無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 絶対にわかる無機化学 齋藤勝裕、渡會仁 著 講談社、ベーシック化学シリーズ1入門無機化学 森正保 著 朝倉書店およびプリント
担当教員 北折 典之

到達目標

無機化合物を今後学習、研究していく上で必要な項目に絞って、演習などを行いながら無機化学の本質を理論的に理解し、説明できるようななること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1核分裂の反応式および計算が十分できる。核分裂の反応式および計算ができる。核分裂の反応式の理解および計算が不十分である。
評価項目2HSAB理論を例を挙げて説明できる。HSAB理論を簡単に説できる。HSAB理論の説明が不十分である。
評価項目3錯体の発色原理と分裂エネルギーを説明できる。錯体の発色原理と分裂エネルギーをほぼ説明できる。錯体の発色原理と分裂エネルギーを十分に説明できない。
評価項目4半導体の性質、バンド理論、点欠陥が説明できる。半導体の性質、バンド理論、点欠陥がほぼ説明できる。半導体の性質、バンド理論、点欠陥を説明できない。
評価項目5欠陥方程式を理解し、使用することができる。欠陥方程式を理解し、代表的な例で使用することができる。欠陥方程式の理解が不十分で、使用することができない。
評価項目6フラクタル構造を理解し、フラクタル次元の計算ができる。フラクタル構造を理解し、フラクタル次元の計算がおおむねできる。フラクタル構造の理解が不十分で、フラクタル次元の計算が不完全である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次に学んだ無機化学Ⅰは基礎である。本講義は、無機化学全体を広い視野でさらに学ぶ。具体的には、無機化学物質の命名法、社会で活用されている特徴的反応である原子核反応、半導体などを学習する。加えて、計算問題を通して理解を深める。
授業の進め方・方法:
講義
注意点:
無機化学Ⅰを十分理解していること。無機化学実験とリンクしているところ、および今後の研究において実践的な項目もあり、上辺だけの暗記でなく、整理して理解する必要がある。授業では電卓を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスおよび小テスト 無機化学1の基本的な問題が解けること。
2週 イオン化エネルギー
HSAB理論
イオン化エネルギーとHSAB理論について説明できること。
3週 原子核反応 原子核反応式が書けること。
4週 核分裂および錯体の構造 核融合、核分裂に伴う質量欠損とエネルギーの計算ができること。
5週 錯体の発色 錯体のエネルギー分裂の説明と計算ができること。
6週 中間試験 今までに学習したことがおおよそ理解し、計算できること。
7週 中間試験の解説と無機化学の応用について
8週 半導体について 絶縁体、導体、半導体のそれぞれの特徴を説明できる。
2ndQ
9週 点欠陥について 代表的な固体の欠陥を説明できる。
10週 バンド理論について バンド理論を理解し、演習問題が解ける。
11週 欠陥方程式に関して 欠陥の表記法をマスターし、使用することができる。
12週 フラクタル構造について フラクタル次元について説明できる。
13週 焼結体に関して 焼結現象を説明できる。
14週 小テスト 中間テスト後の内容を理解しているか確認する。
15週 小テストの解説と無機Ⅱのまとめ 無機化学Ⅱの内容をおおよそ理解し説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3前5
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3前3,前5
配位結合の形成について説明できる。3前5
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3前5
錯体の命名法の基本を説明できる。3前2,前5
配位数と構造について説明できる。3前5
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。3前5
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。3前3,前4,前8,前9,前10,前11,前12,前13
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。3前3,前4,前8,前9,前10,前11,前12,前13
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。3前8,前9,前10,前11,前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000