触媒化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 触媒化学
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 新版 新しい触媒化学 三共出版
担当教員 北折 典之

到達目標

触媒とは物と物との間をとりもちそれらの反応を容易にするのに重要な役割を果たすものである。言い換えると、化学反応の速度を著しく促進するが、反応の前後で自らは変化しない物質である。本授業では、化学工学上重要である触媒に関して、その歴史、基礎およびその応用ができるようにする。加えて、現在注目を集めている光触媒についても原理を学び説明ができるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1触媒を理解し、その役割を十分説明できる。触媒を理解し、その役割を説明できる。触媒の理解が不十分で、その役割の説明も不十分である。
評価項目2触媒の発現メカニズムを解説できる。触媒の発現メカニズムをおおむね解説できる。触媒の発現メカニズムを理解していない。
評価項目3エネルギー図を使って、触媒の効果を説明できる。エネルギー図を使って、触媒の効果をおおむね説明できる。エネルギー図を使って、触媒の効果を十分に説明できない。
評価項目4活性化エネルギーの応用問題ができる。活性化エネルギーの基本問題ができる。活性化エネルギーの問題が十分にできない。
評価項目5環境触媒の代表例とそのメカニズムを解説できる。環境触媒の代表例とそのメカニズムをおおむね解説できる。環境触媒の代表例とそのメカニズムを十分に説明できない。
評価項目6本多ー藤嶋効果を正確に説明できる。本多ー藤嶋効果をおおむね説明できる。本多ー藤嶋効果を十分に説明できない。
評価項目7光触媒のメカニズムを解説できる。光触媒のメカニズムをおおむね解説できる。光触媒のメカニズムの理解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C1 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C5 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
触媒は、化学反応速度を制御することから工学を学ぶ上で重要なテーマである。また、環境を守る点からも重要である。化学の基礎を学んできた4年次後期に行うことは、学ぶ上でも理解しやすい。化学の新しい工業的応用例をエネルギー、環境、製造コストの面から学習する。
授業の進め方・方法:
講義と発表
注意点:
今までに学習した基本的な無機化学、有機化学および物理化学の基礎力と計算力が必要。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 触媒とは(触媒の定義) 一般的な触媒の役割定義に関して学習し説明できるようにする。
3週 アンモニアの合成 触媒の発現機構を理解する。
4週 触媒による活性化エネルギーの低減 エネルギー図を使って、触媒の効果を説明できる。
5週 熱触媒について 化学反応における熱の効果を理解し、計算問題が解けること。
6週 触媒の寿命とコスト 触媒の寿命とコストの関係を説明できる。
7週 中間試験
8週 中間試験の解説と触媒の応用について
4thQ
9週 環境触媒について 代表的な環境触媒の例を説明できる。
10週 ガソリン車用触媒について ガソリン車用触媒について、特徴を説明できる。
11週 ジーゼル車用触媒について ジーゼル車用触媒について、特徴を説明できる。
12週 コスト試算 各自触媒のコスト試算を行い、説明ができること。
13週 本多ー藤嶋効果 本多ー藤嶋効果の原理を説明できる。
14週 光触媒のメカニズム 光触媒の発現機構を理解すること。
15週 光触媒特有の現象 光誘起超親水化現象等の光触媒特有の現象を説明できること。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。3後3,後5
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。3後3,後5
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3後2,後3,後5
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3後2,後3,後5
純物質の絶対エントロピーを計算できる。3後3,後5
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。3後3,後4,後5
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。3後3,後4,後5
平衡定数の温度依存性を計算できる。3後3,後4,後5
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3後3,後4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。3後3,後4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。3後3,後4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。3後3,後4,後9,後10,後11
触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。3後3,後4,後6,後10,後11,後13,後14
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。3後3,後4,後6,後9,後10,後11,後13,後14,後15
化学工学SI単位への単位換算ができる。3後5
物質の流れと物質収支についての計算ができる。3後4,後5,後6,後12
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。3後4,後5,後6,後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000