到達目標
化学II等で取り扱った反応速度をもとに、より一般的なまたは複雑な化学反応を数式により記述したり解析したりできるようにする。
また、溶液中のイオンの挙動を記述したり、一般的な混合物の熱力学的性質(純物質との違いなど)を記述したりできるようにする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
微分型速度式と積分型速度式の関係 | 積分型速度式およびそれらの時定数や半減期を定義し利用することができる | 積分型速度式を利用することができる | 積分型速度式を利用することができない |
遷移状態と反応速度の温度依存性 | 反応の温度依存性を説明し、またその理論を説明することができる | 反応の温度依存性を説明することができる | 反応の温度依存性を説明できない。 |
溶液中の電気伝導 | 溶液中のイオンの挙動を説明し、関連する電気伝導について説明することができる | 溶液中の電気伝導を説明することができる | 溶液中の電気伝導を説明できない |
均一系および混合物の物理化学 | 均一系および混合物の状態図を説明し、また均一系の熱力学的性質を説明することができる | 均一系および混合物の状態図を説明することができる | 均一系および混合物の状態図を説明できない |
学科の到達目標項目との関係
JABEE (c)
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JABEE (d)
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学習・教育目標 C4
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学習・教育目標 C6
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教育方法等
概要:
化学II等で取り扱った反応速度をもとに、より一般的なまたは複雑な化学反応を数式により記述したり解析したりできるようにする。
また、溶液中のイオンの挙動を記述したり、一般的な混合物の熱力学的性質(純物質との違いなど)を記述したりできるようにする。
授業の進め方・方法:
分野ごとに説明と演習を繰り返しながら進める。
定期試験前などに授業内容の振り返りの時間を設ける。
注意点:
数学の初等関数の計算、微分積分は物理化学・化学工学(分野の科目)にとって必要不可欠なツールである。十分復習してから臨むこと。
演習および定期試験では関数電卓を使用するので常に持参しておくこと。
より詳細な説明および発展的な内容を含む教科書として、「アトキンス物理化学(上・下)」(東京化学同人)などがある。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・化学反応の速度 1 |
微分型速度式と積分型速度式の相互変換ができる
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2週 |
化学反応の速度 2 |
各次数の速度式の半減期と時定数を求めることができる
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3週 |
化学反応の速度 3 |
定常状態や律速段階の近似を用いて逐次反応や連鎖反応などの複雑な反応の積分型速度式を導出できる
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4週 |
化学反応の速度 4 |
反応の温度依存性に関連する理論を説明し反応速度の温度依存性を説明することができる
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5週 |
化学反応の速度 5 |
表面の化学反応の速度を説明できる。
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6週 |
化学反応の速度 6・振り返りの時間 |
触媒が反応速度および反応の熱力学に及ぼす影響について説明できる。 授業前半のまとめ
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
均一系および混合物 1 |
均一系の状態図を読み取り、純物質の相変化を説明できる
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2ndQ |
9週 |
中間試験の解説、均一系および混合物 2 |
均一系の熱力学に関する諸式を利用し圧力などの外部条件が相転移点に及ぼす影響などを説明できる
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10週 |
均一系および混合物 3 |
混合物の状態図を読み解き混合物の相転移について説明できる
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11週 |
均一系および混合物 4 |
混合物の相平衡、相転移を熱力学を用いて説明できる
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12週 |
均一系および混合物 5 |
相転移の分類(1次・2次)を説明することができる
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13週 |
イオン性溶液の性質 1 |
溶液中のイオンの挙動を説明でき、それによってイオンの伝導率を説明できる
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14週 |
イオン性溶液の性質 2 |
モルイオン電導率と輸率を説明することができる
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15週 |
振り返りの時間 |
授業後半のまとめ
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 3 | 前6 |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 3 | 前10 |
束一的性質を説明できる。 | 3 | |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 3 | |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 3 | 前4 |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 3 | 前3 |
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。 | 3 | 前3,前5 |
活性錯合体理論を理解して、アイリングプロットを説明できる。 | 3 | 前3,前5 |
活性状態のエンタルピー、エントロピー、自由エネルギーの関係を定量的に説明できる。 | 3 | |
触媒の性質・構造を理解して、活性化エネルギーとの関係を説明できる。 | 3 | 前5 |
評価割合
| 試験 | 自習課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |