物質工学演習ⅡB

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物質工学演習ⅡB
科目番号 0028 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 マクマリー 有機化学概説 東京化学同人
担当教員 町田 茂

到達目標

有機化学Ⅰでは,有機化合物の性質や有機反応を電荷の偏りや電子の流れで理解するために、原子構造、電子配置、原子軌道、混成軌道、電気陰性度の違いによる電荷の偏り、電子の非局在化、反応中間体の安定性等の基本的な考え方を学ぶ。本演習では,マクマリー 有機化学概説 東京化学同人の章内問題を解き,有機化学Ⅰで学んだことを定着させるとともに,自学自習の習慣をつけさせることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1芳香族化合物の性質、反応性、配向性を十分に説明できる。基本的な芳香族化合物の性質、反応性、配向性を説明できる。芳香族化合物の性質、反応性、配向性を説明できない。
評価項目2立体化学の表記方法、異性体を説明できる。基本的な化合物について、立体化学の表記方法、異性体を説明できる。立体化学の表記方法、異性体を説明できない。
評価項目3ハロゲン化アルキルの性質、反応性を説明できる。基本的なハロゲン化アルキルの性質、反応性を説明できる。ハロゲン化アルキルの性質、反応性を説明できない。
評価項目4酸素を含む化合物の性質、反応性を説明できる。基本的な酸素を含む化合物の性質、反応性を説明できる。酸素を含む化合物の性質、反応性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C1 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学Ⅰでは、有機化合物の性質や有機反応の機構を、電荷の偏りや電子の流れで理解するために必要な基礎的な知識を学ぶことを目的としている。本演習では,マクマリーの5章~8章の章内問題を解き,有機化学Ⅰで学んだ知識を定着させる。有機化学Ⅰは,4年次の有機化学Ⅱや合成化学を理解する上で大切な科目であり、電荷の偏りや電子の流れで性質や反応を理解できるようになれば、有機化学は暗記科目ではなくなるので,本演習は非常に重要である。
授業の進め方・方法:
有機化学Ⅰでは,各定期試験までに教科書の2章分を講義する。本演習では,講義の進行にあわせてマクマリーの5章~8章の章内問題を解く。間違ってしまった問題や時間内に終わらなかった問題は,自宅で必ず解いて理解すること。また,問題を解くのに際して必要な知識をマクマリーの当該箇所で復習するようにすると知識が定着する。
注意点:
有機化学は基礎科目なので,理解できていない章がないようにすることが重要である。授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 芳香族化合物の共鳴構造,芳香族の命名法について学ぶ。 芳香族化合物の共鳴構造,芳香族の命名法について説明できる。
2週 芳香族求電子置換反応について学ぶ。 芳香族求電子置換反応について説明できる。
3週 芳香族求電子置換反応における置換基効果,配向性について学ぶ。 芳香族求電子置換反応における置換基効果,配向性について説明できる。
4週 芳香族化合物の酸化,還元,レトロシンセシスについて学ぶ。 芳香族化合物の酸化,還元,レトロシンセシスについて説明できる。
5週 キラリティー,光学活性,比旋光度について学ぶ。 キラリティー,光学活性,比旋光度について説明できる。
6週 立体配置の表示,エナンチオマーについて学ぶ。 立体配置の表示,エナンチオマーについて説明できる。
7週 ジアステレオマー,メソ体,ラセミ体について学ぶ。 ジアステレオマー,メソ体,ラセミ体について説明できる。
8週 後期中間試験および答案返却・解説。
4thQ
9週 ハロゲン化アルキルの命名法,製造方法,Grignard反応について学ぶ。 ハロゲン化アルキルの命名法,製造方法,Grignard反応について説明できる。
10週 ハロゲン化アルキルの求核置換反応について学ぶ。 ハロゲン化アルキルの求核置換反応について説明できる。
11週 ハロゲン化アルキルの脱離反応について学ぶ。 ハロゲン化アルキルの脱離反応について説明できる。
12週 アルコール,エーテル,フェノールの命名法,水素結合,酸性度について学ぶ。 アルコール,エーテル,フェノールの命名法,水素結合,酸性度について説明できる。
13週 アルコール,エーテル,フェノールの合成法について学ぶ。 アルコール,エーテル,フェノールの合成法について説明できる。
14週 アルコール,エーテル,フェノールの反応について学ぶ。 アルコール,エーテル,フェノールの反応について説明できる。
15週 チオール,スルフィドについて学ぶ。 チオール,スルフィドについて説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3前1
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3前4,前8,前15,後1,後9,後12,後15
σ結合とπ結合について説明できる。3前1,前2,前4,前8,前13,前14,後1
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3前2
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3前2,前13,前14,後3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前2
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3前1
共鳴構造について説明できる。3前13,前14,後3,後12
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3前6,前9,前10,前11,前12,前13,前15,後2,後3,後4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3後1
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3前2,後5,後6,後7
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3前4,前8,前15,後5,後6,後7
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3前8,後5,後6,後7
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3前1,前6,前8,前13,前15,後1,後9,後12,後15
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3前6,前9,前10,前11,前12,前13,前15,後2,後3,後4,後9,後10,後11,後13,後14,後15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前15,後2,後3,後4,後9,後10,後11,後14,後15
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3前10,前11,前12,前13,前15,後2,後10,後11,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000