モノから見る世界史(教養ゼミⅠ)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 モノから見る世界史(教養ゼミⅠ)
科目番号 0147 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 適宜、プリントを配布
担当教員 鈴木 慎也

到達目標

①歴史学とは様々な歴史資料をもとに、科学的・論理的にそれらを組み立てることで、歴史的事実に迫り、その過程や歴史的意義を考える学問であるということを実感させる。
②ある特定のモノが、当時の社会に与えた影響を理解することで、新技術が社会に及ぼす影響について自分なりに考察することができる洞察力を養う。            
③自ら課題を設定して調査し、自分の考えをまとめて発表する能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1歴史学を学ぶ意義を十分に理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えを論理的にまとめることができる。歴史学を学ぶ意義を理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができる。歴史学を学ぶ意義について、理解が不十分であり、歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができない。
評価項目2モノが人類の歴史の中で果たした役割について、十分に理解できている。モノが人類の歴史の中で果たした役割について、理解できている。モノが人類の歴史の中で果たした役割について、理解が不十分である。
評価項目3自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することが十分にできる。 自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することができる。 自ら課題を設定して調査すること、および、それをまとめて発表することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「モノ」を通じて歴史を学ぶ意義は、各時代、各地域の人々の具体的な生活の様子を理解することができるという点です。教科書等で学ぶ歴史は、どうしても政治史が中心となってしまいがちです。本講座では、為政者だけではなく、当時を生きた多くの民衆の具体的な生活に注目することで、各地の文化や生活様式がどのようにして形成されたかを学んでいきます。
授業の進め方・方法:
前半部分では講義形式を中心に授業を進めていく。適宜、授業で扱ったテーマに関して、学生らにも考えをまとめ発表してもらう機会を設ける。後半部分では、前半の講義を参考にしながら、学生自身が興味をもったモノの歴史を調べるとともに、それらが社会に与えた影響について、自分の考えを交えながら報告を行ってもらう。
注意点:
①必要に応じてプリントを配布するので、なくさないようにして下さい。            
②課題発表をきちんと済ませなかった場合は、学年末評価が単位不可となります。
③授業は、ノート形式・空欄補充式のプリントのいずれかを採用します。ただし、黒板を丸写しするだけ、空欄補充だけではノート・プリントは完成したとはいえません。ですので、時代的背景や歴史的関連などしっかりメモをとりましょう。ノート・プリントにどんどん書き込むようにすると、不思議と歴史の流れがわかってきます。また、予習、復習で自分が調べてみたこともプリントへ書き込んで下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 歴史学と関連諸学について、それぞれの特徴を理解し、それらがどのように関連しているのか理解する。
2週 アイスマンから見た新石器時代 アイスマンに関する研究成果を概観しながら、新石器時代の人々の生活について知識を深める。
3週 沈没船から見た交易の歴史 これまで世界各で発見された沈没船が当時の交易を考える上で、どのような知見をもたらしたか理解する。
4週 貨幣から見た古代ローマ 古代ローマの貨幣制度について概観しながら、貨幣からどのような情報を読み取ることができるか考察する。
5週 魚から見た世界史 中世ヨーロッパにおけるニシン漁や日本におけるニシン漁などを比較しながら、東西の魚文化の特徴を理解する。
6週 茶から見た世界史 世界システム論について理解し、茶の交易がその形成に与えたえた影響について、考察する。
7週 コーヒーから見た世界史 世界システム論について理解し、コーヒーの交易がその形成に与えたえた影響について、考察する。
8週 ジャガイモから見た世界史 ジャガイモの起源とその特徴について理解し、その伝来により、各地の食糧事情がどう変化したのか考察する。
4thQ
9週 クレイパイプ・タバコから見た世界史 世界システム論について理解し、タバコの交易がその形成に与えたえた影響について、考察する。
10週 塹壕跡から見た第一次世界大戦 考古学調査の対象が近・現代史にまで及ぶことを理解するとともに、塹壕跡に残された戦争の痕跡から戦争の悲惨さを理解する。
11週 産業考古学 近現代の産業を支えた工場やインフラストラクチャーなどを概観し、それらを後世に残す意義を考察する。
12週 モノから見た世界史① これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
13週 モノから見た世界史② これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
14週 モノから見た世界史③ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
15週 モノから見た世界史④ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
16週 モノから見た世界史⑤ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合060020200100
基礎的能力060020200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000