化学Ⅴ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学Ⅴ
科目番号 0106 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (東京書籍)改訂化学・改訂ニューステップアップ化学・図説化学
担当教員 中川 修,小野 勇

到達目標

物質は大きく分けると、無機化合物と有機化合物に分類される。まず、有機化合物がどのような化合物であるかを説明できるようになること。次いで、官能基に着目して有機化合物をさらにいくつかのグループに分類できるようになり、それぞれの性質や反応性を説明できるようになること。高校の教科書に記載された有機化合物の基本的な知識の定着が目標となる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
有機化合物の特徴と構造有機化合物の特徴と分類のしかたを説明でき、化学式を決定することができる。有機化合物の特徴と分類のしかたを説明できる。有機化合物の特徴と分類のしかたがわかる。有機化合物の特徴と分類のしかたがわからない。
炭化水素炭化水素の構造式を記述することができ、性質および基本的な反応について高度な説明ができる。炭化水素の構造式が記述でき、性質について標準的な説明ができる。炭化水素の構造やそれらの簡単な性質について説明ができる。炭化水素の構造やそれらの簡単な性質について説明できない。
酸素を含む有機化合物アルコール、エーテルなど酸素を含む有機化合物の構造式を記述でき、性質および基本的な反応について高度な説明ができる。アルコール、エーテルなど酸素を含む有機化合物の構造式が記述でき、性質について標準的な説明ができるアルコール、エーテルなど酸素を含む有機化合物の分類やそれらの簡単な性質について説明できる。アルコール、エーテルなど酸素を含む有機化合物の分類やそれらの簡単な性質について説明できない。
芳香族化合物芳香族化合物の構造式を記述することができ、性質および基本的な反応について高度な説明ができる。芳香族化合物の構造式が記述でき、性質について標準的な説明ができる芳香族化合物の分類やそれらの簡単な性質について説明できる。芳香族化合物の分類やそれらの簡単な性質について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年生までに学習した化学Ⅰ~化学Ⅳ、ものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。有機化合物の特徴と構造について学習した後、基本的な化合物の反応性と性質を学ぶ。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書を使用して、単元ごとに理解すべき要点を説明していく。具体的には、第5編「有機化合物」を学習する。毎回教科書1節分(5~10ページ程度)の目安で進めていく。問題集も購入済みであるので、予習・復習に役立てること。各学科の授業で扱う基礎的な内容は同じであり、下記の授業計画に示している。さらに発展的な内容を学科の専門性に応じて付け加えることもある。
注意点:
本科目の成績は定期試験のみならず、予習・復習等の自学自習の実施状況も考慮して判断される。したがって自学自習の習慣も身につけることが重要である。
化学Ⅰ~化学Ⅳ の内容を適宜復習すること。講義用ノートを準備し、授業に集中すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1章 有機化合物の特徴と構造
1.有機化合物の構造
有機化合物の多様性を説明できる。炭化水素の分類ができる。官能基を分類できる。
2週 1章 有機化合物の特徴と構造
1.有機化合物の構造 2.有機化合物の構造式の決定
有機化合物を構造式で示し、異性体の説明ができる。有機化合物の構造式が決定できる。
3週 2章 炭化水素
1.飽和炭化水素
アルカン・シクロアルカンの構造や基本的な反応について説明できる。
4週 2章 炭化水素
2.不飽和炭化水素
アルケン・アルキンの構造や基本的な反応について説明ができる。シスートランス異性体を説明できる。
5週 3章 酸素を含む有機化合物
1.アルコールとエーテル
アルコールを構造に着目して分類でき、性質や基本的な反応について説明できる。アルコールとエーテルの違いを説明できる。
6週 3章 酸素を含む有機化合物
2.アルデヒドとケトン
カルボニル化合物の構造を理解し、アルデヒドとケトンの構造および性質の違い、基本的な反応について説明できる。
7週 3章 酸素を含む有機化合物
3.カルボン酸とエステル
カルボン酸の誘導体を構造に着目して分類でき、性質や反応について説明できる。鏡像異性体について説明できる。
8週 中間試験 前半の学習内容を確認する。
2ndQ
9週 3章 酸素を含む有機化合物
3.カルボン酸とエステル 4、油脂とセッケン
エステル化反応や油脂のケン化について説明ができる。また、界面活性剤のはたらきを説明できる。
10週 4章 芳香像化合物
1.芳香族炭化水素
芳香族炭化水素の構造異性体について説明できる。また、ハロゲン化やスルホン化などの基本的な置換反応の種類を挙げることができる。
11週 4章 芳香像化合物
2.酸素を含む芳香族化合物
フェノール類の性質をアルコールと比較して説明できる。芳香族カルボン酸を挙げ、性質・用途などを説明できる。
12週 4章 芳香像化合物
3.窒素を含む芳香族化合物
芳香族アミンを挙げ、性質・用途などを説明できる。
13週 4章 芳香像化合物
4.芳香族化合物の分離
エーテルを用いた芳香族化合物の分離方法を原理とともに説明することができる。
14週 5章 有機化合物と人間生活 身の回りにある有機化合物を挙げ、構造や性質に加え、利用方法を説明できる。
15週 まとめ 化学Ⅴの学習内容をふりかえり、定着度を確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前14
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前9,前14
物質が原子からできていることを説明できる。3前1
共有結合について説明できる。3前1,前2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100