物質工学展望

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物質工学展望
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 授業pptなど、各教員の独自資料
担当教員 石井 宏幸,庄司 良,城石 英伸,中川 修,町田 茂,井手 智仁,(伊藤 篤子),伊藤 未希雄,山本 祥正,中野 雅之,土屋 賢一,皆本 千尋

到達目標

物質工学分野の高度な専門領域と、自分たちがこれから学習する科目との結びつきを理解することで、基礎科目習得の必要性を理解する。
物質工学分野にどのような領域や学問分野があるか理解することで、化学を専門とする自身の将来の展望について思考を始めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベル(可)未到達レベルの目安
評価項目1物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのかよく理解でき,説明できる。物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのかよく理解できる。物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのか理解できる。物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのか理解できない。
評価項目2物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要かよく理解でき,説明できる。物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要かよく理解できる。物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要か理解できる物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要か理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質工学分野は非常に幅広い。産業および学術両面で広い分野をカバーしている。物質工学科に所属する全教員の専門分野とその周辺領域を紹介し、今後4年間で学習する科目・実験・項目との関係性を示す。
授業の進め方・方法:
物質工学科全教員が順番に講義を行う。前半45分間で講義を行い、後半の45分間でレポート作成し、授業終了時に提出する。また、ホームページ等を利用して企業活動を調査する機会を設ける。見学の受入れ先が確保できた場合は、実地での見学も予定している。
注意点:
本科目は、予習・復習等の自学自習で効果が向上するので、必ず心がけること。自学自習の習慣を身につけること。
毎回提出されたレポートを100点満点で採点し、平均点を最終評価点とする。正当な理由なく欠課した場合、その回のレポートは0点となるので、注意すること。正当な理由がある場合は、別途課題を出し、採点する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス この授業の学習内容を理解する。化学・生物学にはどのような専門分野があるかを説明することができる。
2週 エネルギー化学概論 エネルギー問題を理解し,解決するための化学的アプローチについて理解できる。
3週 分析化学概論 様々な最先端の研究に分析化学で習得する知識や技術が使われていることを説明できる。
4週 生物化学概論 生命現象は全て化学で説明できることを理解できる。
5週 環境化学概論 環境問題の原因は化学であり、解決も化学が寄与するところが大であることを理解する。
6週 高分子材料概論 高分子材料とは何かを理解し,その具体例を説明することができる。
7週 炭素材料概論 炭素材料の種類と特徴について説明できる。
8週 前半まとめ 中間試験は実施しないが、各自で前半の学習内容を振り返り、化学・生物学の学問分野を整理する。
2ndQ
9週 表面化学概論 表面・界面のみに存在する分子を選択的に観察するためにはどのような実験技術・装置が必要か説明することができる。
10週 量子力学概論 前期量子論の歴史について理解できる。
11週 化学とロボット技術 ロボット技術に関するビデオ教材を観て、化学産業分野でどのように利用されているのかを考え、他者に示すことができる。
12週 高分子化学概論 高分子化学という学問分野ができた経緯を理解し、高分子化合物がどのような物質であるかを説明できるようになる。
13週 企業調査Ⅰ いくつかの企業の経営理念、環境対応策、地域貢献への取組などを理解し、将来を展望することがてきる。
14週 企業調査Ⅱ いくつかの企業の経営理念、環境対応策、地域貢献への取組などを理解し、将来を展望することがてきる。
15週 まとめ 企業調査で学んだこと、理解したことを整理し、他者に示すことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3
蒸留の原理について理解できる。3
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。3
基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
脂質の機能を複数あげることができる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
解糖系の概要を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。3
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前13,前14,前15
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前13,前14,前15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前13,前14,前15
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前13,前14,前15
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前13,前14,前15
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前13,前14,前15
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3前13,前14,前15
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3前13,前14,前15
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前13,前14,前15
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前13,前14,前15
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前13,前14,前15
企業には社会的責任があることを認識している。3前13,前14,前15
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前13,前14,前15
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3前13,前14,前15
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前13,前14,前15
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前13,前14,前15
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前13,前14,前15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前13,前14,前15
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前13,前14,前15
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前13,前14,前15

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力8080
専門的能力2020