情報工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 情報工学実験Ⅲ
科目番号 0118 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 実験指導書配布
担当教員 西村 亮

到達目標

1.ライントレーサ作製に必要な回路の設計,特性測定のための実験計画,特性の測定ができる.
2.回路図,部品表,実装図を作成したうえで回路を実装し,動作を検証することができる.
3.マイコンの各種機能を用いたプログラムを作製することができる.
4.ハードウェアとソフトウェアを組み合わせ,マイコン制御によるライントレーサをグループで連携して作製できる.
5.ライントレーサ作製の過程で行った回路の設計,特性の測定,マイコンプログラミングについて,的確な内容で実験報告書を作成できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1ライントレーサ作製に必要な回路の設計,特性測定のための実験計画,特性の測定ができる.ライントレーサ作製に必要な回路の設計と特性の測定ができる.教員等の助言を受けながら,ライントレーサ作製に必要な回路の設計と特性の測定ができる.教員等の助言を受けても,ライントレーサ作製に必要な回路の設計や特性の測定ができない.
評価項目2回路図,部品表,実装図を作成したうえで回路を実装し,動作を検証することができる.回路図,部品表,実装図を作成したうえで回路を実装できる.また,回路の実装が十分にできなくても,動作の検証をすることができる.教員等の助言を受けながら,回路図,部品表,実装図を作成したうえで回路を実装できる.また,回路の実装が十分にできなくても,動作の検証をすることができる.教員等の助言を受けても,回路図,部品表,実装図の作成,回路の実装,動作の検証ができない.
評価項目3マイコンのI/Oポート,シリアル通信機能,タイマ機能,A/D変換器を用いたプログラムを作製することができる.マイコンのI/Oポート,シリアル通信機能,タイマ機能,A/D変換器のうち,過半数の機能を用いたプログラムを作製することができる.教員等の助言を受けながら,マイコンのI/Oポート,シリアル通信機能,タイマ機能,A/D変換器のうち,過半数の機能を用いたプログラムを作製することができる.教員等の助言を受けても,マイコンのI/Oポート,シリアル通信機能,タイマ機能,A/D変換器のごく一部の機能を用いたプログラムしか作成できない.
評価項目4ハードウェアとソフトウェアを組み合わせ,マイコン制御によるライントレーサをグループで連携して作製できる.マイコン制御によるライントレーサの作製において,グループ内で一定の役割を果たすことができる.グループメンバ等の助言を受けながら,マイコン制御によるライントレーサの作製において,グループ内で一定の役割を果たすことができる.グループメンバ等の助言を受けても,マイコン制御によるライントレーサの作製において,グループ内で一定の役割を果たすことができない.
評価項目5回路の設計と特性測定,マイコンの各機能を用いたプログラム作製について,実験方法,測定回路,プログラム作製条件,測定結果,作製したプログラムを十分に記述した実験報告書を作成することができる.回路の設計と特性測定,マイコンの各機能を用いたプログラム作製について,実験方法,測定回路,プログラム作製条件,測定結果,作製したプログラムをおおむね記述した実験報告書を作成することができる.回路の設計と特性測定,マイコンの各機能を用いたプログラム作製について,実験方法,測定回路,プログラム作製条件,測定結果,作製したプログラムを最低限度に記述した実験報告書を作成することができる.回路の設計と特性測定,マイコンの各機能を用いたプログラム作製について,実験方法,測定回路,プログラム作製条件,測定結果,作製したプログラムを記述した実験報告書を作成することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 授業時には取り扱うことのできない規模のプロジェクト的な実験に取り組む.これを通じて,関連する各科目の理解をより深めるとともに,トラブルシューティングや問題解決の手法を経験する.また,得られた知識を実践の場に応用する力を養う.
授業の進め方・方法:
 グループ作業により,ライントレーサを完成させる.その過程において,必要となる電子回路の設計,電子回路の特性測定,特性測定のための実験計画,回路の製作,マイコンプログラミング,図面の作成,基板パターン設計,報告書の作成を適宜行う.
注意点:
 多岐にわたる作業を互いに連携して行う.その過程で情報を共有し,全員で必要となる知識を共有しなければならない.電子回路の特性測定やそのための実験計画については全員で行う.また,次回に行う実験に備えた予習と復習が必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ライントレーサの概要
線検出回路設計の準備
本実験で作製するライントレーサの概要をまとめる.
センサ基板を仮作製してシャーシに取り付け,特性測定を行えるようにする.
2週 線検出回路の設計と特性測定 フォトトランジスタの特性を測定するための実験を計画し,実行する.また,測定結果に基づいて,線検出回路を設計する.
3週 電源回路の特性測定 5 V生成回路の負荷特性および入出力特性を測定する.
4週 モータドライバ回路の設計および特性測定 モータドライバ回路を設計し,負荷特性および入出力特性を測定する.
5週 その他の回路の設計
電源基板のパターン設計
各種図面の作成(1)
電源スイッチ,各種LED点灯回路,電源基板のパターンを設計する.また,回路図,実装図,部品表の作成に着手する.
6週 各種図面の作成(2) 回路図,実装図,部品表を完成させる.
7週 マイコン基板の作製
主基板の実装(1)
マイコン基板を作製する.また,主基板において,動作確認に必要となる部分の実装に着手する.
8週 マイコンプログラミングの準備
主基板の実装(2)
マイコン基板の動作を確認し,プログラミングに必要な知識を習得する.また,主基板において,動作確認に必要となる部分の実装を完了する.
2ndQ
9週 マイコンプログラミング(1)
電源基板およびセンサ基板の実装
H8マイコンを用いて,I/Oポートおよびタイマ割り込みを利用するプログラムを作製する.また,電源基板およびセンサ基板を完成させる.
10週 主基板の実装(3) 主基板を完成させ,ライントレーサのハードウェアを完成させる.
11週 マイコンプログラミング(2) H8マイコンを用いてA/D変換器およびタイマによるPWM出力を利用するプログラムを作製する.
12週 ライントレーサプログラミング ライントレーサを制御するプログラムの作製およびハードウェアの調整を行う.
13週 ライントレーサプログラミング
タイムトライアル
ライントレーサを制御するプログラムの作製およびハードウェアの調整を行う.
ライントレーサを完成させ,所定のコースを走行させる.
14週 タイムトライアル ライントレーサを完成させ,所定のコースを走行させる.
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前12
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3前9,前11
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3前9,前11
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3前9,前11
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ実験報告書進捗報告書図面類タイムトライアル合計
総合評価割合0000064121212100
基礎的能力0000064121212100
専門的能力0000000000
分野横断的能力0000000000