計算機工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計算機工学
科目番号 0094 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:坂井修一「コンピュータアーキテクチャ」コロナ社
担当教員 山下 晃弘

到達目標

コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 コンピュータを構成する基本的な要素を説明でき,データの流れや制御を効率的に行う方法についても理解している.コンピュータを構成する基本的な要素を理解し,それぞれの要素間の関係に基づいて説明できるコンピュータを構成する基本的な要素の概要を説明できるコンピュータを構成する基本的な要素について理解できていない.
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 プロセッサを実現する技術や設計方法について理解し実践的に活用できる.プロセッサを実現する主張な技術を理解し,自分の言葉で説明できる.プロセッサを実現する主張な技術の一部について概要を説明できる.プロセッサを実現する技術について理解できていない.
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 メモリシステムを実現する技術や設計方法について理解している.メモリシステムを実現する技術を理解し,目的に合った技術を選択できる.メモリシステムを実現する主張な技術の概要を説明できる.メモリシステムを実現する技術について理解できていない.
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。入出力を実現する技術や設計方法について理解し,自らの開発や設計に役立てられる.入出力を実現する複数の技術を理解し,目的によって異なる技術が利用されていることを説明できる.入出力を実現する主張な技術の概要を説明できる.入出力を実現する技術について理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに学んだ二進数計算や論理回路設計法を使用し,コンピュータを構成する要素の基本原理を理解する.
この科目は,企業でITシステムの開発等を担当していた教員が,その経験を活かし,コンピュータの内部構造や基本原理について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,途中で演習などを行う.
注意点:
2進数計算や論理回路の設計方法についての理解がベースとなるので,まだ理解があまりできていないと思う場合はしっかりと復習しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス、ディジタルな表現、加算器 二進数表現を理解し,負の数や実数をビット列で表現できる.
組み合わせ論理回路を用いた加算器の仕組みが説明できる.
2週 ALUとレジスタ、計算のサイクル ALUとレジスタの基本的な構造について説明できる.
レジスタとALUを結合し,計算処理のサイクルについて説明できる.
3週 主記憶装置 主記憶装置(メモリ)の構造と分類、レジスタファイルについて説明できる.
4週 命令とシーケンサ 命令が実行される仕組みとサイクルについて説明できる.
シーケンサの基本的な構造と役割について説明できる.
5週 命令セットアーキテクチャ1 命令の表現とアセンブリ言語 命令セットがソフトウェアとハードウェアの接点になっていることを説明できる.命令がアセンブリで表現できることを説明できる。
6週 命令セットアーキテクチャ2 アドレッシングとサブルーチン アドレッシングの仕組みと,サブルーチンが実現される仕組みについて説明できる.
7週 MIPSシミュレータを用いた演習1 MIPSシミュレータを用いて命令が実行される仕組みを理解する
8週 中間試験
4thQ
9週 MIPSシミュレータを用いた演習2 MIPSシミュレータを用いて命令が実行される仕組みを理解する
10週 パイプライン処理1 CPU内の処理を複数の工程に分けて効率化するパイプライン処理の基本的な考え方について説明できる.
11週 パイプライン処理2
パイプラインを阻害するいくつかの要因について説明できる.
パイプラインハザードとその経穴策について説明できる.
12週 キャッシュと仮想記憶1 キャッシュの基本的な仕組みと役割について説明できる.
13週 キャッシュと仮想記憶2 仮想記憶の基本的な仕組みと役割について説明できる.
14週 入出力と周辺装置 コンピュータの入出力と周辺装置の種類や動作原理の基本について説明できる.
15週 授業の復習 講義全体を復習し,コンピュータが動作する原理全体を理解する.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4後1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4後1
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4後1
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4後1
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4後1,後2,後3,後4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後5,後10,後13,後14
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後15
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4後9

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000