概要:
1年生で学習した化学Iおよび化学Ⅱ、ものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。2年生で開設される無機化学I、物質工学基礎実験Ⅰ・Ⅱと密接に関連する。また、3年生以降の専門科目を理解するうえで重要な科目である。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書に沿って理解すべき基本事項を説明していく。問題集は復習に役立てること。各学科の授業で扱う基礎的な内容は同じであり、下記の授業計画に示している。さらに発展的な内容を学科の専門性に応じて付け加えることもある。
注意点:
化学 Iおよび化学Ⅱ の内容を理解しておくこと。講義用ノートを準備すること。予習・復習を欠かさず自学自習の習慣を確立させること。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・復習 |
酸化還元についての基本事項を確認する。
|
2週 |
電池 |
電池の仕組み、一次電池、二次電池を説明できるようになる。
|
3週 |
電気分解(1) |
電気分解の電極反応を理解する。
|
4週 |
電気分解(2) |
ファラデーの法則を利用した計算ができる。電気分解の利用について実例を挙げることができる。
|
5週 |
粒子の結合と結晶(1)イオン結晶・分子結晶・共有結合結晶 |
イオンや分子にはたらく力について理解し、イオン結晶や共有結合結晶の種類を説明できる。
|
6週 |
粒子の結合と結晶(2)金属結晶・非晶質 |
金属結晶の種類を説明でき、充填率の計算ができる。また、非晶質の物質の代表例を挙げることができる。
|
7週 |
物質の状態変化 |
種々の状態変化を挙げ、状態図について要点を説明できる。気液平衡についても理解し、蒸気圧と沸騰の関係を説明できるようになる。
|
8週 |
中間試験 |
前半の学習内容を確認する。
|
2ndQ |
9週 |
気体(1)状態方程式 |
気体の諸法則を理解し、状態方程式に基づく計算ができる。
|
10週 |
気体(2)混合気体・実在気体と理想気体 |
気体の全圧と分圧に関する計算ができるようになり、実在気体と理想気体の差を説明できるようになる。
|
11週 |
溶液(1)溶解度・濃度 |
溶解のしくみを説明でき、溶解度や濃度に関する計算ができる。
|
12週 |
溶液(2)希薄溶液・コロイド溶液 |
希薄溶液の性質およびコロイド溶液の特徴を説明できる。
|
13週 |
化学反応とエネルギー(1)熱化学方程式・反応熱の種類 |
反応熱の種類を説明し、熱化学方程式を記述できる。
|
14週 |
化学反応とエネルギー(2)ヘスの法則 |
ヘスの法則を説明し、反応熱を計算できる。
|
15週 |
化学反応とエネルギー(3)結合エネルギー・化学反応と光 |
結合エネルギーを理解し、反応熱との関係を説明できる。また、化学発光および光化学反応について代表例を挙げることができる。
|
16週 |
期末試験答案返却 |
前期末の学習内容の定着度を確認する。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前7 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前7 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前7 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 前9 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 前9,前10 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前5 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前5 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前5 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前6 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前13,前14,前15 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 前2,前4,前14 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前11 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 前11 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 前11 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 前1 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 前1 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 前2 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 前2 |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | 前2 |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | 前2 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 前3 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 前3 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | 前4 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 3 | 前5,前6 |
物理化学 | 気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 3 | 前10 |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 3 | 前7 |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 前12 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 前12 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 3 | 前2,前3 |