物性物理化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 物性物理化学
科目番号 0019 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 村石冶人 著 「基礎固体化学」 三共出版 / 他に補助プリントを適宜配布する
担当教員 伊藤 未希雄

到達目標

物質の示す性質:熱的性質、電磁気学的性質(導電性・誘電性)、光学的性質などを定量的に理解できるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
固体の熱的性質固体の熱的性質による分類および関連する諸物性値の計算ができる基本的な固体の熱的性質に関する物性値の計算ができる基本的な固体の熱的性質に関する物性値の計算ができない固体を電気学的性質により分類し関連する諸物性値の計算ができる
固体の電気伝導性固体を電気学的性質により分類して説明できる固体の電気学的性質の説明ができない固体の光学現象を説明し物性値の計算ができる基本的な固体の光学現象を説明できる
固体の誘電性固体の光学現象を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまで物理化学、化学工学、材料化学、材料工学等の科目で学習した知識をもとに、物質の示す様々な物性の定量的な扱い方を学習する。それをもとに具体例にある物質が他の物質とはどのような物性が
授業の進め方・方法:
分野ごとに説明と演習を繰り返しながら進める。 定期試験前などに授業内容の振り返りの時間を設ける。
注意点:
数学の初等関数の計算、微積分の知識は必要である。必要な知識は物理化学IおよびIIに準じる。 演習および定期試験では関数電卓を使用するので常に持参しておくこと。 物理化学IおよびIIの教科書および参考書が本科目の理解の助けになる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション 復習 電子構造 1 本校(物質工学科)カリキュラム内での本科目の位置づけを理解できる。 2原子分子の電子構造を描き、その結合の結合定数を説明できる。 分子の電子構造を基に、固体の電子構造の成り立ちを説明できる。
2週 電子構造 2 エネルギーと等価な波数、温度との間で数値の変換ができる。 金属・半導体・絶縁体などの電子構造の違いを説明できる。 バンドギャップ・フェルミ準位などの概念を説明できる。
3週 電気的性質(電気伝導性) 1 電気伝導性による物質の分類ができる。 キャリア密度、移動度、伝導率、抵抗率の間の関係式を用いて、相互に値を求めることができる。
4週 電気的性質(電気伝導性) 2 真性半導体と不純物半導体の電子構造を説明できる。 直接遷移・間接遷移の違いを説明できる。
5週 電気的性質(電気伝導性) 3 pn接合への光・電気の作用を説明できる。 半導体の光応答を利用した様々なデバイスの動作原理を説明できる。
6週 電気的性質(電気伝導性) 4 熱的性質 固体のイオン伝導とそれを利用したデバイスの動作原理を説明できる。 金属の電気伝導性と熱伝導性の関係について説明できる。
7週 振り返りの時間 授業前半のまとめ、復習、問題の解説など
8週
4thQ
9週 電気的性質(誘電性) 1 中間試験の解説 電気双極子モーメントと固体の分極を説明できる。
10週 電気的性質(誘電性) 2 固体の分極の種類を説明できる。 誘電体の分類を説明できる。 コンデンサーの動作の説明ができる。
11週 電気的性質(誘電性) 3 誘電分散の説明ができる。 誘電体を用いたデバイスとその動作を説明できる。
12週 光学的性質 1 Lambert - Beerの式を用いた吸収に関する計算ができる。 電子遷移・振動遷移による吸収の特徴を説明できる。
13週 光学的性質 2 偏光について説明できる。 Snellの式、Fresnelの式を用いて光の屈折・反射について説明できる。 全反射とその利用について説明できる。
14週 光学的性質 3 発光・その他の固体と光の相互作用による現象を説明できる。
15週 振り返りの時間 授業後半のまとめ、復習、問題の解説など
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000