応用物理

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0119 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 やさしい基礎物理第2版(森北出版)
担当教員 高橋 幹弥

到達目標

この授業では、これまでに学んだ物理学(特に力学)を微分・積分を用いて統一的に再構築する。これにより、工学をはじめとする専門分野の知識を深める土台となる知識を身につけることを目的とする。この授業では、次のような到達目標を設定する。
1. 微分・積分を用いた物理量や基礎方程式の意味を理解し、表現することができる。
2. 運動方程式から種々の保存則といった重要な帰結を導くことができる。
3. 状況に応じて微分方程式として運動方程式を立式し、解を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1教科書などで取り扱っていない未知の物理量や基礎方程式の意味を理解し、微分・積分を用いて表すことができる。微分・積分を用いた物理量や基礎方程式の意味を理解し、表すことができる。教科書を見ながら、微分・積分を用いた物理量の定義や基礎方程式の意味を理解できる。微分・積分を用いた物理量や基礎方程式の意味を理解できず、表すことができない。
評価項目2運動方程式から種々の保存則といった重要な帰結が導かれる過程を数式的に完全に再現できるとともに、その意味を直感的に説明できる。運動方程式から種々の保存則といった重要な帰結が導かれる過程を理解し、数式的に再現することができる。運動方程式から種々の保存則が導かれる過程を、教科書を見ながら理解することができる。種々の保存則といった重要な帰結を導くことができない。
評価項目3教科書などで取り扱っていない未知の状況でも微分方程式を立式し、解が求まる場合には解くことができる。微分方程式として運動方程式を立式し、解くことができる。教科書・問題集に書いてある運動方程式の意味を理解し、解説を見ながら解くことができる。微分方程式として運動方程式を立式し、解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに学んだ力学を、微分・積分を用いて再構築することで、「暗記科目」的に個々の現象を個別に捉えるのではない統一的な視点で捉える。手法が数学的になるぶん混乱することもあるかもしれないが、物理Iで学んだ内容と対応づけながら、数式や物理量の示す物理的意味を常に意識しながら学習を行なっていく必要がある。最終的にはこの授業で学んだ微分・積分を用いた力学を、工学等をはじめとする専門分野の深化の土台とできるよう、解説・演習を行う。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行う。
なお、この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、予習・復習を行うこと。また、講義内容に関する簡単な課題を課すことがある。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ次の評価を行う。「試験」は期末試験の成績である。なお、中間試験は行わない。「レポート」は講義内容に関する演習や課題等のレポートの成績である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、変位・速度・加速度とベクトル 変位・速度・加速度の関係を微分・積分で表せる。ベクトルの基本的な演算ができる。
2週 運動の法則と運動方程式 運動方程式が微分方程式で表せることを理解できる。加速度がゼロとなる場合の運動方程式を解くことができる。
3週 等加速度運動 加速度がある場合の運動方程式を解くことができる。
4週 抵抗を受ける物体の運動(摩擦力の復習・落体の運動) 抵抗力(摩擦力・空気抵抗)がある場合の運動方程式を解くことができる。
5週 単振動 単振動の運動方程式を解くことができる。
6週 摩擦力がある場合の単振動 減衰振動の運動方程式を解くことができる。
7週 力と仕事・エネルギー・エネルギー保存則 仕事を積分で計算できる。位置エネルギーと保存力の関係を説明できる。
8週 ここまでの復習(運動方程式とその解法、エネルギー保存則) ここまでに学習した内容を理解できる。
2ndQ
9週 質点系の運動方程式・運動量保存則 2体以上の運動方程式を立式することができる。ここから運動量保存則を導くことができる。
10週 剛体の運動 剛体とは何かを説明できる。重心の従う運動方程式を理解できる。
11週 力のモーメント・角運動量保存則 ベクトルの外積を計算することができる。力のモーメントと角運動量の定義を説明できる。
12週 剛体の回転運動(回転の運動方程式) 回転の運動方程式を導くことができる。運動方程式との対応を説明することができる。
13週 慣性モーメント1 様々な形状の剛体の慣性モーメントを計算することができる。
14週 慣性モーメント2 様々な形状の剛体の慣性モーメントを計算することができる。
15週 本科目のまとめ 本科目で学んだ内容を概観できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1,前2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1,前2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前3,前4,前5,前6
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
力のモーメントを求めることができる。3前10
角運動量を求めることができる。3前10
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前10
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前9
重心に関する計算ができる。3前9
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前12
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前11,前13

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合75000250100
基礎的能力75000250100
0000000