量子論Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 量子論Ⅱ
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ベーシック量子論 土屋賢一著 裳華房
担当教員 土屋 賢一

到達目標

量子力学の基本方程式であるシュレディンガー方程式を、井戸型ポテンシャル、1次元調和振動子、水素原子の電子軌道等の問題について解き、考察できるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1井戸型ポテンシャル問題の解が求まる。井戸型ポテンシャル問題の式が書ける。井戸型ポテンシャル問題の式が書けない。
評価項目21次元調和振動子問題の解が求まる。1次元調和振動子問題の式が書ける。1次元調和振動子問題の式が書けない。
評価項目3水素原子の電子軌道を求めることができる。水素原子の電子軌道問題の式が書ける。水素原子の電子軌道問題の式が書けない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
学習・教育目標 C1 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C5 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
量子論の授業では数式が多く出てくるが、それらを丸暗記するのではなく、導出過程や最終式の意味等についても時間的に余裕を持って講義する。また、単元ごとに演習も取り入れながら、授業を進めてゆく。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。井戸型ポテンシャル、1次元調和振動子、水素原子のような、解析的に解ける典型的な例を取り扱い、シュレディンガー方程式の解法について理解を深める。時には、学生を指名し、演習問題を黒板の前で解いてもらうこともある。
注意点:
数式が沢山出てくるが、特に高度な数学を使うわけでもない。最初の式から、最終結論までの流れをよく見極めて、理解を深めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 井戸型ポテンシャル 1 無限に深い1次元井戸型ポテンシャル問題の定式化を理解する。
箱の中の粒子
2週 井戸型ポテンシャル 2 各領域でのシュレディンガー方程式の解を求める。
3週 井戸型ポテンシャル 3 境界条件を満たす解を求める。
4週 1次元調和振動子 1 古典論及び量子論で1次元調和振動子を記述する。
5週 1次元調和振動子 2 べき級数展開を用いた解放について学ぶ。
6週 1次元調和振動子 3 べき級数展開を用いた解放を用いて、解を求める。
7週 演習 井戸型ポテンシャル及び、1次元調和振動子について演習を行う。
8週 中間試験
2ndQ
9週 水素原子の電子軌道 1 シュレディンガー方程式の変数分離について理解する。
10週 水素原子の電子軌道 2 φ成分の解を求める。
11週 水素原子の電子軌道 3 Θ成分の解を求める。
12週 水素原子の電子軌道 4 原子単位について理解する。
13週 水素原子の電子軌道 5 ラゲール多項式について理解する。
14週 水素原子の電子軌道 6 動径波動関数の規格化を行う。
15週 水素原子の電子軌道 7 全波動関数を求める。
16週 演習 水素原子の電子軌道について演習を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000