異文化理解

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 異文化理解
科目番号 0065 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 適宜、プリントを配布
担当教員 渡邉 美希,舩戸 美智子

到達目標

①日本の文学作品に触れ、その中に表れた日本語の表現から日本人の考え方や日本文化を理解する。
② 日本で生活する上で興味を持った日本文化について、自ら調査し、議論することで日本社会に対する理解を深める。
③日本だけではなく、他の留学生の母国の文化や慣習についても理解を深めることで、他者理解の重要性に気付く。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本の文学に表れた日本人の考え方や表現をよく理解することができる。日本の文学に表れた日本人の考え方や表現を理解することができる。日本の文学に表れた日本人の考え方や表現をあまり理解することができない。
評価項目2日本文化を理解しながらその特徴をまとめることができる。日本文化の特徴をおよそまとめることができる。日本文化の特徴を理解できず、その特徴をまとめることができない。
評価項目3母国以外の国や地域の文化・慣習に興味を持つとともに、異文化に対し理解を深めることができる。母国以外の国や地域の文化・慣習に興味を持つことができる。母国以外の国や地域の文化・慣習に興味を持つことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・日本の文学を読み解くことを通じて、日本人の考え方を理解する。
・日本の文学を読み解くことで、日本社会の問題を自国の問題と照らし合わせながら理解することができる。
・日本の文化や他者の文化を知ることにより、他者理解を深める。
・異質なものを簡単に排除したり、拒絶するのではなく、理解し、尊重しようとする国際人として必要な資質を身につける。
授業の進め方・方法:
・プリントを用い、日本語表現を確認しながら、内容理解を深めていく。また受講者には、日本の文化や社会の慣行等に関して、受講者が調査し、発表することを求める。また、母国の文化や慣習について日本語で文章を作成し、それを発表しあう。
注意点:
・日本語で話したり、文章を書いたりするときは、自分でできる範囲の力を発揮できるように努めること。完璧な表現を求めなくてもよい。しかし、教員により訂正されたところは、もう一度自分で確認し、書き直したり、読んでみることが大事である。
・各自で小説などを読み進める時間がある。辞書などを活用して良いので、分からないところは調べたり、積極的に質問して欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 日本語で正しく自己紹介をすることができる。
文学作品を通して現在の日本の状況を理解するという授業の目標を理解できる。
2週 川上弘美『神様』ガイダンス 『神様』を読むにあたり、川上弘美の作家としての活動を把握する。
3週 川上弘美『神様』① 『神様』を読む上で、東日本大震災に関わる新聞記事を読み、内容を理解することができる。
4週 川上弘美『神様』② 『神様』を読む上で、福島第一原発事故に関わる新聞記事を読み、内容を理解することができる。
5週 川上弘美『神様』③ 『神様』前半を正しく読み、内容を理解することができる。
6週 川上弘美『神様』④ 『神様』後半を正しく読み、内容を理解することができる。
7週 川上弘美『神様』⑤ 『神様2011』前半を正しく読み、内容を理解することができる。『神様』との相違点に気づくことができる。
8週 川上弘美『神様2011』① 『神様2011』後半を正しく読み、内容を理解することができる。『神様』との相違点に気づくことができる。
2ndQ
9週 ディスカッション① 『神様』から『神様2011』で改稿された点を各自でまとめた上で話し合い、相互の理解を深めることができる。
10週 レポートの作成、提出 川上弘美『神様』から『神様2011』への改稿を、東日本大震災、福島第一原発事故を踏まえて読解し、日本語のレポートとしてまとめることができる。
11週 レポートの返却、解説 返却されたレポートを読み、解説を聞くことで自らの達成度を確認する。
作品や日本社会の諸問題について考えて意見を述べることができる。
12週 本の推薦文を書く① ガイダンス。
選書の方法について理解できる。
13週 本の推薦文を書く② 選んだ本のあらすじを日本語で簡潔に書くことができる。
14週 本の推薦文を書く③ 選んだ本のどこが好きなのかを日本語で簡潔に説明できる。
15週 発表① それぞれが選んだ本について、発表することができる。
また、相手の発表を評価することができる。
16週 まとめ 半期で学んだ内容をまとめ、文学を通して日本社会の諸問題に対する理解の深まりを確認する。
後期
3rdQ
1週 イントロダクション 授業の進め方、評価方法等について理解する。
「文化」とはどのようなものかを理解することができる。
2週 自文化紹介 ① 自らが生まれ育った社会の文化を日本語で他者に説明した上で、他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
3週 自文化紹介 ② 自らが生まれ育った社会の文化を日本語で他者に説明した上で、他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
4週 自文化紹介 ③ 自らが生まれ育った社会の文化を日本語で他者に説明した上で、他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
5週 自文化紹介 ④ 自らが生まれ育った社会の文化を日本語で他者に説明した上で、他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
6週 日本文化紹介・解説 ① 日本社会や文化について講師からの説明を受け、適切に理解し質問等をすることができる。
7週 日本文化紹介・解説 ② 日本社会や文化について講師からの説明を受け、適切に理解し質問等をすることができる。
8週 自文化と異文化 まとめ これまでの授業で紹介された文化を理解し、その相違点を日本語でまとめることができる。
4thQ
9週 体験した日本文化 発表 これまで体験した日本文化についてまとめ、日本語で発表することができる。
10週 日本文化を究める ① 興味のある「日本文化」を選んで調査し、発表することができる。他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
11週 日本文化を究める ② 興味のある「日本文化」を選んで調査し、発表することができる。他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
12週 日本文化を究める ③ 興味のある「日本文化」を選んで調査し、発表することができる。他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
13週 日本文化を究める ④ 興味のある「日本文化」を選んで調査し、発表することができる。他の受講者からの質問に適切に対応することができる。
14週 日本文化に表れた日本人の考え方 日本文化の調査を通して、日本人の生き方・考え方を理解することができる。
15週 異文化理解についてのディスカッション 自文化・異文化を受け入れ、共生していくには何が必要かを議論し、まとめることができる。
16週 レポート返却 レポートの指摘を振り返り、正しい日本語の使い方を理解することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合05000500100
基礎的能力05000500100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000