情報数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 情報数学Ⅱ
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 小倉久和「はじめての離散数学」近代科学社
担当教員 小嶋 徹也

到達目標

1. データを木やグラフなどの形式を用いて表現する方法を理解する。
2. 数の体系について理解し,さまざまな基数の下で簡単な四則演算を実行できる。
3. 剰余演算とこれがなす有限体などの代数系について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1グラフや木を用いたデータ表現の方法を理解し,これらの応用分野について説明できる。グラフや木を用いたデータ表現の方法を理解し,図を用いてデータの流れをトレースできる。グラフや木を用いたデータ表現の方法を理解しておらず,図を用いて説明することができない。
評価項目2数の体系について理解し,さまざまな基数の下での演算や基数間の変換を実行できる。数の体系について理解し,簡単な四則演算を実行できる。数の体系を理解しておらず,簡単な四則演算を行なうことができない。
評価項目3剰余演算とこれがなす代数系について理解し,与えられた有限体の上で各種の演算を実行できる。剰余演算とこれがなす代数系について理解し,与えられた有限体上の加算表や乗算表を作成できる。剰余演算とこれがなす代数系について理解しておらず,有限体上での演算を実行できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報数学Ⅰなどで学習したmod演算や集合や写像などに関する内容を拡張し,数の体系や整数がなす代数系の性質などについて理解し,応用として計算機上で乱数を生成する仕組みについて理解することを主たる目的とする。さらに,データを木やグラフを用いて表現する方法やその応用についても理解し,説明できるようになる。
授業の進め方・方法:
事前に公開された動画などを用いた予習を行ない,授業ではグループによる演習を行なう反転授業として実施する。授業では,理解度を確認する程度の演習問題を提出させる。提出された課題は教員が採点し,原則として次回の授業で返却して解説する。定期試験では原則として毎回の課題に類似した内容の問題を出題し,最終的な定着度を確認する。
注意点:
集合,写像の概念などについて復習しておくこと。また,毎回授業の最後に演習問題を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 離散グラフ グラフの定義と種類を理解し,違いを説明できる。
2週 離散グラフの特徴 離散グラフにおける次数や距離,直径など,さまざまな特徴について説明できる。
3週 オイラーグラフとその応用 オイラーグラフやハミルトン閉路を理解する。
4週 木の定義とその種類を理解し,違いを説明できる。
5週 整数の除法と最大公約数 負の数を含む整数の除算やmod演算が実行でき、ユークリッドの互除法を用いて最大公約数および最小公倍数を求めることができる。
6週 素因数分解と原始根 整数の素因数分解ができ,原始根やオイラーの関数の値を求めることができる。
7週 代数系と群 代数系と群の定義を理解し,加算表や乗算表を作成して,その代数系が群であるかどうかを判定できる。
8週 部分群と同型写像 与えられた部分集合が部分群かどうかを判定できる。また,群上の写像の像と核を求めることができる。
4thQ
9週 巡回群 群上のべき乗算を行うことができ,群の各元の位数を求めることができる。
10週 環と体 環と体の違いを理解し,素体上の演算が実行できる。
11週 有限体上の多項式 有限体上で多項式の加減乗除算ができ,最大公約多項式や最小公倍多項式を求めることができる。
12週 既約多項式 有限体上の多項式が既約か可約かを判定できる。
13週 多項式環 多項式がなす環および有限体について理解し,これらの上で加算表や乗算表を作成することができる。
14週 有限体の応用〜M系列〜 LFSRを設計して,M系列を生成できる。
15週 まとめ 科目全体を振り返り,各単元について十分に理解した上で,計算等に反映できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3後1,後2,後3,後4,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。3後5,後8,後15
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4後5,後6,後14,後15

評価割合

試験ポートフォリオ演習問題合計
総合評価割合751015100
基礎的能力50101070
専門的能力250530
分野横断的能力0000