情報通信工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 情報通信工学Ⅱ
科目番号 0115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通期 週時間数 6
教科書/教材 田村武志「図解情報通信ネットワークの基礎」(前期)、岩波保則「ディジタル通信」(後期)
担当教員 土居 信数,小嶋 徹也

到達目標

【目的】
前期は情報通信ネットワークの基本となる交換方式とそれに関連する理論について学ぶ.
後期は,ディジタル無線通信の変復調や通信の物理層に関する基本事項,多重アクセス方式について学ぶ.
【到達目標】
1.交換機間を接続する通信路に必要な通信速度を計算できる.
2.M/M/1モデルにおける平均待ち時間を計算できる.
3.生起呼量と出回線数の関係から呼損率を計算できる.
4.直列システムと並列システムの信頼度を計算できる.
5.アナログおよびディジタル変調による信号波形がどのようになるか説明できる.
6.ビット誤り率の理論値を計算できる。
7.無線通信システムのしくみと技術課題について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1異なる速度の回線を集線する交換機交換機間を接続する通信路に必要な通信速度を計算できる.同一速度の回線を集線する交換機交換機間を接続する通信路に必要な通信速度を計算できる.同一速度の回線を集線する交換機交換機間を接続する通信路に必要な通信速度を計算できない.
評価項目2文章を読んで待ち行列の関係式から平均待ち時間を計算できる.文章を読んで呼量を計算できる.文章を読んで呼量を計算できない.
評価項目3文章を読んで生起呼量と出回線数の関係から呼損率を計算できる.文章を読んで呼量を計算できる文章を読んで呼量を計算できない.
評価項目4直並列システムの信頼度を計算できる.直列システムまたは並列システムの信頼度を計算できる.列システムまたは並列システムの信頼度を計算できない.
評価項目5アナログおよびディジタル変復調の方式について,プログラムを作成し,波形をグラフ化して説明できる.アナログおよびディジタル変復調の方式について,説明できる.アナログおよびディジタル変復調の方式について,説明できない.
評価項目6ビット誤り率の理論値がどのように求められるか説明することができ,正規分布表などを用いてその値を計算できる.正規分布表などを用いて,ビット誤り率の理論値を計算できる.数式が与えられたとしても,ビット誤り率の理論値を計算することができない.
評価項目7無線通信システムのしくみと技術課題について図などを利用して説明できる。無線通信システムやその技術課題に関する主たるキーワードの意味を説明できる.無線通信システムやその技術課題に関する主たるキーワードの意味を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は情報工学科で学ぶ情報通信工学のうちの1科目であり,交換方式,待ち行列理論,トラヒック理論,信頼性理論,アクセス方式, 信号の変復調方式,無線通信システムのしくみ等について学習する.板書による説明と授業時間内外の演習を主とした授業が主である.理解度を確認するため,複数回に1回小テストを実施する.年間に数回,コンピュータを利用した演習も実施する.
授業の進め方・方法:
授業は,まず教員による教科書と板書を中心にした説明を行ない,その後,理解を深めるために演習を行う.演習は配布資料を使用して課題を指示する.年間に数回,プログラミング課題を実施する.
注意点:
単に問題の解き方を覚えるのではなく,授業で学んだ内容を理解することが大切である.演習は必ず自力で全問解いてみることが大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。4
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。4
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。4
インターネットの概念を説明できる。4
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。4
主要なサーバの構築方法を説明できる。1
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。1
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。4
無線通信の仕組みと規格について説明できる。4
有線通信の仕組みと規格について説明できる。4
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。4
基本的なルーティング技術について説明できる。2
基本的なフィルタリング技術について説明できる。2
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。2
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。2
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。3
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3

評価割合

試験小テスト・課外演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力6015000075
専門的能力205000025
分野横断的能力0000000