ディジタル信号処理

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 ディジタル信号処理
科目番号 0088 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 貴家仁志 「ディジタル信号処理のエッセンス」(オーム社)
担当教員 石原 学

到達目標

【目的】
本講義では、デジタル信号処理に関して、信号のサンプリングと量子化、線形時不変システム、伝達関数、周波数特性、フーリエ解析、DFT、デジタルフィルタ等の基礎修得を目的とする。
【到達目標】
1.アナログ信号のコンピュータ入力の基礎を理解する。
2.フーリエ変換による周波数分析の基礎を理解する。
3.ディジタルフィルタの基礎を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)合格最低レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1アナログ信号からディジタル信号を生成する手順・仕組みや生成された信号の雑音除去法を説明できる。アナログ信号からディジタル信号を生成する手順・仕組みを説明できる。アナログ信号からディジタル信号を生成する手順を説明できる。アナログ信号からディジタル信号を生成する手順を説明できない。
評価項目2フーリエ変換による周波数分析手法として、DFTやFFTの原理を説明でき、基礎的計算に応用できる。フーリエ変換による周波数分析手法として、DFTやFFTの原理を説明できる。フーリエ変換による周波数分析の基本的な考え方を説明できる。フーリエ変換による周波数分析の基本的な考え方を説明できない。
評価項目3ディジタルフィルタの原理を説明でき、基礎的なZ変換、FIRフィルタならびにIIRフィルタに関する計算に応用できる。ディジタルフィルタの原理を説明でき、基礎的なZ変換、FIRフィルタならびにIIRフィルタを説明することできる。ディジタルフィルタの原理を説明できる。ディジタルフィルタの原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータを中心とするディジタル技術の進歩に伴い、広範囲な分野でディジタル信号処理が行われるようになった。現在では、マイコン等のコンピュータの発展により、処理のソフトウエア化は益々進み、専門技術者に頼らなくても、自分でディジタル信号処理を行うことも可能になっている。一方、出力結果の解釈や処理方法の選択では、やはりディジタル信号処理の基礎知識は欠かせない。そこで、本講義では、コース選択科目として、初めてディジタル信号舎利を学ぼうとする人、及びこの分野の基礎知識なしに信号処理を行っている人を想定し、ディジタル信号処理の入門に関する解説を行う。
授業の進め方・方法:
※この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、予習・復習を行うこと。

1.アナログ信号のコンピュータ入力
  AD変換の概要、標本化、量子化、コンピュータ内部のデジタル量の表現について理解する。

2.雑音の除去と信号検出
  加算平均による信号検出、移動平均による雑音除去、周期性と自己相関関数について理解する。

3.フーリエ変換による周波数分析
  アナログ信号とフーリエ級数、アナログ非周期信号とフーリエ変換、ディジタル信号と離散フーリエ変換について理解する。

4.ディジタルフィルタの原理
  線形システムの基礎、Z変換、ディジタルフィルタの原理を理解する。

注意点:
3年生までの微分積分学の基礎を修得していることが望ましい。
※本授業は学修単位科目であるため、授業時間と同じ時間数の自主学習として、授業の予習と復習が必須となる。授業の資料はTeamsにて配布されるので、授業後に再読して理解を深めることが課題となる。
※授業毎に出題される課題に取り組む。課題に取り組むため、授業時間に相当する授業の予習・復習(自主学習)が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル信号処理の意義、アナログ信号からディジタル信号を生成する方法について説明する。 ディジタル信号処理の意義、標本化、量子化、コンピュータ内部のディジタル量の表現法について説明できる。
2週 ディジタル信号について説明する。 ディジタル信号のサンプリングについて説明できる。
3週 線形時不変システムについて説明する。 信号処理システム、線形時不変システムについて説明できる。
4週 Z変換と伝達関数について説明する。 Z変換とシステムの伝達関数について説明できる。Z変換、システムの伝達特性について説明できる。
5週 システムの周波数特性について説明する(1)。 周波数特性等の導入などについて説明できる。
6週 システムの周波数特性について説明する(2)。 周波数特性の表記法やN点移動平均について説明できる。
7週 再帰型システムについて説明する。 フィードバックのあるシステムについて説明することができる。
8週 これまでの授業の理解度を振り返る。 これまでの授業の振り返りを行い、復習等により理解を補うことができる。
2ndQ
9週 離散時間信号のフーリエ解析について説明する(1)。 フーリエ解析について説明できる。
10週 離散時間信号のフーリエ解析について説明する(2)。 離散時間フーリエ(級数・変換)を説明できる。
11週 サンプリング定理とDFTについて説明する(1)。 フーリエ級数と変換が理解できる。
12週 サンプリング定理とDFTについて説明する(2)。 サンプリング定理・DFTによるフーリエ解析について説明できる。
13週 FFTとその応用について説明する(1)。 高速フーリエ変換について説明できる。
14週 FFTとその応用について説明する(2)。 窓関数とFFTについて説明できる。
15週 ディジタルフィルタについて説明する。 ディジタルフィルタの基本的なモデルであるFIRフィルタやIIRフィルタについて説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度課題等その他合計
総合評価割合50000500100
基礎的能力0000000
専門的能力50000500100
分野横断的能力0000000