高分子化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 高分子化学Ⅰ
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 高分子合成化学 (井上祥平著、裳華房)
担当教員 中川 修

到達目標

高分子化合物には低分子化合物にはみられない様々な特徴がある。それらを理解し、低分子化合物との違いについて説明できるようになること。また、重合反応を分類できるようになり、そのうちの逐次反応について、反応様式や特徴を説明できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
高分子化合物の特徴を説明できる。高分子化合物の特徴を低分子化合物と比較して説明できる。高分子化合物の特徴を挙げることができる。高分子化合物の特徴を知らない。
高分子の分子量について説明できる。数平均分子量、重量平均分子量を説明し、計算することができる。数平均分子量、重量平均分子量を説明することができる。数平均分子量、重量平均分子量を説明できない。
高分子の一次構造等について説明できる。高分子の一次構造、二次構造、高次構造を区別して説明できる。高分子の一次構造、二次構造、高次構造を説明できる。高分子の一次構造、二次構造、高次構造を説明できない。
高分子の熱的性質について説明できる。高分子の構造に関連させて熱的性質を説明できる。高分子の熱的性質を説明できる。高分子の熱的性質を説明できない。
重合反応を分類することができ、逐次重合について特徴を理解する。重合反応の種類を説明でき、逐次重合の動力学を理解している。重合反応の種類を理解していて、逐次重合について説明できる。重合反応の分類ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年「有機化学Ⅰ」・4年前期「有機化学Ⅱ」で有機化学の基礎を学習した後、高分子化合物について学ぶ。具体的には、高分子化合物の特徴、構造と性質の関係、分子量の求め方など、5年次で「高分子化学Ⅱ」および「生体高分子学」を学習する際の礎となる高分子化学の基礎を学習する。
授業の進め方・方法:
前半は、高分子化合物の特徴について具体例を挙げながら、黒板を用いて解説していく。講義用ノートを用意すること。理解度を確認するレポート課題に取り組んだ後、後半は、教科書を利用して、重合反応の分類、その一種である逐次重合について学習する。
注意点:
高分子化合物と有機低分子化合物の構造および性質を対比することが多く、基本的な有機反応も登場する。有機化学の復習を怠らないこと。欠課時間数が授業時間数の3分の1を超えた者には単位を認定しない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、高分子化合物の基礎 高分子化合物とはどのような化合物かを知り、身の回りの高分子化合物を挙げられるようになる。
2週 高分子化合物の分類と特徴 合成高分子と天然高分子の違い、および、合成高分子の種類を説明できる。
3週 高分子化学の歴史 高分子化学の成り立ちを説明できる。
4週 高分子と低分子の比較 高分子化合物間に働く分子間相互作用と高分子の物理変化について説明ができる。また、高分子化合物と低分子化合物との差異を説明できる。
5週 高分子の分子量 高分子の平均分子量の種類を理解し、計算できる。
6週 高分子の熱的性質と溶解挙動 ガラス転移、および膨潤について説明できる。
7週 高分子化合物の具体例(1) 熱可塑性樹脂(汎用樹脂)の具体例を学び、構造と性質の関係を説明できるようになる。
8週 高分子化合物の具体例(2) 熱可塑性樹脂(エンジニアプラスチック)の具体例を学び、構造と性質の関係を説明できるようになる。
4thQ
9週 高分子化合物の具体例(3) 熱硬化性樹脂の具体例を学び、構造と性質の関係を説明できるようになる。
10週 高分子の合成方法 重合反応の逐次重合と連鎖重合を知り、さらにそれらを分類することができる。
11週 縮合重合(1) 逐次重合の縮合重合について、具体例と反応速度式を説明することができる。
12週 縮合重合(2) 縮合重合について、反応度と均重合度の関係、官能基の量比と重合度の関係を説明することができる。
13週 縮合重合(3) 縮合重合の反応度と重合度分布の関係を説明できる。
14週 学習内容のまとめ 講義を振り返り、要点を整理する。
15週 期末試験の返却と解説 期末試験を振り返り、高分子化学の基礎知識を確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力201030
専門的能力601070
分野横断的能力000