対話としての哲学・倫理入門

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 対話としての哲学・倫理入門
科目番号 0039 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『倫理』、『現代社会』
担当教員 村瀬 智之

到達目標

1.複数の人々との対話の中で、しっかりと聴くこと、問うこと、その対話を楽しむことができる。
2.哲学・倫理学が蓄積してきた知識をふまえて、批判的に考えることで、自身で新たな問題を立てることができる。
3.複数の人々との対話および哲学・倫理学が蓄積してきた知識を通して、自らの考えを論理的に、かつ、説得的に表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複数の人々との対話の中で、しっかりと聴くこと、問うこと、その対話を楽しむことができる。複数の人々との対話の中で、聴くこと、問うことができる。複数の人々との対話の中で、聴くこと、問うことが十分にできない。
評価項目2哲学・倫理学が蓄積してきた知識をふまえて、批判的に考えることで、自身で新たな問題を立てることができる哲学・倫理学が蓄積してきた知識をふまえて、批判的に考えることができる哲学・倫理学が蓄積してきた知識をふまえて、批判的に考えることができない
評価項目3複数の人々との対話および哲学・倫理学が蓄積してきた知識を通して、自らの考えを論理的に、かつ、説得的に表現することができる。複数の人々との対話および哲学・倫理学が蓄積してきた知識を通して、自らの考えを表現することができる。複数の人々との対話および哲学・倫理学が蓄積してきた知識を通して、自らの考えを表現することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、哲学・倫理学が蓄積してきた知識の中から最重要な項目について学習するとともに、実際にクラスでの対話(議論)を通して哲学的に考える方法を学ぶ。授業計画には授業で扱うテーマがわかるようにあらかじめ「問い」を提示してあるが、これはあくまで一例である。実際の授業では、受講者が各人でテーマに沿った問いを立てること、そしてその問いについて一人で・みんなで考えること、表現すること(書く、話す)を重視する。
授業の進め方・方法:
授業では、講義の形で哲学史・倫理学史の知識を学習し、それを元にクラス全体ないしグループ、あるいは、紙上での対話を行なう。
注意点:
参加型の授業であるため、対話に積極的に参加することが求められる。積極的な参加とは、発言することだけを意味するのではなく、しっかりと聴くことも含まれる。そして、何よりも他の人の発言を受けて、自らが考えを深めることがもっとも重要な「積極的参加」の意味である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション①
−哲学対話ってどんなこと?-
・授業の概要、到達点を理解する。
2週 イントロダクション②
−哲学対話ってどんなこと?-
・授業で繰り返し行う「哲学対話」の手法に親しむ。
3週 哲学の始まり①
−なぜ人は哲学するのか?-
・哲学という学問がどのように始まったかを理解する。
4週 哲学の始まり②
−なぜ人は哲学するのか?-
・哲学という学問がどのように始まったかを理解し、自らも「哲学する」ことを始める。
5週 倫理学・美学の周辺①
−「ほんとう」に善いこと、美しいものってなに?-
・古代ギリシャ哲学を中心に倫理学や美学の分野について基礎的な事項を学ぶ。
6週 倫理学・美学の周辺②
−「ほんとう」に善いこと、美しいものってなに?-
・哲学対話を通して、価値や「ほんとう」について考える。
7週 中間試験 ・6週目までの授業の内容を理解し、それを表現できる。
8週 倫理学に触れる①
−ついてもいいウソはあるのか?-
・近現代の倫理学の代表的ないくつかの立場とそれらの立場の問題点を理解する。
2ndQ
9週 倫理学に触れる②
−ついてもいいウソはあるのか?-
・倫理的な問題に対して、これまでの授業で得られた成果を踏まえながら、対話を通して考える。
10週 倫理学に触れる③
−現代技術と倫理学-
・倫理的な問題に対して、これまでの授業で得られた成果を踏まえながら、対話を通して考える。
11週 倫理学に触れる④
−現代技術と倫理学-
・倫理的な問題に対して、これまでの授業で得られた成果を踏まえながら、対話を通して考える。
12週 倫理学に触れる⑤
−現代技術と倫理学-
・倫理的な問題に対して、これまでの授業で得られた成果を踏まえながら、対話を通して考える。
13週 諸宗教の基本①
‐世界の宗教にふれる‐
・宗教について問いを立て、知ることとの関係を意識しながら、対話を通して考える。
14週 諸宗教の基本②
‐世界の宗教にふれる‐
・宗教について問いを立て、知ることとの関係を意識しながら、対話を通して考える。
15週 諸宗教の基本③
‐世界の宗教にふれる‐
・宗教について問いを立て、知ることとの関係を意識しながら、対話を通して考える。
16週 期末試験 15週目までの授業の内容を理解し、それを表現できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3

評価割合

試験授業参加、提出物等合計
総合評価割合50500100
基礎的能力5050100
専門的能力0000
分野横断的能力0000