分析化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 分析化学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 分析化学の学び方 澁谷康彦・森内隆代・藤森啓一共著 三共出版
担当教員 山本 祥正

到達目標

(1)溶液の濃度計算、pHの計算、平衡定数の計算ができる。
(2)酸塩基の定義、酸塩基平衡、酸塩基滴定が理解できる。
(3)錯体形成やキレート滴定が理解できる。
(4)難溶性塩の水溶液中での溶解平衡、沈殿生成の現象、溶解度、溶解度積、沈殿滴定が理解できる。
(5)酸化還元平衡および酸化還元滴定が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1溶液の濃度を短時間で計算できる。溶液の濃度を計算できる。溶液の濃度を計算できない。
評価項目2緩衝液のpHを計算できる。弱酸、弱塩基のpHを計算できる。弱酸、弱塩基のpHを計算できない。
評価項目3強酸および弱酸の酸塩基滴定のデータから分析成分の濃度を計算できる。強酸の酸塩基滴定データから分析成分の濃度を計算できる。強酸の酸塩基滴定データから分析成分の濃度を計算できない。。
評価項目4錯体形成を説明でき、キレート滴定のデータから分析成分の濃度を計算できる。キレート滴定のデータから分析成分の濃度を計算できる。キレート滴定のデータから分析成分の濃度を計算できない。
評価項目5難溶性塩の水溶液中での溶解平衡、沈殿生成の現象を説明でき、沈殿滴定のデータから分析成分の濃度を計算できる。沈殿滴定のデータから分析成分の濃度を計算できる。沈殿滴定のデータから分析成分の濃度を計算できない。
評価項目6酸化還元平衡が説明でき、酸化還元滴定のデータから分析成分の濃度を計算できる。酸化還元滴定のデータから分析成分の濃度を計算できる。酸化還元滴定のデータから分析成分の濃度を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
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学習・教育目標 C1 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる
学習・教育目標 C7 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学は物質を直接取り扱う学問として自然科学の基礎であり、分析化学はその物質を定性・定量する学問として化学の基礎を成している。この分野は化学分析と機器分析に大別される。本授業では溶液内平衡をはじめとする化学分析法の基礎、化学操作の意味を理解できるようになることを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書や補助教科書(クリスチャン分析化学ⅠおよびⅡ、丸善)に沿って酸塩基滴定、キレート滴定、沈殿滴定、酸化還元滴定の基礎を解説する。授業中に演習問題を課すとこもあるので、授業には電卓を必ず持参すること。
注意点:
授業項目ごとに関連する2年次の実験ノートやレポートを確認して理解を深めてほしい。授業用ノートを必ず準備する。授業には電卓を持参する。対数と指数の計算ができること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 溶媒としての水、溶液の濃度 溶媒としての水が説明でき、溶液の濃度が計算できる。
2週 化学反応と化学平衡 化学反応と化学平衡が説明できる。
3週 酸・塩基の概念 酸・塩基の概念が説明できる。
4週 水溶液における酸・塩基反応  水溶液における酸・塩基反応が説明できる。
5週 pHの計算(1) 水溶液のpHが計算できる。
6週 pHの計算(2) 水溶液のpHが計算できる。
7週 pH緩衝液 pH緩衝液が説明できる。
8週 中間試験および答案返却 中間試験の模範解答が説明できる。
2ndQ
9週 酸塩基滴定 酸塩基滴定が説明できる。
10週 容量分析用標準物質 容量分析用標準物質が説明できる。
11週 金属錯体の構造と錯体の安定度 金属錯体の構造と錯体の安定度が説明できる。
12週 錯体生成反応の平衡論 錯体生成反応の平衡論が説明できる。
13週 錯体生成における副反応 錯体生成における副反応が説明できる。
14週 キレート滴定(1) キレート滴定が説明できる。
15週 キレート滴定(2) キレート滴定が説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 1週から15週の重点確認 前期末試験の模範解答が説明できる。
2週 重量分析 重量分析が説明できる。
3週 沈殿生成・沈殿溶解の平衡 沈殿生成・沈殿溶解の平衡が説明できる。
4週 代表的な難溶性塩の溶解平衡 代表的な難溶性塩の溶解平衡が説明できる。
5週 沈殿分離 沈殿分離が説明できる。
6週 沈殿の形成過程 沈殿の形成過程が説明できる。
7週 沈殿滴定 沈殿滴定が説明できる。
8週 中間試験および答案返却 後期中間試験の模範解答が説明できる。
4thQ
9週 酸化還元平衡 酸化還元平衡が説明できる。
10週 ネルンスト式と電極電位 ネルンスト式と電極電位が説明できる。
11週 ネルンスト式と酸化還元反応 ネルンスト式と酸化還元反応が説明できる。
12週 いろいろな系の酸化還元平衡 いろいろな系の酸化還元平衡が説明できる。
13週 酸化還元滴定 酸化還元滴定が説明できる。
14週 代表的な酸化還元滴定反応 代表的な酸化還元滴定反応が説明できる。
15週 16週から29週の重点確認 後期末試験の模範解答が説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3後2,後3,後4,後5
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3前2
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3前3,前4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3前5,前6
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3前7
錯体の生成について説明できる。3前11,前12,前13
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3前1
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3前9
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3後13,後14
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000