環境・エネルギー工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境・エネルギー工学
科目番号 0111 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎からわかる環境化学 森北出版
担当教員 庄司 良

到達目標

公害防止技術や有害・汚染物質の無害化、生物へのリスクなど、製造業の技術者として働くときに直面する諸問題や解決方法を取り上げる。人間活動による環境への負荷を減らすための工学的な技術開発が進められている。本講義では、水質汚濁の現状や防止策について概観する。関係法令についても理解を深め、将来、技術者としてのみならず管理者としても活躍するための知識の取得をめざす。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
公害問題対策の理解原因の理解公害問題を認識公害問題を認識できない
水環境水処理プロセスの理解水質汚濁の現状の理解水環境問題の認識水環境問題の認識ができない
汚染物質の測定方法未知物質の手探りができる測定方法を理解する化学分析の一つについて説明できる化学分析が理解できない
水処理技術の理解汚染物質に応じた処理方法の選択ができるどれか一つの水処理技術の原理を説明できる水処理技術を一つ例示できる.水処理技術が一つもわからない
大規模水質スケールアップができる小規模と大規模の違いが分かる実験室レベルの水処理を理解できるガイダンス,序論小規模プラントすらわからない
再生可能エネルギー再生可能エネルギーの特徴が理解できる再生可能エネルギーの種類がわかる再生可能エネルギーの一つを例示できる再生可能エネルギーが一つも例示できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 エネルギーについても、化石エネルギーのほか、自然エネルギーや環境に優しいエネルギー等について工学的に学習する。環境保全に関する基本的な知見を得る機会と位置づけている。事前・事後学習としてレポート等を実施します.
授業の進め方・方法:
授業中に扱った内容にかかわるレポートおよび定期試験で評価する。環境保全に対する配慮なしでは、現代の科学の進展はあり得ないことを意識してほしい。
環境・公害関連のニュースを取り上げ、レポートを提出させる。そのため,日頃から環境問題に対して関心を高め、学修単位科目なので授業の前後で予習復習を行うようにし、日常的にレポートの題材を収集するようにしてほしい。
注意点:
授業中に扱った内容にかかわるレポートおよび定期試験で評価する。比較的大人数での受講になるため,授業の進行の妨げになるような行動は態度点として勘案し、遅刻・早退もこれに準ずるものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,序論 環境・エネルギー問題とは何か?
2週 環境と化学の関わり 化学の視点から環境・エネルギー問題を考える
3週 環境汚染物質 種類と特徴を理解する
4週 環境汚染物質 生態影響を理解する
5週 環境汚染物質 リスク評価を理解する
6週 公害問題 原因と歴史を理解する
7週 公害問題 対策を理解する
8週 水環境問題 水資源の脆弱性を理解する
4thQ
9週 水環境問題 水処理技術を概観する.特に小規模と大規模プラントの違い理解する
10週 水環境問題 物理化学的処理と生物学的処理の違いを認識する
11週 化学分析法 汚染の度合いを評価する方法を理解する
12週 生物分析法 バイオアッセイの種類と特徴を理解する
13週 化石エネルギーと再生可能エネルギー 持続可能性の観点を考察する
14週 再生可能エネルギーの種類 種類や特徴を理解する
15週 廃棄物工学 廃棄物処理、リサイクルを理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前10
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3
生態ピラミッドについて説明できる。3
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3
有害物質の生物濃縮について説明できる。3
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。3
物質の流れと物質収支についての計算ができる。3
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。3

評価割合

試験態度レポート合計
総合評価割合202060100
基礎的能力10202050
専門的能力502025
分野横断的能力502025