計算機工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 計算機工学
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:堀 桂太郎著,図解 コンピュータアーキテクチャ入門(第3版),森北出版
その他配布資料
担当教員 山下 晃弘

到達目標

コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。
プロセッサを実現するために考案された基本的な技術を説明できる。
メモリシステムを実現するために考案された基本的な技術を説明できる。
入出力を実現するために考案された基本的な技術を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 コンピュータを構成する基本的な要素を説明でき,データの流れや制御を効率的に行う基本的な方法についても理解している。コンピュータを構成する基本的な要素を理解し,それぞれの要素間の関係に基づいて説明できる。コンピュータを構成する基本的な要素の概要を説明できる。コンピュータを構成する基本的な要素について理解できていない。
プロセッサを実現するために考案された基本的な技術を説明できる。 プロセッサを実現する技基本的な術や設計方法について理解し実践的に活用できる。プロセッサを実現する基本的な技術を理解し,自分の言葉で説明できる。プロセッサを実現する基本的な技術の一部について概要を説明できる。プロセッサを実現する基本的な技術について理解できていない。
メモリシステムを実現するために考案された基本的な技術を説明できる。 メモリシステムを実現する基本的な技術や設計方法について理解している。メモリシステムを実現する基本的な技術を理解し,目的に合った技術を選択できる。メモリシステムを実現する基本的な技術の概要を説明できる。メモリシステムを実現する基本的な技術について理解できていない。
入出力を実現するために考案された基本的な技術を説明できる。入出力を実現する基本的な技術や設計方法について理解し,自らの開発や設計に役立てられる。入出力を実現する基本的な技術を理解し,目的によって異なる技術が利用されていることを説明できる。入出力を実現する基本的な技術の概要を説明できる。入出力を実現する基本的な技術について理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに学んだ二進数計算や論理回路設計法を使用し,コンピュータを構成する要素の基本原理を理解する.
この科目は10年以上企業で通信・分散プロセッシングを担当していた教員が,その経験を活かしコンピュータの構造に関わる基本技術などについて講義形式を中心に授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,途中で実習・演習などを行う。実習・演習は,実験室・電算室を使う場合もある。
進行の状況により前後したり時間数を変更する場合がある。
注意点:
2進数計算や論理回路の設計方法についての理解がベースとなるので,まだ理解があまりできていないと思う場合はしっかりと復習しておくこと。
授業で配布する課題類は、特に指示しない限り次回の授業開始時に提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 コンピュータの発展 コンピュータアーキテクチャとは何かを理解し,これまでコンピュータが発展してきた大まかな歴史を説明できる。
2週 ノイマン型コンピュータ ノイマン型コンピュータの構成を理解し,計算のサイクルやデータの流れを説明できる。
3週 命令セットアーキテクチャ CPUが持つ命令の基本形式や,オペランドの使い方による命令の分類について学ぶ.また,各種アドレッシング方式についてもその特徴を説明できる。
4週 ハーバードアーキテクチャ ハーバードアーキテクチャの特徴を理解し,ノイマン型アーキテクチャとの構成の違いを説明できる。
5週 演算アーキテクチャ データの表現方法や2進数演算を復習し,固定小数点や浮動小数点表示の基本を説明出来る。また,乗算や除算のアルゴリズムを理解できる。
6週 MIPS演習(1) MIPSエミュレータを利用したアセンブリ言語による演習を通して,各種命令がコンピュータ上で実行される過程を再現できる。
7週 MIPS演習(2) MIPSエミュレータを利用したアセンブリ言語による演習を通して,各種命令がコンピュータ上で実行される過程を再現できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 制御アーキテクチャ ワイヤードロジック制御方式とマイクロプログラム制御方式の原理や特徴について説明出来る。
10週 メモリアーキテクチャ 各種メモリの分類,SRAM,DRAMの違いや動作原理を説明出来る。また,代表的な補助記憶装置として,ハードディスクやフラッシュメモリの動作原理の基本を説明出来る。
11週 キャッシュメモリと仮想メモリ メモリの高速化を目指すキャッシュメモリと,メモリの仮想的な大容量化を目指す仮想メモリの基本概念と仕組みを説明出来る。
12週 割込みアーキテクチャ 割込みの仕組みや分類について学び,割込み処理が実行される場合の制御の流れを説明出来る。
13週 パイプラインアーキテクチャ 高速化の手法であるパイプラインの基本的な仕組みと役割について説明できる。また,ぱイプライン処理におけるハザードについて説明出来る。
14週 入出力アーキテクチャ コンピュータの入出力と周辺装置の種類や動作原理の基本について説明できる。
15週 システムアーキテクチャ OSの基本的な役割や仕組みを理解し,開発者やユーザが受ける利点を説明出来る。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4後5
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4後5
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4後5
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4後5
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後12,後13
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後5,後10,後11
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後14
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4後1

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000