触媒とは物と物との間をとりもちそれらの反応を容易にするのに重要な役割を果たすものである。言い換えると、化学反応の速度を著しく促進するが、反応の前後で自らは変化しない物質である。本授業では、化学工学上重要である触媒に関して、その歴史、基礎およびその応用ができるようにする。加えて、現在注目を集めている光触媒についても原理を学び説明ができるようにする。
概要:
触媒は、化学反応速度を制御することから工学を学ぶ上で重要なテーマである。また、環境を守る点からも重要である。化学の基礎を学んできた4年次後期に行うことは、学ぶ上でも理解しやすい。化学の新しい工業的応用例をエネルギー、環境、製造コストの面から学習する。
授業の進め方・方法:
講義と発表
注意点:
今までに学習した基本的な無機化学、有機化学および物理化学の基礎力と計算力が必要。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 3 | 後3,後5 |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 3 | 後3,後5 |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 3 | 後2,後3,後5 |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 3 | 後2,後3,後5 |
純物質の絶対エントロピーを計算できる。 | 3 | 後3,後5 |
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
平衡定数の温度依存性を計算できる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 3 | 後3,後4 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 3 | 後3,後4 |
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。 | 3 | 後3,後4 |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 3 | 後3,後4,後9,後10,後11 |
触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。 | 3 | 後3,後4,後6,後10,後11,後13,後14 |
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。 | 3 | 後3,後4,後6,後9,後10,後11,後13,後14,後15 |
化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 3 | 後5 |
物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 3 | 後4,後5,後6,後12 |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 3 | 後4,後5,後6,後12 |