解し、諸外国で活躍することができる教養を身につけた日本人技術者としての資質を養う科目と位置付けられる。
授業の進め方・方法:
上記の目的を果たすために、前期は通常の歴史の授業を行い、夏休みにレポートを課し、後期の授業(「社会と文化から見る歴史Ⅱ」)では通常の授業に交えてグループ発表する演習形式をとる。
注意点:
①必要に応じてプリントを配布するので、なくさないようにして下さい。②授業は、ノート形式・空欄補充式のプリントのいずれかを採用します。ただし、黒板を丸写しするだけ、空欄補充だけではノート・プリントは完成したとはいえません。ですので、時代的背景や歴史的関連などしっかりメモをとりましょう。ノート・プリントにどんどん書き込むようにすると、歴史の流れがわかってきます。また、予習、復習で自分が調べてみたこともプリントへ書き込んで下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス             授業の進め方や学ぶ知識について見通しをもつこと。歴史学に関連する分野について、知識を深める。
2週 戦国時代の日本1 南蛮貿易の特徴と戦国時代の諸大名に与えた経済的な影響について理解する。火縄銃・硝石
3週 戦国時代の日本2 南蛮貿易の特徴と戦国時代の諸大名に与えた経済的な影響について理解する。硝石・硫黄
4週 戦国時代の日本2 戦国時代における日本産の銀が世界に与えた影響を地理的な側面から理解する。銀
5週 戦国時代の日本3 織田信長、豊臣秀吉などが行った政策について知識を深めるとともに、経済に与えた影響を理解する。
6週 戦国時代の日本4 織田信長、豊臣秀吉などが行った政策について知識を深めるとともに、経済に与えた影響を理解する。
7週 江戸時代の日本1 徳川家康が行った政策について知識を深めるとともに、経済に与えた影響を理解する。
8週 前期中間試験 戦国時代から江戸幕府成立までの歴史的な基礎知識の定着度合いを確認する。
2ndQ
9週 江戸時代の日本2 江戸幕府の禁教令と鎖国政策がどのような社会的背景のもとで行われたものであったのかを考察する。
10週 江戸時代の日本3 江戸幕府の貨幣制度の仕組みと貨幣改鋳がもたらした経済的・社会的影響について理解する。
11週 江戸時代の日本4 江戸幕府の貨幣制度の仕組みと貨幣改鋳がもたらした経済的・社会的影響について理解する。
12週 江戸時代の日本5 江戸幕府の貨幣制度の仕組みと貨幣改鋳がもたらした経済的・社会的影響について理解する。
13週 江戸時代の日本6
江戸の庶民や諸大名の経済状況について、各資料を読み解きながら理解する。
14週 明治維新1 大政奉還を当時の東アジアの情勢を踏まえた上で、その意義を理解し、明治政府の諸政策への知識を深める。
15週 明治維新2 大政奉還を当時の東アジアの情勢を踏まえた上で、その意義を理解し、明治政府の諸政策への知識を深める。
16週 前期期末試験 江戸時代から明治政府樹立までの歴史的な基礎知識の定着度合いを確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3前2,前3,前4
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3前4,前9
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3前12,前13,前14,前15,前16
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前7
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3前3,前4,前9
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3前3,前4,前9
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3前3,前4,前9
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3前3,前4,前9

評価割合

試験レポートポートフォリオ合計
総合評価割合70255100
基礎的能力70255100
専門的能力0000
分野横断的能力0000