物質工学基礎実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 物質工学基礎実験Ⅰ
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 プリント(担当者で作成したもの)・基礎分析化学実験(東京化学同人)
担当教員 北折 典之,中川 修,山本 祥正

到達目標

1年生のものづくり基礎工学では、化学実験を経験し化学のおもしろさを体感することが大きな目標であったが、2年生の物質工学基礎実験Ⅰ・Ⅱでは、各分野の基本的な実験単位操作を学び、3年生の物質工学実験Ⅰ・Ⅱ、4年生の物質工学実験ⅢA・ⅢBで行うより高度な実験操作に対応するための基礎をつくることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学実験で取り扱うガラス器具の特徴を十分説明でき、その器具の取り扱いが上手であること。化学実験で取り扱うガラス器具の特徴を十分説明でき、その器具の取り扱いに問題がないこと。決められた時間内に、基本的なガラス器具を取り扱えない。その器具の特徴を十分理解していない。
評価項目2決められた期間に、決められた内容のレポートをきちんと提出できる。決められた期間に、おおむね決められた内容のレポートをきちんと提出できる。決められた期間内にレポートを提出できない。
評価項目3すべての実験に参加し、すべての実験の前に実験操作をきちんとわかりやすく自分のノートにまとめている。すべての実験に参加し、すべての実験の前に実験操作を自分のノートにまとめている実施していない実験があり、実験の前に実験操作を自分のノートにまとめていないことがある。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年生のものづくり基礎工学で化学のおもしろさを学んだあと、本科目では各分野の実験における基本的な単位操作を学び、操作スキルを確実に身につける。また、3年生の「物質工学実験Ⅰ・Ⅱ」では基本的な単位操作を組み合わせた実験を行い、実験の再現が可能な実験操作手順を示すことが求められるので、その前段階として各単位操作の原理を理解する科目とも位置づけている。
授業の進め方・方法:
実験実習と講義
注意点:
専用の実験ノートを用意すること。指示された持ち物を忘れないこと。事故や危険を避けるため指導者の指示を忠実に守ること。実験計画の提出がない者には実験させない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと安全講習 化学実験に潜む危険を学ぶ。
2週 講義   : 誤差、ガラス器具の取り扱い、用途、容量測定について 器具の基本的な特徴を理解する。
3週 実験1-1: 各種ガラス器具による水100mLの体積測定 ビーカー、メスフラスコ、ホールピペット、メスシリンダー、駒込ピペット等の器具の取り扱いを覚える。
4週 実験1-2: ビュレットで既定量を決まった時間で滴下する。 メスフラスコ、ホールピペットを決まった時間で扱えるようにする。
5週 実験1-3: おかわりの問題:100mL測定するのに、10回・2回・1回で採取する場合の誤差など  採取する誤差を理解する。
6週 講義   : 標準溶液の測定:水酸化ナトリウム溶液の調製と濃度測定に関する講義 中和滴定の原理を理解する。中和点を計算で求めることができる。
7週 実験2-1: 水酸化ナトリウム溶液の調製、フタル酸水素カリウム標準溶液の調製 試薬の調製ができること。
8週 実験2-2: 0.1M水酸化ナトリウム溶液の調製 決まった濃度の試薬の調製ができること。
2ndQ
9週 実験2-3: 0.1M水酸化ナトリウム溶液を用いて未知濃度の食酢の濃度決定 中和滴定で、濃度を定量できること。
10週 講義   : 化学反応の相性の問題(定性分析)と基本操作を学習:pH調整、分離・濾過などの操作 化学反応の進み方、基本法則等について理解すること。
11週 実験3-1: 各種溶液のpH測定:強酸と弱酸の希釈 電離とpHについて理解すること。
12週 実験3-2: 定性分析:塩化銀の沈殿生成と確認 定性分析の基本を理解すること。
13週 実験3-3: 電気めっき 電気めっきの実験でファラデーの法則を説明できること。
14週 まとめ 実技やレポートの問題点について理解する。
15週 予備(実験を失敗した際等の予備日)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000