材料工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料工学
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎固体化学, 村石冶人, 三共出版 / 随時アトキンス 物理化学要論 (第6版, P. W. Atkins, J. de Paula 著, 千原秀昭, 稲葉章 訳)を併用する
担当教員 伊藤 未希雄

到達目標

技術の進歩と材料の高性能化・高機能化とは密接に関わっている。
新規材料を開発しようとする場合に基礎として習得しておくべきことがらについて学習する。
特に固体の熱力学的性質、固体内拡散や固体の反応性などを中心に学習する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1成分系の状態図熱力学に基づき、相転移が起こるかどうかの予測、相変化に伴う物性値の変化および蒸気圧の温度依存性を説明できる。熱力学に基づき相転移が起こるかどうかの説明ができる。熱力学に基づいた相転移現象の取り扱いができない。
2成分系の状態図てこの原理に基づき、合金や共沸混合物等2成分系の状態図からそれらの相変化を説明できる。2成分系の相変化を部分的に説明できる2成分系の相変化の説明ができない。
相転移の分類相転移を一次および二次の相転移に分類し、相転移点における物性値の連続・不連続を説明できる。代表的な相転移の分類(一次・二次)および一部の物性値の相転移点における連続・不連続を説明できる。相転移の分類および相転移点における物性値の連続・不連続を説明できない。
固体内拡散Fickの第一法則および第二法則を用いて拡散現象を説明できる。またアレニウス式から拡散係数の温度依存性を説明できる。部分的に拡散現象の説明ができる拡散現象の説明ができない。
固相の反応固相の反応を分類しその特徴を説明できる。代表的な固相の反応を列挙できる。固相の反応の説明ができない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
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学習・教育目標 C1 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C5 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで物理化学および化学工学等の科目で学習した知識をもとに、相転移および拡散現象に理論的な説明を与え、具体例の取り扱い方を学習する。
授業の進め方・方法:
分野ごとに説明と演習を繰り返しながら進める。
定期試験前などに授業内容の振り返りの時間を設ける。
注意点:
数学の初等関数の計算、微積分の知識は必要である。必要な知識は物理化学IおよびIIに準じる。
演習および定期試験では関数電卓を使用するので常に持参しておくこと。
物理化学IおよびIIの教科書および参考書が本科目の理解の助けになる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション 本科目と他科目とのつながりを理解できる
2週 Gibbsの相律 (12章) Gibbsの相律と系の自由度を理解し説明できる
3週 1成分系の状態図 1 熱力学的に相平衡および相転移を説明できる
4週 1成分系の状態図 2 圧力等の諸条件が相転移点に及ぼす影響を熱力学的に説明できる
5週 2成分系の状態図 1 てこの規則について理解している
6週 2成分系の状態図 2 てこの規則を利用して具体例的な混合物の相変化や組成を説明できる
7週 復習の時間 授業前半のまとめ、問題の解説など
8週 中間試験
4thQ
9週 相転移の分類 一次および二次の相転移の特徴、特に相転移における物性値の変化を説明できる
10週 相転移の物理化学 相転移点の圧力依存性、温度依存性の計算ができる
11週 物質の拡散 1 (13章) Fickの第一・第二法則を利用して拡散現象を説明できる
12週 物質の拡散 2 拡散係数の温度依存性を説明できる(アレニウス式)
13週 焼結 化学変化を伴わない拡散律速反応の特徴を説明できる
14週 固相における化学反応 (14章) 単一固相における反応、固/気・固/液・固/固界面における反応を説明できる
15週 復習の時間 授業後半のまとめ、問題の解説など
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4後3,後4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4後5,後6
束一的性質を説明できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4後2

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000