到達目標
このゼミを通じて物理的な見方・考え方を身につけて、自然現象を系統的、論理的に考えていく力を養っていく。 環境、環境問題というと化学や生物学などの学問領域が思い出され、環境は物理学とは遠い関係にあると感じるかもしれない。しかし、それらの本質を考えるときに物理的な思考は大いに役に立つ。環境物理学入門では次のような到達目標を設定する。 【1】環境問題と物理の結びつきの一例を理解できる。 【2】エネルギー問題や地球温暖化問題についてその基本的な事項を理解できる。 【3】ある環境問題について、その本質的な問題や対応等についてグルーブで協力して調査しまとめて発表する力を養う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 環境と物理の結びつきの一例を理解し、本や文献等を読むなどして自分なりの意見を持つことができる。 | 環境問題と物理の結びつきの一例を説明できる。 | 環境問題と物理の結びつきの一例を説明できない。 |
評価項目2 | エネルギー問題や地球温暖化問題についてその基本的な事項を理解し、本や文献を読むなどして自分なりの意見を持つことができる。 | エネルギー問題や地球温暖化問題の一例についてその基本的な事項を説明できる。 | エネルギー問題や地球温暖化問題の一例についてその基本的な事項を説明できない。 |
評価項目3 | 興味を持った環境問題について自ら問題提起し、その本質的な問題や解決策についてグルーブで協力して調査しまとめて発表することができる。 | 興味を持った環境問題について、その本質的な問題や解決策についてグルーブで協力して調査しまとめて発表することができる。 | 興味を持った環境問題について、その本質的な問題や解決策についてグルーブで協力して調査しまとめて発表することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
環境問題は大気汚染や水質汚染、有害化学物質、放射能・放射線問題、酸性雨、砂漠化、森林破壊、オゾン破壊など身近なものから地球規模の現象まで多岐にわたっている。またそれらに関連して気候変動やエネルギー問題、生物多様性の低下などがある。これらの問題に関係する分野は化学、生物学、地球科学、農学など物理学以外の多くの分野がある。その中で物理学はそれぞれの問題点を整理、一般化して定量的に議論するのに役立つと考える。このゼミの前半では物質とエネルギーの変換に着目して特殊相対論の立場からエネルギー問題について考えてみる。その後、昨今問題になっている地球温暖化現象について触れる。後半は、グループワークとしてそれぞれのテーマで環境問題などを取り上げて、できるだけ多角的な視点からその問題を考えていたい。
授業の進め方・方法:
前半は講義形式で行う。講義内容に関して課題レポートを出すので提出すること。 後半は発表に向けてのグループワークを行う。グループ内で問題提起、調査、発表準備を行う。最終的には各学生がプレゼンを行い、それに関するレポートと発表資料を提出する。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ以下の評価が行われる。 「発表」は発表した学生の評価である。 「相互評価」は他の学生の発表内容についての評価である。 「ポートフォリオ」は講義内容に関する課題レポートと発表内容のレポートと資料の評価である。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 環境と物理1 |
環境問題と物理学の関係について理解する
|
2週 |
環境と物理2 |
環境問題と関連する物理の領域例について理解する
|
3週 |
エネルギーと物理学1 |
特殊相対論の基本的事項について理解する
|
4週 |
エネルギーと物理学2 |
質量とエネルギーが等価であることを理解する
|
5週 |
エネルギー問題と物理学 |
質量転化率とエネルギー効率について理解する
|
6週 |
地球の大気環境 |
太陽の放射、地球のエネルギーバランス、地球の大気構造について理解する
|
7週 |
地球温暖化現象 |
地球温暖化現象の基本的事項について理解する
|
8週 |
エネルギー問題と環境問題 |
資源枯渇やエネルギー利用にともなう環境問題について理解する
|
2ndQ |
9週 |
演習 |
資源枯渇など問題について簡単なモデルを考えて解いてみる
|
10週 |
演習 |
温暖化等の問題について簡単なモデルを考えて解いてみる
|
11週 |
ワーク1 |
テーマ探しと調査・準備
|
12週 |
ワーク2 |
調査・準備
|
13週 |
ワーク3 |
調査・準備
|
14週 |
プレゼンテーション |
発表、プレゼンテーションの相互評価
|
15週 |
プレゼンテーション |
発表、プレゼンテーションの相互評価
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 15 | 10 | 0 | 75 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 15 | 10 | 0 | 75 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |