到達目標
基本的な画像処理の方法を学ぶとともに、画像を認識・理解するための基本的な手法を理解する。具体的には下記の内容ができるようになることを目標とする。
・ビット演算の概念を理解し,簡単な画像処理・画像認識プログラムを作ることができる.
・与えられた課題に対するプログラムを実装することができる.
・数学に基づく評価式を検討し,実装することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 最低限到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安(不可) |
ビット演算の概念を理解し,簡単な画像処理・画像認識プログラムを作ることができる | 効率的な画像処理・認識方法を自ら検討し実装することができる | 与えられた方法を理解し,画像処理・認識プログラムを実装できる | 与えられた方法をプログラムとして実装することができる。 | 与えられた手法の基本的事項が理解できず、プログラムも完成させることができない。 |
与えられた課題に対するプログラムを実装することができる. | 効率よく課題を実現するための手法を自ら検討し実装できる。 | 与えられた実現方法に基づきプログラムを実装できる。 | プログラムを完成させることができる。 | プログラムを完成させることができない。 |
数学に基づく評価式を検討し,実装することができる | 自ら評価式を検討し,効率的に課題を実現するプログラムを作ることができる | 与えられた評価式を理解し,それに基づきプログラムを実装することができる | 与えられた評価式をプログラムとして実装することができる。 | 評価式の意味を理解することが出来ず、プログラムとして実装することもできない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
人間が日常的に行っている知的活動をコンピュータに完全に代行させることは不可能である。本講義では,パタン認識の課題を取り上げ,直感的手法に基づく自動認識には限界があることを学び,確率・統計に基づく認識手法の学習を通して,知識情報分野における数学の役割を理解する.
授業の進め方・方法:
最終的な課題の内容および一般的な実現方法を解説した上で,それを実現するための小課題を提示する.小課題に関しては必要に応じて実現のためのヒントを与えるが,基本的には各自が考えてプログラムを作成する.
また課題全体が完成した時点で,作成したプログラムの性能評価実験を行い,実装したアルゴリズムの問題点について考察を行う.
注意点:
課題等の提出物は設定された締切までに提出すること。予習や自学自習を取り入れ取り組むこと。
C言語のプログラムは一通り書けることを前提に授業を進めるので,プログラミング言語については十分に復習しておくこと.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
画像処理・認識の概要 画像を処理すること、内容を理解するために認識しょりすることの基本的な考え方を学ぶ。 |
本授業の目標および概要を理解できる。
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2週 |
ビット演算と画像処理 演習によりビット演算を用いた画像の取扱について学ぶ |
ビット演算の概念を理解できる。
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3週 |
画像処理プログラムの作成 簡単な画像を対象として、プログラムによる画像の取扱を学ぶ |
プログラムで画像を扱うことができる。
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4週 |
特徴量抽出 画像理解の第一歩として、具体的な特徴抽出プログラムの実装を行う。 |
ビット演算を用いて簡単な画像処理プログラムが作成できる。
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5週 |
認識処理 対象物を認識するための基本的手法を理解するため、実際に認識処理プログラムを作成し、実験を行う。 |
簡単な画像認識プログラムが作成できる。
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6週 |
課題整理と基礎理論の学習 ここまでの結果を踏まえて問題点を整理し、それを解決するための数学的基礎理論を学ぶ。 |
画像認識に必要な基礎的数学を理解できる。
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7週 |
課題整理と基礎理論の学習 (前回からの継続) |
画像認識に必要な数学的理論を理解できる。
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8週 |
数値計算アルゴリズム 学習した理論をプログラムにするために必要な数値計算アルゴリズムを学ぶ |
画像認識手法をプログラムとして実装するための手法を理解することができる。
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4thQ |
9週 |
認識プログラムの実装(1) 学んだ理論を用いてプログラムを実装する。今回は、平均値及び共分散行列の作成を行う。 |
数学に基づく画像認識方式をプログラムとして実装することができる。
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10週 |
認識プログラムの実装(2) 学んだ理論を用いてプログラムを実装する。今回は、ヤコビ法の実装を行う。 |
数学に基づく画像認識方式をプログラムとして実装することができる。
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11週 |
認識プログラムの実装(3) 前回に引き続き、プログラムの実装を行い、認識に必要なデータを算出する。 |
数学に基づく画像認識方式をプログラムとして実装することができる。
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12週 |
認識プログラムの実装(4) マハラノビス距離による識別プログラムの実装を行う。 |
数学に基づく評価式をプログラムとして実装することができる。
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13週 |
認識実験 前回までに作成したプログラムを使って認識実験を行い、結果の集計及び考察を行う。 |
実装したプログラムを実験により評価することができる。
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14週 |
成果報告書の作成 前回の実験結果を受けて、ここまで行った作業を成果報告書にまとめる。 |
本科目の目標に対する総括ができる。
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15週 |
まとめ 成果報告書の内容を受けて、本授業の総括を行う。 |
本科目の目標に対する総括ができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 4 | |
その他の学習内容 | メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。 | 4 | |
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。 | 4 | |
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 10 | 30 |
専門的能力 | 40 | 30 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |