エンジニア(工学研究者、技術者)として必要とされる専門家の職業倫理について,(1)過去におけるトラブル事例,参考にすべき事例の特徴を理解すること,(2)学協会の倫理綱領,企業等の行動規範ついて,その基礎的な特徴を理解する.(3)新たな技術が登場した場合に発生する「倫理的配慮」について,その基礎的事項を理解する.また、汎用的四技能(課題設定・習得収集・分析・発表)のうち、本科目では、主体で広い視野から社会的テーマを見つけられるか(課題設定)、必要となる情報を主体的に収集できるか(習得収集)、グループワークを通して、独自性のある分析ができるか(分析)、聞く側を意識して、説得的な資料提示およびプレゼンテーションを行うことができるか(発表)、などを到達目標とする。
概要:
科学技術が社会・経済に大きな影響を果たすようになり,研究活動に対して大きな期待がよせられている.こうした中で,工学研究者には,確かな工学的基礎知識と高い職業的倫理観が求められるようになった.本講義では,職業的倫理観を高めるために,(1)過去の事例の検討(知ること),(2)技術者倫理の原則を検討(理解すること), (3)技術者と企業の関わりを検討(身につけること),という3側面から取り扱う
授業の進め方・方法:
(1)座学形式で工学倫理の概要を学ぶ.(2)受講生がグループを作り,教科書をグループ学習し,授業中に発表する.(3)与えられた課題についてグループディスカッション,あるいはクラス全体でのディスカッションを行う.※この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、グループ発表の準備等、各自予習・復習に取り組むこと。
注意点:
本科目は人文社会系基礎科目の履修を前提とした人文社会系応用科目の1つである.すなわち,これまでに学んできた人社会系科目の科目履修が前提である.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |